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フィリ・ディーアが触れる世界  作者: 市境前12アール
終章 フィリ・ディーアの触れた世界に住む人たちと歩く道
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3.血のつながった人と、「初めまして」と再会して(上)

「……はい。では、そろそろこちらに来ると。……はい…………いいえ、お気遣いには…………」


 旧都マイニングの外れにある小さな教会の礼拝堂で。規則正しく並べられた机の隅の方の席に座りながら、同じく礼拝堂の片隅で携帯型の通信機を使って、多分フィリが住んでいた軍宿舎の関係者と話しをしているであろうリズを見て、ダーラは思う。


(便利なものねぇ)


 リズが持ってきた、驚くほど小さな最新型の携帯型通信機。それまでダーラが見てきたような大きな「通信装置」とは違う、鞄の中に軽々と入ってしまうほどの大きさのその機械を見て、ダーラは便利な世の中になったわねぇと、しみじみと思う。


(確か、歩きながら通信することも可能って言ってたかしら。本当、最近の機械は凄いわねぇ。……もしかすると、「中央教会」も持ってないんじゃないかしら)


 リズが持ってきた、肩掛け鞄に収まってしまうような大きさの通信機。それは、ダーラが今まで抱いていた「通信機は持ち運びのできない大きな機械」という今までの常識を覆すほどの衝撃で。リズがここを訪れてから今まで何度も見ているのに、そこまで小型化されたことにまだどこか納得できない自分に、私も歳をとったかしら、なんてことをダーラは思い。――目の前の、上品さと若さにあふれたリズの姿をそっと眺める。


(こうやって見ると、本当にお姫様みたいなのよね。――これで、将来を嘱望された「実業家」なんて言われても、ねぇ)


 リズ・ディーア。未だ壮年と言ってもいい当代のディーア卿の下で働きながら、既に自らも騎士爵を授けられ。いずれ年若い跡取りを支えて活躍することを期待された、「次代のディーア騎士爵家」を支える中心人物。

 ダーラはそんなリズの人物像を思い出して、とてもそうは見えないわよねぇなんて、既に何度目になるかわからないようなことを思い、……きっと相手もおんなじようなことを思っているのかしらと、心の中でくすりと笑う。

 自分だって、「病院」という、新教にとって重要な場所を任されているような人間に見えないだろうし、「携帯型通信機」なんて驚きの品を持ち歩いているこの「良家の子女」さまが、何も知らないままここを訪ねてくるなんてありえないだろうと。


――何より、私が新教を布教する上での「最前線」に立っていることは紛れもない事実なのだからと、ダーラは気負うことなくそんなことを考えて……


(……確か、何か気になったことがある時は、すぐに自ら足を運んで確認する「身軽さ」が売り、だったかしら。……ふふ、その辺りは意外と似ているのかしら)


 相手の立ち位置にささやかな親近感を感じたダーラは、クスリと笑う。すぐに現場に足を運んで確認するのなら、それはきっと自分と同じように最前線で働くのが好きなタイプということで。……ふと、そういえばこの人が訪ねてきた理由であろう、一人の少女のことを思い出す。


――今はいろんなことを学んでいる最中だけど。きっとあの子も、必要だと思ったときには身軽に動こうとするタイプかなと。


(……さすがに私の『お客さま』にも、ディーア家の長女についてそこまで詳しい人はいなかったけど。多分この人は、いろんなところであの子と似ている、そんな気がするのよね)


 さすがに酒場のお客さまに、遠い異国のご令嬢のことに詳しい人もいなくて、どんな人なのか詳しくはわからなかったけどと、そんなことを考えていたところで、通信を終えたリズが、親しげな声で話しかけてくる。


「おまたせ。フィリさんと聖鳥様、あと少しでこちらに着くそうよ」


 その言葉を聞いてダーラは、「じゃあ、そろそろお菓子を出しましょうか」と言って席を立って。リズがこの教会を訪ねてきてからずっと待ち続けていた「お客様」をもてなすべく、準備を始めた。



(面白い人ね、この人も)


 リズの「そろそろこちらに着く」という言葉を聞いて、もてなす準備をするために席を立ったダーラを見て、リズは思う。このダーラという修道女(シスター)は、初めて会った時から、どこかのんびりとしていて。実際に話しをして、本当にのんびりとした優しげな人だと感じて。――その度にリズは「そんな訳がない」と、ゆるみかけた警戒心をこっそりと呼び覚ましていたのだ。


(目の前にいるのは、共和国の()()()()()教会から独立を果たしつつある「新教」の、重要な地点である「隔離病棟」を任されているような人よ。甘い人な訳がない)


 共和制という制度の弊害だろうか、さまざまなことが派閥の論理で決定される傾向のあるこの「共和国」で。最初は生き残るためにだろう、宗教の持つ「数」という力を武器に政治の中枢にまで力を及ぼすようになった共和国の教会主流派。

 最初は、ともすれば科学的な手法を優先しがちな「共和国」という国風から守るための手段としてだろう、政治的な関与を行っていたのが、やがて布教のために積極的に政治に関与するようになり。……気が付けば、教会主流派は、国内有数の派閥にまで成長した「教会派」の一部として動くようなことも多くなり。


――そんな政治色の強くなってしまった「教会主流派」から、まるで原点回帰をするように、「新教」という素朴な教えが生まれたのは、もはや必然だろうか。


 それでも、中央から独立しようとしている以上、相手からは「敵」として見られるのよねと、そんなことを思いつつ、リズは、客人をもてなすために目の前で動くおっとりとした修道女を見る。

 彼女を始めとした「新教」の人たちが行っている「布教」というのは、極めて単純だ。人々に教えを広め、その教えで誰かを救い、その誰かを伝手に新たな人へと教えを伝える。新教の人たちのしている布教活動は、そんな、どこまでも地道で、同時に、極めて正しい教えの広め方だ。


――同時に、それを一つの仕組みにしてしまうのが、彼らの食えない所なのだろう。


 彼女が任されている「隔離病棟」と「新教」は、運命共同体であると同時に、互いの利害で結びついた関係でもある。病院側は新教にのみ(・・)布教を許すことで、治療以外の患者への援助を要請し、新教は病院の子供たちを救いながら、信者を通して自分たちの教えの有益性を世の中に広げていく。


――その活動の目的を見失っている訳でない。それでも、教えを広げるためなら政治的な活動や敬虔な信者を「使う」こともためらわないし、そういったことを信用を失わないように実行するだけのしたたかさも、新教は持ち合わせている。


(政治に染まった中央から独立して。原点に立ち戻って、「教え」で人を救うことに注力して。――それでも「効率的な手法」を使うのは、これはもう共和国の国風なのかしらね)


 リズは思う。「教会派」というのは、「教会主流派」という共和国内での最大宗派という枠を超えて、共和国を動かす一つの政治勢力として、既に確固たる地位を築いている。その教会派の中核を担う「教会主流派」と「教え」で対立している「新教」は、教会派と交渉することも手を結ぶこともできない、確固たる「敵」になってしまっていると。

 だから、綺麗ごとを言ったところで潰されるだけだし、教会派は、自分たちに都合が悪い存在をこれまでに何度も潰してきた派閥でもあるのだ。――そして、新教の人たちは、そのことを良く知っているのよねと。

 もちろん、彼らは政治的な派閥ではない、むしろ純粋な信仰心を持った宗派だろう。それでも彼らは、油断のできない、一筋縄ではいかない人たちの筈なのだ。それなのに……


「良ければ、お先にどうぞ」


 その「一筋縄でいかない人」が、まさかこんな「のんびりとした」性格をしているとは夢にも思わなかったと、リズは軽く肩を透かされた気分を味わって。その「のんびりとした」ダーラの手で手際よく机の上に並べられていくクラッカーとジャムを見ながら、お茶を入れてもらうのを、のんびりと待ち続ける。

 このどちらかというとシンプルなお菓子がまた、油断がならないのよね、これも彼女の武器かしらと、そんな取って付けたようなことを考えながら、すでに何度か振舞われたそのお菓子の味を思い出しては、その素朴なおいしさに想いを馳せていた。


――これから来るであろうお客さまに「似ているところがある」とダーラに思われているなんて、夢にも思わずに。



 こじんまりとした教会の礼拝堂の片隅で。すぐに訪れるであろう客人をもてなすためのお茶と菓子を手際よく並べていくダーラと、準備が整うのを静かに待ち続けるリズ。

 やがて準備が整って。客人が訪れるまでの僅かな待ち時間をゆったり過ごそうと、席について淹れたばかりのお茶に軽く口をつけるダーラ。


「こちらは?」


 そうして、まずは喉を潤したダーラを見ながら。ここ最近、何度も見ることになったジャムの中に、見慣れないジャムが混じっているのを見つけたリズは、ダーラに質問をする。


「ぶどうのジャムね。フィリちゃんのお気に入りだから取っておいたの」

「あら、私もぶどうは好きよ」

「それは申し訳ないことをしたかしら」

「いえ、むしろ助かります。出されたらきっと、たくさん頂いてたと思いますから。……自分が好物だからと言って、訪ねてきた人の好物を取ってしまってはいけませんからね」

「あらあら、それは別の意味で、申し訳ないことをしたかしら」


 そんな他愛もない話をしながら、客人が来るのを待ち続ける二人。その見た目よりも遥かに多くのことを考えている二人は、そんなことをおくびにも出さずに、のんびりとした時間を過ごして……


「ごめんくださ~い」


……やがてその客人が、開け放たれたままとなっていた教会の扉をくぐって話しかけてきたことに気が付いて。二人はその客人を出迎えるために、静かに立ち上がる。



 いつものように、少し久しぶりに教会の扉をくぐって。いつものように、ずらっと並んだの机の一つにお菓子の準備をして待っていてくれたダーラさんに一礼をする。

 そんなダーラさんの隣で、見たことのない女の人がダーラさんと一緒に立ち上がって。私の方を見て一礼するのを見て。――その女の人が、すごく綺麗な人で。


――フィリは挨拶するのも忘れて、リズの方を見たまま、ぽかんとその場で立ち尽くしていた。



 すぐにオルシーにひじでつつかれて。慌てて挨拶をして、おじぎをして。ダーラさんに紹介してもらって。その紹介が終わるのを待っていたかのように、隣のオルシーが、今紹介してもらったばかりのリズさんに話しかける。


「少し珍しい所作ですね。王国風ですか?」

「そうね。どちらかと言うと、王国風と言うよりは『騎士』風かしら?」

「騎士なんて聞くと勇ましそうですね。どちらかと言うとこう、『貴族』風みたいな感じに見えましたが」

「そうね。どちらかというと『お姫さま』のような作法を叩きこまれているわ。……普通に振舞ってるつもりなんだけど、もしかして出てるかしら?」


 オルシーとリズさんが話をしているのを聞きながら、さっきの、教会に入ったばかりのリズさんの、立ち上がってから一礼するまでの動きを思い出す。――静かに、いつの間にか座っていた椅子の隣に立って一礼していたリズさんの所作は、オルシーの言うように今までわたしが見たこともないような動き方で。


――でも、そんな「所作」とかじゃなくて。動きの一つ一つがとてもきれいで。


 そんなふうに今も、リズさんの一つ一つの仕草に見とれそうになりながら、二人の話を聞いていたんだけど。……そうしたら、「普通に振舞っているつもり」なんてリズさんが言い出して。思わず吹き出しそうになるのをこらえる。――そんな普通、見たことない!


「……それで普通なら、本気で『お姫様』として振舞ったらどうなるのか、興味があるわね」

「困ったわね。こう、あまり話しにくいと、色々と困るのよね」

「……それは大丈夫じゃないかしら。むしろ話しやすいと思うわ」


 オルシーも同じようなことを思ったのかな? やんわりとツッコミを入れて。少し困った顔をしたリズさんに、今度はフォローを入れて。うん、わたしもリズさんは話しにくい人じゃないと思う。……話しにくい人かぁ、誰だろう、なんて少し関係ないことを考え始める。


「……さて。思いがけず少し話がはずんでしまったけど。今日はそちらの二人と話をしたくて、少しお邪魔をさせてもらったの。そろそろ、そちらとお話をさせてもらってもいいかしら? ――ずっと前、もう十年以上前に生き別れになった『妹』と、その恩人に」


 ダーラさんや病院の子たちはみんな話しやすいかな、訓練場宿舎の人のなかに少しだけ話しにくい人がいるかな? ジュディックさんやボーウィさんはちょっと話しにくいよねと、そんなことを考えていたところで、リズさんがそんなことを言って。わたしとピーコックの方を向いて。あれ、えっと……


「……生き別れになった、いもうと?」


 そういえば、リズさんって、ピーコックに会うためにわざわざ遠くから訪ねてきてて。って、あれ? ピーコックが命の恩人で、わたしが妹でってことはつまり……

 リズさんの話を聞いて、考えて。そうしてたどりついた当たり前の答えに、自分で驚いて。思わず声を上げそうになる。

 わたしがリズさんの妹ってことは、つまりわたしとリズさんは姉妹ってことで、それはつまり、リズさんはわたしのお姉さんっていうことでって、


――ええぇ~!?



「……なるほどのぉ。つまりヌシは、あの『飛行船』とやらに乗っておって、儂がフィリを連れ去るところを見ておったと」

「そうですね。ですが一つ訂正をさせて頂きたいのですが。私たちは、貴方がフィリを連れ去ったとは思っていません。あの高さから落ちたら、どんな幸運に恵まれたとしても助からなかったのですから。――あの時に見た鳥は、どんな幸運よりも貴重な『奇跡』を私たちに運んできてくれたのだと、私たちはそう思っています」


 あのあと、みんなで席について。ダーラさんにお茶を淹れてもらって。まずはリズさんが、なんでわたしを妹だと思っているのかを話し始める。

 リズさんが言うには、わたしが赤ちゃんだった頃、リズさんたちと一緒に飛行船に乗ってたんだけど。そのときに事故があって、わたしが外に投げ出されちゃって。その投げ出されたわたしがピーコックに助けられたのを、リズさんは飛行機の中から見てたんだって。


「実は、私もあの頃のことはほとんど覚えていないのですが。でも、慌てて乗り移った飛行機の窓から、すごく綺麗な鳥が羽ばたいていたのが見えたのは、はっきりと覚えています。――その鳥は、両足で赤ちゃんを持ちながら、『どうしてこの子を置いていくのか』と、途方にくれるていたように感じました。あの光景は忘れられません」


 リズさんは、自分も小さかったからその時のことはほとんど覚えていないんだけど、ピーコックのことはよく覚えてたんだって。……なんでだろうって一瞬思ったんだけど、オルシーやダーラさんが頷きながら聞いていたから、多分そんなもんなんだろうなと、そう思いながら話を聞き続けて。


「この教会や病院、あとは貴方がたが過ごしていたという軍の宿舎の方でも話を伺って。その結果、貴方があの時に見た鳥で、一緒にいる『少女』が私の妹だと確信するに至りました。私たちは、そんな奇跡を届けてくれた『聖鳥』に、本当に感謝しています。ですが……」

「ですが?」


 ……宿舎の人たちや病院の人たちから話を聞いて、何でわたしがリズさんの妹だって確信したのかもわからなかったけど。リズさんの口調から、その「妹」が生きていたことは嬉しいとはっきりと伝わってきて。


「私たちには色々としがらみがあります。私たちとどう付き合っていくべきか、人間社会になじんでいないフィリさんには、判断するのは難しいかもしれません。

 だからそうですね、一度、他の『家族』にも会って頂きたいとは思いますが。その後は、ゆっくりと、時間をかけて、いろんなことをお話ししたいと思います。――フィリさんがどうしたいのか、自分で判断できるようになるまで、ゆっくりと」


 リズさんの「家」は難しいって。えっと、それって多分、リズさんが「貴族」だからだよね? だから急がなくてもいい、だけどリズさんの「家族」には会ってほしい、そんなことを言われて……


「えっと、つまり、『リズさんやその家族とお話をすればいい』の?」

「そうね。お話をして、フィリさんと仲良くなれればいいなと、そう思っているわ。――もちろん、フィリさんがそれでいいと思えば、だけど」


 わたしの考え方が間違っていないか、リズさんに確認をして。それでいい、わたしと仲良くしたいって返事をもらって。どうしようかなと、周りで一緒に話をきいていたみんなの様子を見て。

 多分みんな、リズさんのことは信用していて。みんな、わたしの返事を待っていて。きっと、うなづいてもことわってもいいのかなと、そんなことを少しだけ考えて。


――わたしがリズさんの妹かどうかわからないけど。でもきっとリズさんはいい人で。なにより、その「妹」が生きていたことが本当にうれしそうだったから……


「じゃあ、えっと、お願いします」

「そうですね。ではまずは、呼び方から変えていきましょうか? ――これからもよろしく、フィリ」


 すこしだけ迷ったあとに決心をして、返事をして。そうしたらリズさんは、口調をかえて、少しだけ普通の話し方で話しかけてきてくれて。――その話し方が嬉しくて。大きな声で返事をする。


「よろしくお願いします、リズさん!」


 自分の方は呼び方を変えずに「リズさん」と呼んだフィリの、それでも嬉しそうな口調に、周りの人たちは少しだけ苦笑をしながら。どこかホッとしたようにクラッカーに手を伸ばしたリズにつられるように、そこにいた全員が緊張を解いて。


――詳しい話をする前にまずは「お茶の時間」よねと、そんな、どこかホッとするような空気が、教会の中を流れていた。

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