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勝負1

完成にもう少し時間がかかりそうなので二つに分割します。


書くのが遅れて申し訳ありません。

「…………。」



「…………。」



場所は王都にある広場。



其処では大勢の人々が二人の睨みあう男達を遠巻きに見ていた。


一人は身なりの良い二十代後半の男。格好からして貴族かと思われる。


そして男は部下らしき屈強な男を数人引き連れている。


対してもう一人の男は十代後半の青年だ。


青年は身なりの良い男とは違い一人だけだった。


ただ、身なりの良い男と決定的に違うのは背中に大きな「荷物」を持っているところだろう。






「…貴様が『噂の鍛冶師』か?」



身なりの良い男が青年を疑わしそうに見ながらそう言った。



「そういうアンタは勘違いの貴族様か?」



青年はそれに挑戦的な言葉を返す。


男は顔に怒りを浮かべ、青年は顔に挑戦的な笑みを浮かべる。


こうして戦いは始まった。

















「…どうやら『噂の鍛冶師』本人のようだな。」


目の前の男、ガルギス=ヴァン=ラウンディ子爵は低い声でつぶやいた。


そして、苦虫を噛み潰したような顔で話を続けた。



「…『噂の鍛冶師』よ。今なら間に合う、私に謝罪しろ。」


「ん?」


「この場で地面に額を擦りつけ私に詫びろ。」


「………。」


「そして、私の工房で働くと誓え。それで今回は特別に手打ちにしてやる。」


「………。」


「私はお前を高く評価している。」


「………。」


「最初は看板に書かれたことに腹を立て不敬罪で死罪にしてしまおうかと思ったが惜しくなり止めた。……何故だかわかるか?」


そう言って、子爵は勿体つけるようにトールに聞く。


「………。」


だが、トールは子爵の言葉に対して無言だった。



「ふむ、わからないか。」



それを見て子爵は少し不満気な様子だったが、すぐに気を取り直し、子爵は鎧の利用価値をトールに向かって喋り始めた。


「それは、あの鎧を量産できれば今まで以上の財が築けると気づいたからだ。あの鎧があればもっと教会やギルドの連中から金を搾り取れる。そうなれば、私の評価も上がりこれからはもっと優雅な暮らしが──」


子爵は大げさな身振りで喋り続けるが、それは直ぐに中断される。




「あー、うるせぇ」




その理由は、トールが苛立ちを込めた口調で子爵の話を止めさせたからだ。













「…さっきから本当にうるせぇ」



と、子爵の言葉を遮ったトールは背中に背負っていた「それ」を取り出した。


「それ」は白い布でぐるぐるに巻かれた棒状の物体で、トールが広場に着く前から背負っていたものだった。



「そんなアンタの戯言はどうだっていいんだよ」



トールは棒状の物体から布を取りながら言う。


子爵は自分の台詞を乱暴に遮られた驚きと、トールの言葉の意味がわからず呆然としている。



シュルリ シュルリ 



子爵が呆然としている間に、トールは白い布を全て取り終わる。



「だいたい、俺がここに来たのはアンタに謝るためでも雇われるためでもないんだよ」


そう言って布から取り出した「それ」を子爵に向かって突きつけるようにして見せた。



「「!?」」



「それ」を見て、子爵も周りで見ていた人々も目を見張った。


「それ」は、白銀に輝く剣だった。


銀の輝きを濃縮し輝きの純度を高めたかと思わせる、鮮烈な輝きを持った美しい剣。


柄や刀身には美しい模様の装飾が施されており、武器というよりもまるで芸術品のような剣だ。


だが、見た目の美しさとは裏腹にその剣は強い凶暴性を秘めている。


剣は一メートル半と通常の剣より長く、そして刃が広く身が分厚い。


さらに、見た目からもわかる圧倒的な重量感。


剣は分類として「グレートソード」と呼ばれる物で通常の剣よりも長く重い。


その剣から繰り出される剣戟の破壊力は、数ある武器の中でも上位に位置する。



そして、トールはその剣を子爵に突きつけたまま言う。



「俺はバカ貴族に『本物のミスリル』がどんな物なのか教えてやる為に来たんだよ」


「なっ、貴様!?」


トールが子爵に向かってそう言った瞬間、子爵は怒りで顔赤くし、トールに何かを言おうとする。



だが、


「『持って来い』」


「っ!?」



剣を突き出した状態のトールが凄みのある声でそう言うと、子爵は言葉を飲み込み押し黙った。


そして、子爵を黙らせたトールはゆっくりとした口調で子爵に命令する。



「昨日、看板にアンタが作らせているミスリルを持ってくる様に書いておいた筈だ。その『紛い物』のミスリルを今すぐ持って来い」



そう言って子爵に向かって大剣を突きつけるトール。


そして、黙り込んだ子爵を見ながら、トールは底冷えする声で続けた。








「─俺が『本物』を見せてやる」




誤字と脱字の報告と感想をお待ちしています。


あと、活動報告で短い小説を書いたので読んでくれると嬉しいです。


そして感想を書いてもらえるともっと嬉しいです。

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