第11話『ゼイスさんの魔法講座』
すいません、今回はなんか中途半端になってしまいました。
「よし!じゃあ、早く水汲んで帰りましょ」
「うん」
持ってきた桶2つに、水を汲む。
結構ギリギリまで水を汲んだ、運んでるときちょっとこぼれそうだ。
(ちょっと重いけど、アレぐらいの距離だったら大丈夫・・・かな?)
「ん・・・しょっと」
「行ける?・・・あなた以外と力持ちなのね」
「これでも男の子だからね」
「そう、じゃあ行きましょ」
そう言ってスタスタ歩き始めるフェリシア。
「って速っ!!なんでこぼさずにそんな早く歩けるの!?」
「へ?・・・<固定>の魔法を掛けてるから・・・
って、そうだったカオル魔法使えないんだった」
「魔法!?それも魔法なの!?」
「そうよ<固定>、物を固定する魔法ね」
「う~ん・・・魔法・・・魔法かぁ・・・」
「どうしたの?」
「え~とね、魔法って誰でも使えるのかな~って」
「向き不向きがあるけど誰でも使えるわよ」
「僕にも使えるかな?」
「え?使えるんじゃないかしら?」
「だって、僕別の世界から来たんだよ?それに、魔法なんかなかったし・・・」
「・・・それもそうね、帰ったらゼイスさんに聞いてみたら?」
「そうする、早く帰ろ!!」
「そうね、ちょっと待って・・・<固定>これでこぼれないわ」
「本当!?」
恐る恐る桶を逆さにする。
こぼれない。
「・・・おぉ!凄い、凄い!!」
ブンブン桶を振り回す。
全然こぼれない。
「そこまで喜ばれると照れるわね」
「だって凄いもん!!」
「魔法、使いたいんでしょ?じゃあ早く帰りましょ?」
「うん!」
「って速っ!!カオル、家の場所分かるの!?」
「・・・分かんない」
「カオルって子供みたいって言われたことない?」
「・・・たまに言われる」
僕自身それで困っている。本気で。
(もうちょっと身長が高かったらよかったのに・・・)
いつも僕の周りには、身長の高い人が集まる。|(カオル以外皆、平均か平均より少し高いぐらいの身長なのだが、カオルが飛びぬけて低いため、カオルから見たらそう見える)
(皆も、僕のこといつも弟か妹扱い|(周りから見れば兄弟もしくは、兄妹そのもの)
してばっかりだったし・・・)
そんなこんなで、家に着いた。
ということで・・・
「ゼイスさん!!僕に魔法を教えてください!!」
「ほっほっほっ、初めからそのつもりじゃよ」
「初めから?」
「この世界の常識ぐらい教えようと思っておったからのう」
「常識?」
「そう常識じゃ、言葉はもちろん、お金や、歴史、後は魔法とか色々じゃ」
「そうだったんですか・・・何から何までありがとうございます」
(常識か・・・確かに常識は必要だよね・・・)
(向こうでは普通に思ってても、こっちではおかしいなんてことがあるかも・・・)
ゼイスさんには頭が上がりそうにない。
「よし、じゃあ魔法について簡単に教えようかのう」
「お願いします」
ゼイスさんによる魔法講座が始まった。
「魔法には、大きく2つ<詠唱魔法>と<魔法陣魔法>がある。
<詠唱魔法>は、想像と魔力を練り、ソレを古代語に乗せて、
<詠唱>し、発動する」
「はい先生、質問です」
「なんじゃね?カオル」
「古代語って日本語のことですよね?じゃあ僕は簡単にできたりします?」
「それは分からんのう」
「なんでですか?」
「カオルは古代語の<詠唱>自体は問題ないとは思うんじゃが・・・
魔力があるか分からんしのう」
「魔力・・・ですか・・・」
「心配するなカオル、そのための<魔法陣魔法>じゃ、
この世界には魔力が満ち溢れておる。それこそ空気のように、
どこにでも、なんにでもある、ソレを<魔法陣>を使い、
発動するものじゃ」
「・・・<魔法陣>とはどんなものですか?」
「ちょっと待っておれ」
そう言って、ゼイスさんが持ってきたのは一冊の本。
ソレを開いてゼイスさんが言う。
「これが、<魔法陣>じゃ」
見ると本には、よくファンタジーのアニメとかで見るような、
<魔法陣>が描かれていた、ただそこには・・・
「・・・日本語」
「そうじゃ、古代語によって、どのような、どれほどの魔法を使うかが
書かれておる。」
「炎、魔力値二十、発現、と書かれているのは分かりますが間の記号?コレは何ですか?」
「ああ、ソレはこちらの文字じゃ」
「そうですか・・・じゃあ、魔法を使うには、やはりこちらの文字を学ばないといけないんですか・・・」
「大丈夫じゃ、<魔法陣>を書くのは古代語の方がいいしのう」
「でも、この<陣>は覚えないといけないですね」
「そうじゃな」
「それと魔力値二十というのは?」
「そうじゃな、魔力値の説明もしなければな・・・
魔力値、まあ人が持っている魔力に値を付けたものじゃ、
人間種の平均は三十ぐらい、獣人種の五十ぐらい、妖精種は百ぐらい、
魔種は百五十ぐらい、魔獣は二百以上、以上というのは、種によって差がありすぎるからじゃ、
竜種は分からん、というか、測りきれん」
「どうやって測っているんですか?」
「ここには無いが、測定器がある」
「便利ですね」
「たくさん話して疲れたわい、ちょっと休憩にするかの」
まだまだ、ゼイスさんの魔法講座は続く。