街道と転移者
森を出ると道を発見した。
道は土を固めただけの簡単な作りだが、
しっかりと整備されているのでよく使われる道なのだろう。
道をしばらく歩いていると、転移者を発見した。
不思議と見ただけでわかってしまった。
もしかしたら転移者同士は見ただけで分かるようになっているのかもしれない。
転移者がこっちに気づいた。
「こんにちは〜」
「こんにちは」
「君、転移者?」
「そうだよ。君も?」
「そうだよ〜」
「よかったら一緒に街まで行かない?」
「いいよ〜」
その後、僕は彼女のことを聞いた。
彼女の名前は牧野 瑠璃。
彼女は僕と違い死んでこちらに来たわけでは無さそうだった。
能力はランダムで決めてもらったらしい。
突然草原の真ん中に来て混乱していたらしい。
情報を整理すると、
牧野 瑠璃
能力
『精神耐性』
『空間倉庫Lv.1』『簡易表示Lv.1』
『治癒』
『簡易表示』や『空間倉庫』を教えると驚いていた。
簡易表示した結果は僕には見えなかった。本人にしか見えない仕様なのだろう。
どうやらおまけは『範囲拡大』らしい。
それと『治癒』ではなく『治癒魔法』だった。
改めて整理すると
牧野 瑠璃
能力
『精神耐性』
『空間倉庫Lv.1』『簡易表示Lv.1』
『治癒魔法』『範囲拡大』
となる。改めて見ると、僕よりも強そうだ。
そこからもうしばらく歩いていると、そこそこ大きな街が見えてきた。
しかし、門は開き切っている。
街の中に入ると、看板が目に入った。
『迷宮の街「エルメア」ヘ
ようこそ! 』
知らないはずの文字なのに意味ははっきりと分かった。
迷宮の街ということは、ダンジョンなんかがあるのだろうか?
ラノベの常識に従って、まずは冒険者ギルドに行くことにした。
冒険者ギルドには、ものすごい筋肉を持っている人や、
怪しげな杖を持っている人がいた。
「うわぁ、、、すごいね」
「そうだね、、、正直ここまでイカつい人達が居るとは思わなかったよ。」
イカつい冒険者達を半分ビビりながら、やっとのことで受付まで辿り着くと、
受付のお姉さんの方から声をかけてくれた。
「ご依頼ですか?それとも登録ですか?」
「登録です。」
そう言うと、受付のお姉さんは若干驚いたような顔をして急いで奥に何かを取りに行った。
何分かして、受付のお姉さんが黄色い紙を持って来た。