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魔剣の作り方

魔術を無効化する剣について禁書庫で調べた結果、─何故魔術が効かないのか理由がわかった。


どうやら竜の血と鱗を使って、魔術に対して絶対的な防御を可能にしているらしい。


昔から、竜の血を浴びた者、肉を食った者は不老不死になり魔術が効かないという伝説があったが、どうやこれらを剣の材料に使うことで魔術を無効化しているようだった。


だが、ただ剣に血や鱗の粉末などをかけただけでは効果は発動しないだろう。


なので、どうすれば効果が発動するのかを、竜に特別詳しい人に聞いてみることにした。











「確かに、竜の体の一部は魔術の効果を打ち消す力がありますが、トールさんが思ったとおり、ただ素材として使っただけでは効果は現れないでしょうね」


『竜人族』であるキキョウさんに話を聞くと、思ったとおり、ただ材料に混ぜた程度では効果は出ないそうだ。


「…では、どうすれば効果が現れるかわかりますか?」


俺はさらに剣の製法についてキキョウさんに質問をした。



「簡単です。効果が出ないのは、剣が無機物だからです。生身の肉体よりも無機物には魔力の通りが悪く、加護などの力も弱いのです。だから、効果をだすには相当の量と方法が必要なんです」


意外にも、キキョウさんはあっさりと俺が欲しかった情報の答えを教えてくれた。


「……え?」


俺はその事に少し驚きを隠せなかった。


何か知っているだろうと思っていたが、ここまであっさりと教えてくれるとは思っていなかったからだ。


そして、キキョウさんは驚く俺を無視するように話を続けた。



「─剣に竜の鱗を粉末にしたものを混ぜて作り、次に樽を竜の血いっぱいに満たして、そこに先ほど説明した剣を入れます。そして、何日も時間をおいてから取り出せば、剣に竜の血の力が宿り、魔術を無効化する『魔剣』が出来上がります。」



キキョウさんは話が終わると、俺のほうを見ながら最後に「参考になりましたか?」とにこやかに笑った。



俺はその笑顔につばを飲み込み、剣について矢継ぎ早に質問をした。




「…鱗を混ぜるのは、血が剣に早く馴染むようにですか? 」


「そうです。その方がいくらか血に漬け込む時間が少なくて済みます」


「…血はやはり翼竜などの血ですか? それともキキョウさん達のような竜人族の血ですか?」


「どちらでも大丈夫です。効果に変わりはありません」


「…では最後に質問します。」


「はい」




俺の質問にまたにこやかに笑うキキョウさん。


その笑顔には何の裏もない。


ただ、俺に何かを教えることが楽しくて堪らないという顔だ。


「………。」


そして、俺は、その笑顔を見ながらあることを聞いた。



「…この魔剣を最初に作ったのは『どちら』ですか?」



俺の質問に、キキョウさんはまた笑って答えた。


そして、その答えは俺の予想していた通りだった。




「『私達』です。人間たちから身を守るための武器として、私たちが自分たちの身を削って作り上げた武器です」




誤字脱字の報告と感想を待っています。


あと活動報告でも書きましたが、地震雲を発見したので近日中は少し気をつけたほうがいいかもです。



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