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第六話:黒猫さん
そのまま黒猫さんと歩くこと数分。
会話がなくて気まずいから話しかけてみようかな?
「おい…」
「あの…」
「…」
「…」
タイミングかぶったぁぁあ!
どうぞどうぞ的な流れになると一番めんどくさいぞ…。
「お前、名前は?」
黒猫さん、何事もなかったことにしてくれてるよ…。優しい?もしかして優しい!?
「あっ、東雲鈴音です。」
「変な名前だな。」
黒猫さんにディスられた…。
と凹んでいると黒猫さんがこう言った。
「長いし変な名前だから、今日から鈴な。」
鈴…。良い名前だと心から思った。
「はい。嬉しいです!」
鈴という新しい名前を貰って少し元気が出てきた。
そこからまた沈黙が続いたが、気まずくなんてなかった。なぜだか心地よかったんだ。