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マオちゃんと小鬼

作者: 真子 有馬

 昔、私の娘が幼い頃、おしゃぶりの癖をやめさせたくてつくったお話です。

読み聞かせてみると、効果てきめん!すぐにおしゃぶりを直すことができました。

 マオちゃんはこのあいだのお誕生日で3さいになったのに、眠るときにはいつもおしゃぶりりをしてしまいます。おひるでもよるでも、おしゃぶりをするととっても気持ちよくねむれるからです。


 ある日、マオちゃんはお母さんにお弁当をつくってもらって、おうちのうらの向こうの小さな丘の上まで、冒険することにしました。

 「ひとりでだいじょうぶ?」お母さんが聞くと、

 「だいじょうぶ!」と元気よく答えました。


 丘の上に着いたマオちゃんは小さな切り株を見つけて腰掛けました。

空はとてもよく晴れていました。気持ちいい風が吹いていました。来たみちの方をみるとお母さんが、二階のテラスに洗濯物を干しているところでした。マオちゃんが大きく手を振るとお母さんも大きく手を振りました。


 いよいよ楽しみにしていたお弁当です。ふたを開けると、おむすびと玉子焼きとアスパラのベーコン巻きときゅうり入りのちくわがぜーんぶふたつずつ入っていました。どれもマオちゃんの大好きなものばかりです。


 「いただきまーす!どれにしようかなぁ」とマオちゃんはおはしを上手に使ってアスパラのベーコン巻きをひとつ口にほうばりました。モグモグ、モグモグ・・・。やっぱりお母さんのお弁当はおいしな、とマオちゃんがお空の雲を見上げていると、


 「それうまそうだな」


 いつのまにかマオちゃんのとなりに、かわいい小鬼が来ていて言いました。

お弁当箱にはもう一つのアスパラのベーコン巻きがあったので小鬼はすばやくつまみあげると、


 モグモグ、ムシャムシャ。ムシャムシャ、モグモグ。


 ・・・食べちゃいました!


 マオちゃんは少し驚きましたが、かわいい友達ができたように思えてきました。


 マオちゃんはにっこりわらって次は玉子焼きをたべます。小鬼は、


 「それもうまそうだな」ともう一つあった玉子焼きを、


 モグモグ、ムシャムシャ。ムシャムシャ、モグモグ。


 ・・・食べちゃいました!


 小鬼は、お弁当とマオちゃんを見比べて、何を食べるのか心待ちにしているようです。

つぎは、おむすびをとってマオちゃんは食べました。


 「そいつもうまそうだ」と小鬼はもう一つのおむすびを、


 モグモグ、ムシャムシャ。ムシャムシャ、モグモグ。


 ・・・食べちゃいました!


 最後はきゅうり入りのちくわです。マオちゃんがきゅうり入りのちくわをモグモグすると、


 「それもうまそうだな」小鬼は残っているきゅうり入りのちくわを、


 モグムシャ、ムシャモグ、ムシャモグ、モグモグ。


 やっぱり食べちゃいました。


 お弁当を食べてマオちゃんは眠くなってきました。大きなあくびがでてきます。

マオちゃんはいつものように左手の親指をおしゃぶりはじめてしまいました。


 「おお、それはいちばんうまそうだ」


 マオちゃんの右手にもう一つある親指を見つけた小鬼は、


 モグモグ、ムシャムシャ、モグムシャ、ムシャモグ、ムシャムシャ、モグモグ・・・。


 食べちゃいました。



     (終わり)


   


 

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