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初デート

作者: ゆりのき

 今日は彼女になったアンズと初めてのデートで遊園地に来ていた。生まれて17年デートということをしたことがなかったので、この日が待ち遠しくて仕方がなかった。毎日アンズと朝登校し、手を繋いで下校する。ちょっと前の僕なら、クソがっ!と悪態ついていたところだが、今の僕は違う。可愛いアンズがいる限り、全てを許せてしまう!僕は今、世界一幸せさ!!

 と朝の僕は思っていた。今もそう思っている。だが、今非常事態が起きていた。現所在地は遊園地内の観覧車の中。もしかしてファーストキスをしてしまうんじゃないかと浮かれていたところだ。だが僕は今そんなことに気を費やしている余裕はない。何故なら、

 

 彼女の歯に鰹節がついているから!!

 

 そこは青のりだろおおおおおおおおお!!



 心の中で突っ込んだが、今はそんなことをしている場合じゃない。今は鰹節をなんとかしなくてはいけない。じゃないとキスどころじゃないぞ!キスの作法はわからないが、キスしている最中に僕の口に鰹節が移動してくるようなことがあれば、アンズに気づかれてしまう。そうなったらアンズのファーストキスが鰹節になってしまう!(僕も)人生で1回しかないファーストキスが鰹節だなんて可哀想すぎるし、何よりアンズが傷付いてしまう。それだけはなんとかして避けたい。せめて青のりなら気づかないと思うんだけど。どうしたら…。


作戦1

「さっき買ったジュース、ここの遊園地の限定の味なんだって!交換して呑んでみない?」

ジュースでさりげなく流してしまおうという作戦。

「え、ごめん。私その味呑んだことあるんだ。美味しいよね〜。今度は別々の味で交換こしようね!」

とニコッと答えてくれた。めちゃくちゃ可愛いんだけど。僕の彼女の笑顔は宇宙一だー!!鰹節ついてるけど。


作戦2

 髪にゴミがついていると言って取ろうとして、滑ったフリで口に手を突っ込みとる。え、考えついたのやばくない?僕の頭おかしいの?こんなことした後にキスってどういう状況なの?流石にできないよ。

「アレ、アンズ。頭にゴミがついてるよ?」

「え、どこどこ?とって!」

実行しちゃったよ!考えついた時、すでに行動していた!

「ほら、とれた。」

流石に口には突っ込めないよね。

「ありがとう〜。よく見えたね。助かる!」

とまたニコッとしてくれた。ヤベェ。僕の彼女宇宙1可愛いわ。鰹節ついてるけど。


 いろいろ考えてみたけれど、バレずに口の中のものをどうにかするって不可能じゃないか?どうしようどうしようと考えているうちに、頂上が近づいてきた。ふとそこで気づいた。アンズの口数が減っていることを。夕焼けに照らされているとはいえ、普段より紅潮した頬。体を縮こませて少し緊張させたようにもじもじさせている。え、態度可愛い。そして少し目を潤ませながら僕の目をじっとみてきた。そして目を閉じた。僕がそうしたかったように彼女も同じ気持ちだったようだ。小躍りしたくなる気持ちを抑えて僕は、アンズの肩を掴み顔を近づけた。もう僕の中では鰹節のことは頭になかった。せめて僕の口に入るハプニングがないように口をしっかり閉じていよう。


 そして、頂上に着くと同時に僕だちは初めてのキスをした。

 

 その時は世界が止まったかのように思えた。


 

 実際、観覧車が止まった。


ガタッ。と音を立てて、観覧車の動きが止まった。え、全く予想外なんだけど!?


『お客様に申し上げます。誠に申し訳ございませんが、機材トラブルにより、一時的に運行をストップさせております。数分で回復しますので少々お待ちください。』


 僕たちは顔を見合わせて笑った。結局トラブルは起こってしまったけれど、忘れられないファーストキスの思い出になった。これからもアンズと一緒に楽しい思い出を作っていこう。そう思う僕なのでした。



「あ、青のりと鰹節がほっぺについてるよ!右のほっぺ!」

青のりは僕についてたんかい!!


初投稿になります。少しでも楽しんでいただければ幸いです。今後も投稿をしていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。

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