{第153話}僕は歯科大学生の頃 剣道部でした
僕は 歯科大学生 の頃 剣道部でした
大学2年生から 6年生までの5年間
ほぼ毎日 夕方5時から 夜の9時まで
みっちり4時間
剣道をしていました
今の季節のように
夏の道場は蒸し風呂状態で
しかも 道着や袴
面をつけているので
余計に サウナ状態
練習する前から 汗が滝のように流れてきていました
練習中は 面をはずしてはいけなくて
たとえ休憩中でも 絶対に水を飲んではいけなかったが
短時間の 休憩の時には トイレに行くふりをして
トイレの手洗い場の蛇口を上に向けて
面の金具越しに がぶがぶ 水を飲んでいた。。。
学生時代 僕はかなり生意気だったので
よく先輩に目をつけられ
標的にされ 年に一回は かならず
{30分間かかり稽古} と称して
30分 竹刀をバットのように振られ 叩かれ
剣道なのに 蹴られ 殴られ
つかまれて 相撲のように投げ飛ばされる
しごき を 受けた
先輩は もはや剣道ではない
滅茶苦茶な理不尽な攻撃を仕掛けてくるが
こちらは 普通にきちんときれいな
真面目な 剣道 で 相手をしなくてはいけない
道場のカーテンを全て閉められ
周りに部員全員が囲み
僕が時間稼ぎのために
ちんたら 「やあああ~~~ め~~~ん」 などと言って
ゆっくり時間を稼いでいると
「早く戻らんかい!!!」
と言って 周りを囲む部員に 押され 蹴られ
そのはずみで 倒れたところで 先輩に また蹴られ
無防備の 背中や足 を竹刀で叩かれる
なので すぐに立ち上がらなくてはいけない
歯を食いしばって 肘を使って 立ち上がる
肘は擦りむいて 内出血
あおむけに倒れると 腹や面 足 めがけて
竹刀が振り込まれる
竹刀が 僕の手から 弾き飛ばされると
防御するものがない
そこに竹刀が飛んでくるので
それを 腕で防御するが かまわず 思いっきり
竹刀で 叩き込まれる
なので 腕もまた 内出血
僕が落とした竹刀を 床から取ろうとすると
先輩が 竹刀を 壁際の端に吹き飛ばす
それを取ろうとするが かがんだ状態なので
お尻を 思いっきり 飛び蹴りされて
吹き飛ばされて 壁に頭をぶつけて
ぶっ倒れる
痛みなんて アドレナリン が大量に分泌されているので
その時は 感じない
あるのは 闘争心のみ
気力 根性で 乗り越える
「やあぁぁぁ~~~」と大声で 気合を入れているのに
「もっと声を出さんかい!!!」と怒鳴られ
脳みそに酸素がなくなるまで 気合で
腹の底から 「ぎゃやあぁぁぁ~~~ めんめんめん!!!」
と叫びに近い 声を発する
目がチカチカする
途中で あまりの理不尽さに
「貴様ぁぁぁ~~~ このぉぉぉ~~~!!!」
と 先輩に向かって
こちらも崩れた型で 竹刀を振り回すが
「なんかぁぁぁ~~~!!!
お前のその態度は~~~!!!」
と 逆に切れられ すごまれ
足の裏で お腹の銅を蹴っ飛ばされ
後ろに 吹っ飛ばされる
そこへ 周りを囲む 部員に無理やり起こされ
蹴っ飛ばされて よろめき また倒れる。。。
気合で立とうとするが 袴のすそを踏んで
足をひねって 苦痛で また倒れる。。。
竹刀を 無茶苦茶に振ると
無駄な筋肉を使うので 激しく疲労して
30分 持ちそうにない。。。
なので 結果 綺麗な型で
「め~~~ん ど~~~ こて~~~」
と頑張って続けたほうが 楽だったりする。。。
そうこうしているうちに 面のひもがほどけ
面が外れて タオルだけの頭も
竹刀で 容赦なく 叩かれ
面をつける暇がないので ひもは緩んだまま
面が外れないように 少し 顎をあげて
目線が上になった状態で 面を保持する
その状態で 竹刀を振らないといけないが
まともに剣道なんてできない。。。
面が落ちないように 顎をあげていると
顎やのど めがけて 突きが さく裂してくる
超~~~危険 極まりない。。。
歯医者なのに 顎や口 を 大怪我しそう。。。
肘 ひざ 蹴り 殴り 竹刀で 突き などを喰らわされ
30分間 剣道という名の リンチが ひたすら続きます
突きも 綺麗に入ってこないので 擦りむいたり
竹刀の ささくれ が体にめり込んでくる
フラフラ状態である
後輩たちは普通の練習でも ゲロを吐いていたが
僕は 一切 5年間 吐いたことはなかった
僕の同級生が
このしごきを食らったときは
終了した後 あまりのつらさに
大声で むせび泣き していました。。。
歯科大学付属の歯科衛生士学校の
女性マネージャーたちも
あまりの理不尽なしごきで
泣いていました。。。
30分の終了を知らせる合図の
太鼓の ドドン という音の後に
「終了!!!」
と言われると 「やっとおわったぁぁぁ~~~」
という安堵と共に 燃え尽き
ふらふらするが
最後の礼 まで気合で 頑張りとおす
終わった後 脳みそは
しゅ~~~~~~
というすべてが燃え尽きたような音を発して
僕は 完全に 無 になってしまっていた。。。
終了すると 体中が あざだらけ
頭は たんこぶ だらけ
肘・膝は内出血
体中 擦り傷 だらけ
それから数週間 地味な
負傷しまくった傷の 痛みと闘うのです。。。
この {30分間かかり稽古}のおかげで
今まで いろいろあった
困難なこと どんなつらいことも乗り越えてきた
僕です!!!
キリッッッ
長時間 集中力も 普通の人よりは
けた外れに保てられると思います
これが 繊細な細かい歯科治療というお仕事に
今まで おおいに役に立っていると思います
また僕は 線画のような細かい絵を
長時間かけて 集中して 根性と気合 で描くのですが
これも 滅茶苦茶きつかった剣道を
青春時代に 頑張っていた
おかげかもしれません
今 歯科医師として
朝から深夜まで 滅茶苦茶 働いているが
この剣道のしごきの おかげで
今まで乗り越えられたような気がします
ただ 学生時代の 剣道の思い出 は
苦しかった嫌な 思い出 しかありません。。。
歯科大学を卒業して
何がうれしかったかと言うと
歯医者になれたことよりも
剣道を もうしないでいい と思ったこと
剣道を辞めることができたことが
一番 うれしかったです。。。
ただ 青春時代に 体を滅茶苦茶 鍛えたおかげで
体は 滅茶苦茶 頑丈になったと思います
今でも 僕は時間があったら
筋トレ に励んでいます
僕は基本 天邪鬼なので
人から 「これをしろ!!!」
と命令口調で 言われると
反抗して 絶対 したくなくなる
筋トレは苦しいが なぜか 自分から すすんで
頑張ってしまいます
2020.9.7 AM4:42




