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プロローグ
プロローグ
季節はめぐる。春夏秋冬。当たり前のように。
窓の外から見える木は季節を通して様々な表情を見せるように、彼女もまた、ころころと表情を変える。
笑ったり、拗ねたり、怒ったり、照れたり……大袈裟なくらい身振り手振りで自らを表現する。
1つ1つに目が離せない人だった。彼女だけにスポットライトが当てられているように見えた。
どこにでも居そうな普通の女の子なのに、彼女だけは特別な存在に思えた。
今でも思い出すと胸がキリキリと痛む。一生忘れることの出来ない沢山の彼女との思い出____
_____スマホのアラームが鳴っている。
1日の始まりを告げる無機質な音だった。
微睡みの中、手探りでアラームを止め、今日もくだらない1日が始まると胸の内に秘めながら部屋のカーテンを開ける。
朝日は寝惚けた俺のことなどお構い無しに光が差し込んでくる。
「また…俺はアイツの夢を……」
俺はベットに腰掛け頭を抱えて呟くのだった。