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パレード

今回の話が一番書くのが難しかったです。


言葉で表現する事の難しさを改めて知りました。

「パレード」


毎年、花祭りで行われる祭りの目玉だ。


仮装をした人や山車が街の大通りを行列をなして練り歩くイベントで、王都に店舗を構える多くの洋服店や防具屋がこのイベントに製作者として参加しているため、毎年豪華な出し物を見る事ができる。


数ヶ月かけて作った山車や騎士などの仮装をした者達が大通りを練り歩く姿は迫力があり、

パレードが行進する大通りでは毎年その様子を見ようと大勢の人が集まる。


そして、人の歓声と拍手で毎年耳が割れそうになるのがこのイベントの恒例だ。


だが、今年はすこし様子が違った。








その「騎士」が大通りに入った瞬間、


それまで騒いでいた見物客の声が完全に止んだ。


それは普通の騎士ではなかった。



「白銀」



騎士の鎧がすべて白銀に輝いていた。


いや、鎧だけではない。


騎士が着けている手甲、そして騎馬が装備している馬鎧も全て白銀に輝いていた。


その姿は


言葉を忘れるほどに衝撃的で、


鳥肌が立つほどに美しかった。



「「…………………。」」



そして、その騎士の姿に、全ての観客は心を奪われた。






大通りの片隅でトールはその様子を見ていた。


「良し。掴みは上々だな」


彼は周りの反応を見ながらそう呟いた。


だが、


「ん?」


そのまましばらくパレードの様子を見ていたトールだったが、視界の片隅でおかしなものを見つけた。




「ん~!ん~!ん~~!!」




年はおそらく10歳ぐらいだろうか、小さな少女が一生懸命背伸びをしている。


トールは初め、その少女が何をしているのかわからなかった。


だが、よく見ると少女の前に大きな人垣がある事に気がつく。



(あぁ、背が低くて見えないのか)



少女の低い背ではパレードの前に並んだ人垣は高すぎて、パレードの様子を見る事が出来ないのだろう。


それに気がついたトールは


「…ちょっと肩でも貸してやるか。」



気まぐれに少女の方へ向かっていった。







「なぁ、そこのちびっこ。」


「わっ!」


「あっと、驚かせちゃったか?」


「い、いえ大丈夫です。そ、それで私になにか御用ですか?」


「肩、貸してやろうか?」


「え?」


「あれ見たいんだろ?だったら俺が肩車してやるよ。」


「え?え?」


「あー、もしかして余計なお世話だったか?」


「い、いえ、そうではなく。い、いいのですか?」


「は?何が?」


「か、肩を貸してもらうことです!」


「別にいいぞ。」


「ほ、本当に?」


「あぁ」


「で、ではよろしくお願いします。」


「…早くしないとパレード終わっちまうぞ。」


「あ!」


「…しゃがむから、しっかり掴まっとけよ。」


「は、はい!」




そのまま俺は少女を肩に乗せてパレードを見た。








とあるカフェの店内──



「…パレードは楽しかったか?」


「はい!凄く楽しかったです!」


「…そうか、そりゃよかったな。」



なぜか俺は大通りで出会った少女と一緒にカフェにいた。


その理由は、あの後、パレードを最後まで見た俺は少女を肩から下ろし、これから祭りを楽しもうと少女に別れを告げようとしたのだが、


そこで俺はあることに気がついた。



「…なぁちびっこ。お前親はどこだ」


「………。」



俺の問いかけに沈黙する少女。



迷子確定。



言葉使いが見た目に反して大人っぽくて、しっかりしてると思ったがどうやら俺の勘違いだったようだ。


おそらく祭りの騒ぎに浮かれて親とはぐれたのだろう。



そして、そんな迷子を一人で放り出すほど鬼ではない俺は、仕方なく目の前の迷子の世話をする事にしたのだ。




「まぁ、それは置いておくとして、」



「?」



「お前、家どこだ?」



「………。」



「まさか住所がわからないのか?」



「………。」




俺の質問にすべて無言で答える少女。


「…………。」


「………。」



俺はそんな少女を見てどうすればいいのかわからず途方にくれた。




変なところで切れて申し訳ありません。


続きをなるべく早く書けるよう頑張ります。


誤字脱字の報告と感想をお待ちしています。






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