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二文字から始まる異世界  作者: 田中浩二
第一章 召喚された迷える子羊
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プロローグ

僕は、何もない、まっさらな場所で、微睡んでいた。

いつからこうしていたのか知らないし、知る気もない。

そんな場所で自我というか意識というか、とにかくそういう物が

ゆっくりと崩れて行くのを、感じていた。


ある時、急に意識が掬い上げられて、意識がはっきりしてきた。

ここはどこなのか、どうしてここにいるのか、など疑問は尽きない。


周りにも自分と似たような気配を感じる。

戸惑っていると、どこからか声が聞こえてきた。


「やあ、私の声は聞こえているかな?」


頭に直接響くような声だった。

返事をしようとして、気づく。

自分がいつの間にか見覚えのある身体になっていた。

そして、思い出す。自分が何者なのかを。

自分がどんな生活をして、どんな結末を迎えたのかを。


「よし、聞こえているようだね。

 私のことは神とでも呼んでくれ。」


神の声に意識が戻される。


「君たちには、今から異世界に行ってもらう。

 怪物がいて、魔法があって、人がいる。そんな異世界だ。

 心配することはない。君たちには力を与えよう。」


ライトノベルでよくある異世界転移だろうか。


「しかし、ただ力を与えるのでは面白くない。選ばせてあげよう。

 自分の手元にある紙に漢字を二文字まで書くといい。

 それを考慮して力を与えよう。」


そうして、大した説明もしないまま神は消えていった。

同時に上の方に29:56と出てきた。

恐らくあれが0になるとその異世界とやらに送られるのだろう。


目の前にある紙を見る。

まっさらな紙にとてもそんな力があるとは思えない。

けれど、紙に念じてみると思い通りに書き込まれている。

消すことも出来るみたいだった。


15分くらい悩んで、僕は紙に『忍耐』と書き込んだ。

異世界は何があってもおかしくないから。

他の人も大体書き込み終わったようだった。

それと同時に神の声が聞こえてきた。


「みんな書き込み終わったみたいだね。

 君たちに使命を与える。『自由に生きること』ちゃんと守ってね。」


そんな使命でもなんでもないようなことを言って神は消えていった。

それからまもなくして、僕らは異世界へ送られた。

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