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前兆

タイトルが思いつきませんでした。

 俺は先ず、ミスリルの原石を持って街にある製錬所に行き、ミスリルのインゴットを作ってもらうことにした。


 もちろん薬品は入れない純粋なミスリルのインゴットだ。


 だが、製錬には時間がかかるそうなので出来たら連絡をもらえるように寮の連絡先を教えた。


 製鉄所の人に連絡先を教えた後、空になった籠を背負って寮に帰った。


 寮に戻って借りていた籠を返してから朝食を食べて学院に向かった。


そして。






昼休みの食堂─



「材料が揃った」


 今、見の前にはディース、サリア、ニアの三人がいる。


 その三人に材料を揃えた事を教えた。



「というわけで、これから俺が無薬品でのミスリル加工が出来ることを見せてやる」


 俺は三人に向かってちょっと偉そうに胸を張ってそう言ったら、三人から予想外の言葉が帰ってきた。



「「俺(私)達はトールなら出来ると思ってるから作らなくていいよ」」



 その言葉を聞いた俺は。


「へっ?」


と間抜けな声を出してしまった。











 話をきくと、


 三人は別に俺が今まで以上の質の良いミスリルを作れることを疑っていなかった。


サリアも本当は「こいつならやれそうだ」と思っていたようだが、でも確信が持てなくてあの様に聞いてしまったそうだ。


 だが、まさか新しい薬品の調合や鍛錬方法ではなく、単純な鍛冶の技術で加工するとは思わなかったそうだ。


 そのことに驚いていた三人を、俺は「信じてない」と誤解してしまった。



「あー、何かごめん。」



 俺はバツが悪くなり三人に謝った。



「気にすんな。誤解されるような反応をした俺達が悪い」


「私もだ。お前の腕を疑うような真似をして済まない。」


「わ、私もごめんね?ちょっと驚いちゃって…」



 今度は三人が同時に謝る。



 そして、お互いに顔を見合わせた。



 するとなんだか恥ずかしくなってみんなで笑った。











「それにしてもトール。いつ研究成果を学院に提出するつもりだ?」



「あー、それなんだけど、まだ作「いったーーーーーーー!!!みんなこっちに居たわよ!!」」


 質問に答えようとしたら誰かに声を遮られた。


 声のしたほうを見ると背の低い女生徒がこちらを指差しながら背後の数人の女生徒に「早く来い!!」と手でジェスチャーをしている。



「なんだアレ?」


 俺は彼女がなぜこちらを指差しているのかわからず、誰かに聞こうとするとディースがテーブルに顔を突っ伏して腹を抱えて笑っているのが見えた。



「ディース?」



ガタッ


「……。」


 そして今度はディースの隣にいたサリアが無言で席を立った。


 その顔はなんだか苦虫をかんだような顔だった。


 気がつけばサリアは背の低い女生徒がいる方向とは反対に走り出してしまった。


「あっ!! 逃げた!!!! 追いかけろ!!!!!!」


 すると、それを追いかけるように女生徒達は去っていった。


「ん~?」



 俺はもう、何が何やら訳が分からなかった。








 彼女達が走り去った後、笑い転げるディースは無視してニアに今の出来事を説明してもらった。


「あれはね、花祭りでサリアに馬に乗ってもらおうと頼んでるのよ」


「花祭り?」


「あっ、トール君は王都に来て日が浅いんだったね。えっとね、簡単に説明すると、花祭りって言うのは王都で有名な行事の一つで、国花の「アスメア」がこの季節に国中に咲き誇るからそれを祝福するお祭りなの。露天商や馬に引かれた山車だしなんかも出てすごく盛り上がるんだよ。」


「それでサリアはその馬に乗るように頼まれてるのか?」


「そうなの。サリアは女子に人気があるから多分「騎馬」に乗って騎士の格好とかされるんじゃないかな?」


(騎馬かぁサリアも大変だなー、…そういえば故郷であぶみとか結構馬具とか作ったな)


 主に商人が乗る馬の鞍やハミだが頼まれて色々作った記憶がある。


 瞬間俺の中にあるひらめきが生まれた。



「………。」



「トール君?どうしたのそんなに今の話面白かった?すごく楽しそうな顔をしてるけど…」



「あぁ「すっごく」面白かった! おかげで「いい事」思いついた」


 二アの戸惑うような視線を感じながら頭では色々なことを考え始めていた。


 そして、俺は下準備を始めるべく動き始めた。



これからちょっと主人公動き始めます。


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