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第七話:おいタマ
「着いたぞ。」
黒猫さんが案内してくれた場所は近所の(と言っても家から数十分かかるところだが)空き地だった。
ところどころに草木が生えていて隠れ場所には絶好そうだ。
「ここは?」
「俺たちの本拠地だ。」
なるほど、やっぱり隠れ家か。と一人で納得する。
「あ、そういえば黒猫さん。貴方のお名前は?」
ふと名前を知らなかったことに気づいて訊ねてみた。
「あぁ。野良だからいろんな名前があるが…。あいつらからは…。」
「クロさーん!!って誰ですか?その子?」
駆けてきた新しい猫。見覚えがあるんだけど…。
「タマか。こいつは新しい仲間だ。鈴、改めてよろしく。俺はクロ。こいつは…」
「タマっす!」
その元気溢れる猫は、タマは…。
家で飼ってる猫だった…。
「あ、タマさん。よろしくです~アハハ」
「タマでいいっすよ~」
なんか私がイメージしてたタマはもっと清楚系だったのに、なんかチャラくね?
「俺達の他に後2匹いるんだが、今はいないから後でだな。」
なんか仲間になるの前提な気がするんだけど…。
とりあえずどうやって戻ればいいんだ?