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モノクロの向日葵 -白ー  作者: をぱをぱ
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第二章 体育祭に向けてⅠ

~第二章「夏編」開幕~

時は少しずつ進んでいく。

照り付ける日差しは夏の到来を感じさせる。

新太は陽葵の要望に応えるために、体育祭の幹部を目指すことにしたが・・・?

体育祭を通して少しずつ明らかになってくる、陽葵が抱えているもの、陽葵を囲む周りの人たちの変化、自分自身のこと―。

そして、修学旅行、夏休み―。


「そうか、そうだったのか―」


新太は真実にたどり着き、陽葵を救うことができるのだろうか。


「あちぃ・・・」

新太はうめき声にも近い声を上げる。

まだ五月だというのにこの暑さは異常だとも思える。

せっかくの窓際の席もこの暑さではポテンシャルを発揮できていない。

「先生~、クーラーつかんの?」

「我慢しろ、今くらいで文句を言っていたら夏は大変だぞ?」

今は岩室先生の授業中、クラスではこの暑さに文句が飛び交う。

「でもさ~、衣替えもまだでこんなに暑いと大変だよ?」

「とにかく、エアコンはつかん。授業に戻るぞー」

「うへぇ」

懇願むなしく授業が再開される。

新太にとっては二度目の授業であるため、ぼんやりと授業を傍聴していた。

えーと確か、この辺でそろそろ・・・

「じゃあ、切りが良いから授業はここまでにする。来週は―。」

やはり、このタイミングで先生が次回の授業の範囲と中間テストについての話をする。

二回目である新太にとっては何てことなかった。が、周りはそういうわけにはいかない。かくいう新太も以前はかなり慌てていた。

「あと、前々から言ってあったが、今日のホームルームは応援団を決めるからやりたい奴は何か言うこと考えておけよ?」

そうだった、例年この時期に幹部を決めるホームルームが執り行われ、本格的に学校全体が体育祭モードへと切り替わる。ちなみに例年、二・三年生で、この中間テストでの補習者が一番多くなるのはこれが原因である。

―応援団幹部ねぇ。



授業が終わり、昼休みを迎えていた。

いつも通りの面子で昼食をとっていたが、話題は自然とあの話になる。

「なあ、誰か幹部やる?」

そう、幹部問題である。

「俺はやらないかな、面倒くさそうだし」

大輝の質問に、夕が答える。

「まじかー、おれはやろっかな」

まあ、大輝はそういうことには向いているだろう。

「ほう、どうして?」

新太は期待しないで聞いてみる。

 「そりゃあ、皆を引っ張って勝利に導きたいからだろ」

 「ふーん、で本音は?」

 「幹部でかっこいいとこ見せて、あわよくば女子とお付き合いを―。」

 「下心まみれじゃねぇか」

 コイツ、呼吸するように嘘を吐くなぁ。

 「あ、梗平はやるなよ?これ以上モテたら困るから」

 「なんでだよ」

 「なあ、新っちゃんもやろうぜ、一緒に幹部。掴もうぜ!体育祭ドリーム」

 「なんだよそのアメリカンドリームみたいなのは」

 正直、新太は困惑していた。

 新太が応援団になったという事実は以前にはない。

 だが、この前のデート以来、新太の中では不安が渦をまいて消えてくれなかった。

 もし、新太の想像通りならば陽葵はもう―。そんな考えが心の隅から消えてなくならなかった。

 けれども、まだそう決めるには早い。そうあってはならない。新太はそう考えている。

 ならば、新太の優先すべきことは今までと変わらない。

 陽葵は新太が応援団になること望んでいる。

 陽葵がしたいことは最大限尊重してあげたい。

「・・・やろっかな」

(だったら、答えは決まっている。)

新太は幹部をやることにした。

「おぉ、新太も幹部やるのか。」

「お前のその体育祭ドリームとやらに乗っかろうかな」

「おう、俺と一緒にリア充になろうや」

「新太がやるなら俺もやろうかな」

「いくら払えば辞退してくれますか?」

こいつどこまで意地汚いんだ?

大輝が財布から五千円を抜きだそうとする。

「待て、ここは俺が・・・」

大智はそう言うと苦い表情で内ポケットから一万円を出そうとする。

コイツはどっから一万円出してるんだろう。

「いや、お前らどんだけ俺に幹部やらせたくないの?」

「お前が幹部なんてやったら、俺らが霞んじゃうじゃんか」

「俺ら・・・?」

ナチュラルに新太が加えられていた。

「まあ、一回やってみたかったていうのもあるし」

「おいおいー」

この後、暫く大輝達の抗議が続き昼休みが終わった。

新太としては、仲の良い人が応援団に固まった方がやりやすくて良いと思っていた。

まあ、人が多くて投票になる可能性もあるのでまだ決定ではないが。

もし仮に、新太が幹部になったとしたら、それは以前とは違う未来ということになる。

そうなったならば、慎重に行動していかなければならない。

「新太?次の授業行こうぜ」

「ああ」

(まあなんにせよまずは、幹部になることか。)

新太は次の授業の準備をして教室に向かった。



「では、言ってあった通りこの時間は体育祭の役割決めをするぞ」

ロングホームルームの時間を迎え、いよいよ体育祭の役割を決めることになった。

「じゃあ、立候補がいたら手を挙げるように、まず男子から」

新太は手を掲げた。

あんまり立候補いないといいけど―。新太は恐る恐る周りを確認する。

その瞬間、新太は自らの目を疑った。

「アレ・・・?」

 なぜなら、今手を挙げているのは新太一人だけだからである。

 いやいやいや、他はまだいいとして、あの二人はどうなった?

 「立候補は一人だけか?なら先に女子の方をやるが」

 「いや、ちょっと待って!」

 「どうした灰鹿?」

 「いや、なんで?え、なんで?」

 新太は梗平と大輝に目を遣る。が、二人は眼を逸らす。

 「おい・・・嘘だろ?」

 あんだけ楽しそうに昼休み話していたのに?

 「おい、お前ら?」

 一緒に体育祭ドリームをつかむんじゃなかったのか?なあおい、このど畜生共・・・。

 まあいい、そっちがそういう手に出るんならこっちにも策がある。

 「先生、自分は決定ってことでいいですか?」

 「まあ、お前だけだったからな」

 「では、先生。曽根・寺尾の二名を推薦します」

 「新太てめえ」

 「新太!?」

 二人は予想外の指名に動揺していた。馬鹿め、逃がさないぞお前ら。

 「そうだな、他に立候補がない場合は推薦という形をとろう」

 「では、次は女子の立候補者は手を挙げろ」

 まあ、まずは幹部になれたということで一安心か。

 女子の立候補者は誰がいるのだろう。

 新太は周りを見渡す。

 女子の立候補者は多く、このまま投票にもつれ込みそうであった。

 新太の学校では、二年に上がる際に2クラスだけのクラス変えがある。まだまだ見慣れない人物も少なくなかった。ちなみに担任は一年の頃と変わっていない。

 女子の立候補者の中には、雪奈や美月など新太の良く知る人物もいた。

 だが、新太の目には、たった一人の人物だけが目に留まった。

 なぜなら、立候補者の中には陽葵がいたからである。

 この前は向いていないからといって応援団はやらないと言っていたのに。どういうことだ?

 「む、女子の立候補者は多いな・・・、こうなってくると投票か話し合いによる決定になってくるが、立候補者はこれで全員か?」

 どうやら、これで全員のようだ。

 陽葵・雪奈・美月を含む計六人の立候補者が出た。

 「じゃあ、先に男子の方決めるか。女子は別室で話し合ってろ、灰鹿お前もそっちだ」

 「・・・へ?」

 「幹部は今お前だけなんだから、当然だろ?」

 「いやいや、俺がいたところで変わりませんって」

 そんな地獄みたいな所にいくなんてお断りだ。大体、話し合いじゃ決まるわけがない。

 「はい、じゃあ男子は推薦二名のほかに誰かいるか?」

 「え、ちょっとー?聞いてます?」

 おいおい、勘弁してくれません?女子同士のいざこざが一番怖いんだけど・・・。

 「ほら、灰鹿いくよー?」

 新太は美月に連行される。

 「嫌、待って、嫌だぁぁぁ」

 大輝と梗平はというと新太に向けてにんまり顔。こいつ等絶対許さん。


 「てか、新太。なんで幹部に立候補してんのよ」

 雪奈が新太に問う。

「陽葵の希望だから」とは言えない。

 「え、まあやってみたかったからかな」

 新太は適当な返事を返す。

 それにしても雪奈の機嫌が悪い。まあ、女の子にはいろいろあるらしいから言及はしないが。だが、雪奈が新太への当たりがキツイのは今に始まったことではなかった。

 一年の途中まではそんなでもなかったのに―。

 「俺としては、陽葵が立候補したことの方が意外だよ」

 「・・・そうね」

 そうこうしているうちに新太と立候補者らは用意された部屋に到着する。

 話をしろと言われたが、正直何を話すのかさっぱりわからない。

 「えーと、一応聞きますが、気が変わったとかいう人って・・・いないですよね」

 新太は周りを見渡してみる。もちろん誰もそんな人物はいなかった。

 立候補者6人の配分は3人が元岩室クラス、そしてもう半分が違うクラスである。

 これはもう実質クラス対抗といっても遜色ない。

 「これって、話し合いの意味なくない?」

 「だよねー」

 元隣クラスの女子が角のある言葉を発する。これに美月と雪奈が反応する。

 「確かに話し合いの余地ないよね、これ」

 「そうね、誰も譲る気なさそうだし」

 やだなー、怖いなー。女子同士争いってホントに怖いワ。新太はびくびくしていたが、その隣にいた陽葵もなんかオロオロしていた。

 「このままだと投票って形になるけど・・・」

 一応、司会として話を切り出す。

 「だってみんなやめる気ないでしょ?」

 元隣クラスのリーダー的女子が全員に問う。

 「陽葵、本当にいいの?」

 新太の中では勝手に3対3を想像していたため、新太は雪奈が陽葵に示唆している姿を意外そうに見る。

 「うん。私のことを向いてるって、できるって後押ししてくれる人がいるから」

 「・・・そう」

 なんだか雪奈と陽葵から視線を感じた気がした。

 これは投票に移りそうだと新太は思った。だが、最後に新太はもう一度釘をさす。

 「本当にこのまま投票に行ってもいいんだな?」

 元隣のクラスの女子は気づいていないみたいだが、投票に持ち込まれたら十中八九勝ち目はない。理由は二つある。一つはうちのクラスは旧岩室クラスの人物が多いということ。そして二つ目は、立候補者のメンツだ。うちのクラスでも特に好感度の高い三人である。どれほど自信があるかは知らないが新参者ではまず勝ち目は薄い。

 別に味方をするわけではない。ただ、公平に審査されるべきではある。

 周りを見るが反対する者はいなかった。

 「じゃあ、多分なんか話さなくちゃいけないと思うから―」

 新太は話し合いの結果を伝えるべく教室に戻ろうとした。というかこの場から逃げ出そうと試みた。

 が、雪奈に襟をつかまれてしまう。

 「グエェ」

 「ちょっと、新太」

 「いや、苦しっ、ちょっ」

 「ちょっと静かにしなさいよ」

 「分かった静かにするから首離して!お願いだから!」

 「あ、ごめん」

 (「あ、ごめん」じゃねえよ。殺す気か!?)

 「で、なんだよ」

 「なんだよじゃないでしょ、あんたどういうつもり?」

 おそらく雪奈が言わんとしているのは先ほどの話のことだろうか。

 「どういうって?」

 「とぼけないでよ。あの言い方は向こうが不利だってわかっている言い方だった。何で?私たち・・・陽葵が幹部になることに不満でもあるの?」

 全部わかっているようだった。なら隠していても仕方ない。

 「なんだ、気付いてたのか。でも不満とかじゃないよ。投票にもつれ込んだらお前らはまず間違いなく勝つと思う。でも、それはフェアじゃない。別に向こうの味方をするとかじゃないけど、あんなでも幹部やりたいっていう気持ちは嘘偽りないと思ったから」

 雪奈があまりに真剣に聞くので、新太も真面目に答えた。

 「まあ、向こうが汲み取ってくれなかったから意味なかったけど」

 「っ・・・」

 雪奈は何故かこちらをにらんでいた。

 「な、なんだよ」

 「別に!」

 なんだ急にプリプリしちゃって。やっぱりそういう日なのだろうか。

 「あんまり簡単に間違いなく勝つとか言わないでよ。バカ」

 雪奈は消え入りそうな声でつぶやく。

 何か変なことを言ってしまったのだろうかと新太は思った。


 教室の方から岩室先生がやってきた。

 「おい、男子の方は決まったが女子はどうだ?」

 「はあ、決まると思いますか?」

 「なるほどな、投票かぁ。あんまり気が進まないな」

 いつもなら賭けとか賭博とか勝負とか大好物な岩室先生にしては珍しい。

 「実は何年か前も投票があったんだが、負けた生徒が泣き出してしまってな・・・、というか今お前失礼なこと考えなかったか?」

 「いえ、全然全く?コレッポチモ。まあ、そりゃあ大変ですね・・・」

 「ああ、じゃあ教室にいったら簡単な決意表明してもらうからな」

 教師という立場も大変だな。今後はもっと労ろう。


 教室に戻るとそこには男子応援団がそろっていた。

 結局、梗平と大輝は幹部になっていた。もう一人は元隣クラスの人物だった。

 幹部には投票権がなく、スピーチを聞く意味はあまりなかった。

 「おい、新太。何てことしてくれるんだ?」

 「そりゃあお前、因果応報だろ」

 「なんだとこのクズ野郎」

 「そりゃあてめえのことだクズ野郎。裏切りやがって」

 「何してんだお前ら・・・」

 珍しく大輝が突っ込みに回っている。こいつが真面目ポジションなのは癪だな。

 「そういや何でクズ野郎どもは立候補を辞めたんだよ」

 「おい、ケンカ売ってんのか?」

 「やめとけよお前ら・・・、俺らが辞めたのは幹部やることになったら勉強する暇が無くなるからよ」

 ああ、この時期の補習者って確か―。

 「ああ、なるほどな。お前らバカだもんな」

 「おい―」

 梗平が何かを言おうとした瞬間、横から怒号が聞こえてきた。

 「何だと!?表出やがれ!」

 「「いや、お前がキレるんかい。」」

 やけに冷静だなと思って見直しかけていたが、やはり人は簡単には変わらない。

 そんなやりとりの合間に女子は淡々とスピーチをしていく。

 「では、次は関谷。君の番だ」

 「はい」

 関谷紫音。彼女は元隣のクラスの人物の中でもリーダー的存在である。

 「皆さんご存知の通り、私はこのクラスの人とはまだまだ付き合いが浅いかもしれません。なのでこの体育祭、幹部を通して皆さんと打ち解けることができたらなと思っています。もちろん、今までの体育祭でも幹部を経験してきたので幹部としての実力にも自信があります。どうかよろしくお願いします」

 紫音はスピーチを終えた後、どこかを向いて微笑んだ。

 新太はその仕草を不思議に思い、目線を追うとその先には雪奈がいた。

 雪奈は紫音の微笑みに微笑みで返していた。

 うん。本当に怖いね!

 「なあ、新太。俺幹部辞めたい・・・」

 どうやら、大輝もその様子を見ていたようでビビり散らかしていた。

 正直、新太も辞めたくなってきた。そもそもこの投票、元岩室クラスから3人、元隣のクラスから3人立候補している時点で、一人は必ず元々違うクラスであった人物が幹部になるのである。なんて恐ろしい。

 「では、次は内野」

 「はい」

 ようやく見知った人物が出てきた。

 「私はよくうるさいって言われるくらい声が大きいです。なので応援はぜひ私に任せてください!よろしくお願いします!」

 短くシンプルにまとめられたスピーチであったが、とても頼もしく美月らしいスピーチである。

 「次、青山」

 「はい」

 雪奈が先ってことは陽葵がラストってことか?大丈夫かよ・・・。

 「他の人の立派なスピーチを聞いていてみんなすごいなって思いました。でも、幹部になりたい気持ちはだれにも負けていません。皆さんと一緒に思い出に残る体育祭にしていきたいと考えています。皆さん、よろしくお願いします」

 新太が想像していたよりもずっと良いスピーチだった。

 新太が染み入っていると雪奈はどこかを向けて微笑んでいた。

 まさかとは思うが―。新太は嫌な予感を抱きながらその微笑みの宛先を探る。

 宛先は関谷紫音さんでした。ハイ、返して?俺の関心。

 ていうか、むっちゃ笑顔なんですけどこの二人。怖いなー怖いなー。

 「じゃあ、最後に白山」

 「へ、ひゃい!」

 陽葵は何故かすごく緊張していた。おいおい本当に大丈夫かよ・・・。

 陽葵はちらちらと雪奈と紫音の方を見ている。

 あー、そういうこと、これは緊張じゃなくて二人に怖気づいてるパターンですね。

 「なあ、大丈夫か?白山。めちゃくちゃ緊張してんじゃん」

 梗平が心配になって新太に声をかける。

 まあ、確かに心配になるのは分かる。実際、陽葵と仲の良い人物も心配そうに陽葵を見守っていた。

 けれど、新太だけは安心して陽葵の姿を見守っていた。

 「―大丈夫だろ」

 大丈夫。陽葵の顔を見れば不思議とそう思えた。

 「私は他の人と比べると幹部としての経験は少ないかもしれません。でも、そんな未熟な自分だからこそ皆さんの立場に寄り添うことができると思います。そして、皆さんと一緒に最高の体育祭にしていきたいです」

 新太の予感は的中し、陽葵らしい良いスピーチを発表していた。

 「な?」

 「ああ、なんか緊張してるように見えたから不安になったけど杞憂だったな」

 「えっと、それじゃあ最後に・・・」

 綺麗にまとまっていたようだが、最後にまだ何かあるらしい。

 「皆しゃん!頑張りましょう、エイエイオー!」

 (シーン。)

 「え、アレ?」

 うん。駄目かもわからん。

 皆が顔覆いながら頭を下げ、心の中で「余計なことを」を呟いた。

 「ブヒャヒャw」

 日奈子だけが大爆笑していた。ていうか、ちょっと品が無さすぎない?笑い方。

 「だ、大丈夫なんだよな?」

 もう本当にうちの子が申し訳ありません!かっこつけた手前新太を羞恥が襲う。

 しかも肝心のところを噛んだことに本人は気づいていない。

 「じゃあ、以上で立候補者のスピーチを終える。投票用紙に四人名前を書いて投票してくれ」

 「アレ、何で!?」

 陽葵の叫びも虚しく、全員のスピーチが終わった。

 (うん、大丈夫・・・だよね?)

 新太は一抹の不安を抱えながら、投票行く末を見守った。

 



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