帰宅
すごい短いです。
次からの話をこれから少し考えるため、ちょっと先にこれだけを投稿します。
「あー、だるい…」
俺は無事に寮に帰ってくる事が出来た。
あの後色々とあったが、ちびっこも泣きやみ、ここ最近の騒動のお咎めもなし。
なので、俺は安心して寮の自分の部屋で休もうと、寮の玄関に入ろうとしたのだが…
運悪く、寮の玄関の前で掃き掃除をしている寮母さんに会ってしまった。
「あ、どうも。掃除ご苦労様です。」
「………。」
俺はそう言って、軽く会釈をしてそのまま寮母さんの前を通り過ぎようとしたのだが…
「…待ちなさい。トール君。」
俺は寮母さんにちょっと怖い声で呼び止められてしまった。
「ん?」
「…その『何か御用ですか?』って顔は止めなさい。一週間も部屋を留守に不良学生」
「…あー、いや。そのことについては、ちゃんと書置きを…」
「『一週間ほどバイトしてきます。その間は部屋を留守にするし、学校も休むけど安心してください。でも、できれば代返頼む。』 …これを朝、掃除するために入ったあなたの部屋で見たときの私の驚き……。ちょっと考えて欲しいわ」
「あー、ちょっと言葉が足らなかったですか?」
「できれば、もう少し詳しく内容を書いて欲しかったわ。…まぁ、私はそこまで大変じゃなかったけど」
「なら、別に…」
「『学院』の人はそうでもなかったみたいよ」
「なんで学院が? …まさか、授業をサボったのがそんなに問題だった?」
「…すぐにわかるわ。それよりも、─お帰りなさい。バイトはどうだった? 沢山稼げたの?」
寮母さんは呆れた顔をしながらも少し口元に笑みを浮かべて、そう聞いてきた。
この「仕方ないなぁ、この子は」という顔は、この寮母さんが寮生に人気がある理由の一つだと先輩の寮生は熱く語っていた。思わず、「ドキッ!」とするような顔なのだそうだ。
だが、俺はその魅力的な表情を無視して適当に答えた。
「あー、研究室が一つもらえるぐらい」
「はい?」
「それじゃ、眠いんで失礼します。」
「あ、ちょっと! トール君!? 今の話って…!」
「おやすみなさい」
なんだか寮母さんが後ろから呼び止める声が聞こえるが、俺はそれを無視して寮の中に入った。
だが、俺が自分の部屋の前に行くと、部屋の扉の隙間のいたるところに紙が挟まれていた。
訳がわからず適当に二、三枚引き抜いてみてみたが、なんだか細かい字で色々書いてあってめんどくさかった。
「あとで読も」
とりあえず、今すぐ俺は寝たい。
俺はそう考えて、紙が沢山挟まった扉を開け一直線にベッドに飛び込んだ。
「…布団最高」
そして、久しぶりの柔らかい布団の感触に癒されながら、俺はぐっすりと朝まで眠った。