計画
一日目
まず、友人Sのファンの一人だと言う背の低い女子に声をかけた。
彼女はいきなり声をかけてきた俺のことを「なんだこいつ?」という目で見てきたが、俺の計画を聞くと手のひらを返したように態度を変えた。
二日目
「なぁサリア。防具が欲しくない?」
「なんだいきなり?」
「実は今度研究成果としてミスリル製の防具を作るんだけど、それを着て学長『とか』に着た感想を言ってくれる人を探してるんだ」
「それはミスリル製の防具を装備した人間がどれほど防具の重さを感じないのか言ってもらうためか?」
「そうそう。できれば見た目が華奢な人がいいんだ」
「それで女の私か…」
「協力してくれたら作った防具はサリアにあげてもいいよ」
「何!!」
「防具の管理って大変だし欲しかったらサリアにあげる。」
「是非協力しよう!」
「じゃ、当日はよろしく」
「あぁ!私に出来ることなら『なんでも』しよう!!」
三日目
「すいませーん。事務の人いますかーー?」
「はいはーい、なんの御用ですか?」
「実は来月にある『花祭り』の出し物に参加しようと思いまして、その了承を学院にもらいに来ました。」
「あぁ有志でお祭りに参加するのね?それならここにサインをして頂戴。」
「はい」
「作業するのにどこかの部屋を使うならここにもサインして。」
「はい、これでいいですか」
「うん、それでいいわ。はいこれで放課後なら学院の工房を使ってもいいわよ」
「おぉ!」
「それじゃ頑張って祭りを盛り上げて頂戴。」
「はい!頑張ります!」
四日目
俺は学院の馬術部に向かって、計画の「主役」に会いに行った。
馬術部の部長さんに話を通して、計画当日だけ「彼」を貸してもらうことにした。
そして、部長さんに頼んで「彼」の使っていた道具の一部を借りて、最後に「彼」に挨拶して俺は馬術部を後にした。
五日目
「なぁ二ア」
「なにサリア?」
「花祭りで馬に乗って街を練り歩くことになった。」
「えっ!?」
「実は最近、下級生の女子生徒から何度も『花祭頑張ってください!』と言われた。…最初は何のことを言っているのか全くわからなかったが」
「……。」
「今日、トールの奴が私の前にやって来て『花祭りで俺の作った鎧を学長”とか”に見せるからよろしく』と言われてやっと理解した。つまり祭りのパレードで私のことを仮装させて馬に乗らせるつもりだ」
「……。」
「私が必死に『そんな見世物のようなものはしたくない』と言ったら、『”なんでも”するんだろ?』と言われて。…逃げ場がなくなった」
「………。」
「なぁ二ア私はどうすればいい?」
「…サリア」
「なんだ二ア」
「…応援してるね」
「…あぁ」
本当、文才が欲しいと思う。
次はトールが防具を作る話を書く予定です。
誤字脱字の報告、または感想を待っています。
感想を書いてくれると作者はすごく喜びます。
関係ないけど、この前交番の前を原付で二人乗りした親子が通り過ぎるのをおまわりさんが素通りさせるのを見ました。(しかもお回りさんが二人とも)
それを見た時の私の感想を一言ここに書きます。
「アレはない」