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十八話『イカリ×ト×パクリ』

「おいケモミミロリっ娘、お前の仲間はどこだ?」

「答えなければ殺す」


 目を覚ましたケモミミロリっ娘に詰めより、仲間の居場所を聞き出す俺とアルトリア。


「ひぃっ、ななな、なんなのじゃいきなり! あああ主ぃぃ!」


 目が覚めたと思ったらいきなり脅され、タマモは涙目になりながら内山に助けを求める。


「タマモ、聞いてくれ」


 内山はタマモを背中から下ろし、事情を説明する。


「確かに、それは妾達の仕業じゃの……弱いうちに勇者を倒そう、じゃが数は相手が多い故ボコボコにされるかもしれん、じゃからボブの魔法を使って衰弱死させようという作戦じゃ」


「その魔法はどうすれば解ける?」


 アルトリアがそう尋ねる。


「人間ごときが気安く話しかけるでないわ」


 そう吐き捨ててソッポを向くタマモに、額に青筋浮かべて剣を抜こうとするアルトリア。

 落ち着け、頼むから早まるんじゃない。


「タマモ」


「むぅ……魔法をかけた本人を倒すしかないのぉ」


 この子すごい面倒くさいな。


「で、そいつは今どこにいるんだ?」


 俺はタマモにそう尋ねる。


「人間が気安く話しかけるでないわ」

「サンダー……」

「ごめんなさい! 死の森です!」


 少しばかりイラッとしたので、思わず魔法をぶっ放ちそうになると、慌ててそう叫ぶタマモ。

 死の森……なんつーか、小太刀を使いそうな響きだな。


「なに!?」

「死の森じゃと!?」


 それを聞いて、国王とテレロが驚愕の声を上げる。他の面々も皆驚愕の色伺える。


 そんなに驚くような所なのか、つかどこだ?


「なんかテンプレっぽいの来たぜフゥゥゥゥゥゥゥ!」

「死の森とかワクワクするなイェェェェェイ!」


 今まで黙りだった小林と大林が、ここに来て騒ぎ始める。異世界によくありそうな名前の森にテンションが上がったのだろう。


「皆の反応を見る限り、かなり危険な場所みたいだ……ただ、こういうのは名前だけのパターンが多いけど」


 顎に手を添えてそう呟く司。


「アル、死の森ってなんだ?」


 こういうのは、手っ取り早くアルさんにお聞きした方が早い。


「いや、なんであんたが知らないんですか!? 死の森といえば、踏み入れたら生きては帰れないと言われてる場所ですよ、霧で視界も悪い上に、やたらと強いモンスターが出てくるって所ですよ」


 丁寧な説明ありがとうアル君。


「死の森、踏み入れたら確実に帰ってこれなくなる……ここで勇者全員を失うわけには……」


 苦渋の表情でどうすればいいか頭を悩ませる国王。だが、行かせるにしろ行かせないにしろ、結果は変わらないだろう。

 なぜなら……。


「よし早速行こうぜイェェェェェイ!」

「フゥゥゥゥゥゥゥ!」


 大小林コンビが行く気満々でうるせえからだ。いや、この二人だけではない、他の皆もそうだ。


「森ならエルフが居るな……よし行こう」


 内山、お前……ケモミミ娘だけじゃなくエルフまで守備範囲内かよ。


「妾はもう魔王軍を裏切り主に全てを捧げた身、主が行くなら妾も行くぞ」


 すっかり内山の腰巾着だな。


「死の森、一度は訪れて見たかった所だね、ちょうどいい機会だよ。私の防御……いや、苦しんでる人は放っておけないからね!」


 どんな状況でも安心安定のへルクスだ。

 わざわざ取り繕わなくても本音はわかってるから必要ないからね!


「ま、クラスメートをみすみす見殺しにはできないな、小林と大林以外」


 そう言い、剣の柄を強く握りしめる司。小林と大林は見捨てれるんだな。


「よし、俺らも行くぜアル」

「え、マジで言ってますか? 僕も行くんですか?」


 本当に嫌そうな表情でそう言うアル。


「面白れぇじゃねーか、アタシと騎士団の無事な連中も行く。足もこっち用意してやる、すぐにでも出発できるぜ! アタシの身内に手え出したこと、地獄で後悔させてやる! なあ、お前もそう思うだろ!」


 不敵な笑みを浮かべて物騒なことを口走った後、アルの肩を組んで同意を求めるアルトリア。 


「え? ちょっ、僕は行くなんて一言も言ってませんけど!?」

「足の用意が出来たら呼ぶから、ちょっと待ってな」


 アルの言葉を聞かず、アルトリアは死の森までの足を用意するためどこかへ去っていく。


「アル、諦め「うるさいですよ」」


 嫌われちゃった。




「姫姐さん! 人数分しっかり用意しておきやした!」

「ハンドル、マフラー、どれもしっかり磨き上げております!」


 足の用意が出来たと言われ来てみれば、人数分の馬が用意されていた。なぜかハンドルとマフラーがそなえ付けれている。


「なんで馬にマフラーとハンドル付けたんだ?」


「ああ? テメエらぶっ殺すぞ! これはただの馬じゃねぇ馬威躯バイクだ! 次馬つったらぶっ飛ばすぞ!」 


「レッツパーリーしようってか? フゥゥゥゥゥゥゥ!」

「レッツパーリーイェェェェェイ!」


 とりあえず、刀六本用意しないとな。


「行くぜ!」


「はい!」

「どこまでもお供します!」


 馬威躯にまたがりそう叫ぶアルトリアと騎士団の面々総勢十二名。


「いくぜ! パーリーの始まりだ!」

 

 いつの間にか眼帯を着けてそう叫ぶアルトリア。そろそろヤメロ、それ以上行っちゃいけない。


「レッツパーリーイェェェェェイ!」

「レッツパーリーフゥゥゥゥゥゥ!」



 ヤメロつってんだろうが!


◇◆◇◆


「本当に二日で付いたな」

「体感的にはなんか一瞬でしたけど」


 馬威躯を走らせ二日、目的地である死の森にたどり着いた。森には濃い霧がかかっており、数メートル先すらも見通すのが困難なほどだ。


「本当に霧が濃いな」


「全員で行動しても、この人数では邪魔になりそうだな、三手に分かれよう」


 司がそう提案し、全員が頷く。

 アルトリアの騎士団が七人と五人に別れ五人の方に小林と大林を押し付け……もとい組み込み、残った六人でチームを組む。


「何かあったら、とにかく音が派手な魔法を上空に放ってくれ」



「「「小太刀二刀流、回転刀舞六連!」」」


 森に足を踏み入れてしばらく歩くと、霧を払うように何者かが襲い掛かってくる。


「くっ」

「どんな攻撃も防ぐバリア!」

「主危ないのじゃ」

「お前の方が危ないわっ」


 三人はそれぞれ反応した。

 司は素早く剣を抜いて攻撃を受け止め、俺はバリアで防ぎ、内山は自分を庇おうとしたタマモを抱えて避ける。


 そんな事よりも、すげえ何処かで聞いたことのあるような台詞が聞こえてきたんだけど……気のせいじゃないよな?


「「「ホモれもん、勝利の余韻も、まだ早い」」」


 霧の中から姿を表す、三人の小太刀使い。四乃森……ん?


「なんか、小太刀じゃなくてトンファー持ってるぞ」

「頬に十字傷あるの主人公じゃなかった?」

「オールバックは新鮮組の人だぞ」


「あ、いい忘れてましたけど、死の森は踏み入れた者の思考を読み取ってモンスターを作り出します」


「「「ああー、なるほどー」」」


 アルの補足説明を聞き、納得の声を上げる俺たち三人。

 つまり、あの四乃森はアレか、死の森って似たような言葉から連想した結果生まれてきた訳か。そしてなんか微妙に違うのは、俺らの記憶が曖昧だったからか。


「つまりは俺らのせいで出てきたってことだ、そんじゃあ俺らで片付けないとな……俺はあの十字傷の赤毛が一番近いと思うからあれをやる」


 ビシッと抜刀斉風の四乃森を指差す内山。お前、本当にるろ剣ちゃんと読んだのか?


「トンファーだった気がするんだよな」


 そう呟きながら剣を構える司。


 いや、四乃森ってオールバックだったよな?


「じゃあ、あれは俺がやる」


 三人がそれぞれ獲物に狙いを定め、勝負を仕掛ける。


「小太刀二刀流……」


 それに反応して俺を迎え打とうと木立を構える四乃森。


「スーパーウルトラギャラクシーキャノン!」


 俺は奴が攻撃してくる前に魔法を放つ。

 周囲の霧を払い、天高く伸びる光線。それに飲まれてオールバックの四乃森は跡形もなく消滅した。

 思ったほど強くはないんだな。漫画を読んだときはもっと強い印象だったけど。


「なんとか勝てたか、やっぱ漫画のキャラはつえーなー」


 ほかの二人の方を見ると、二人とも案外あっさりと倒している。


 脳内のイメージが直接具現化されるなら、強さもそれぞれの印象によって大分変わってくるんだろうか。うろ覚えのキャラクターだったから、強さまでリアルに具現化されなかったんだろう。

 もし、これが何か他の漫画のチートキャラとかならこうは行かなかっただろう。


「ああ、ゴ〇さんとかじゃなくてよか……」


 そこまで言いかけ、しまったというような顔つきになる司。


「おい、想像しちまったじゃねぇかよ、どうすんだよ」


 やべえ、俺も想像しちまった。ここはイメージがそのまま具現化する森だつまりは……。


「「「こっちだ」」」


 文字通り天を貫く長い髪。太くたくましい手足に、今にもはち切れそうな子供服。まぎれもない、ゴ〇さんである。


「なっ、これはスゴイ! 一人だけでも膝をつきそうになるほどの絶対的強者のオーラをまとっているが、それが三人もいるなんて! これはもう、私の防御力を試さずにいられるだろうか!? いやいられない!」


「おい待て落ち着けヘルクス! いくらお前でも本当に死んじまうって! 頭なくなって胸に大穴が開いちまうって!」

「そうですよヘルクスさん、あれは本当にヤバそうです! 逃げた方がいいですって!」


 今にも突っ込んでいきそうなヘルクスを二人がかりで取り押さえる。だが、それでも止まらず無謀にも突っ込んでいこうとするヘルクス。


「……こ、こうなったら先手必勝でいくしかねぇ! うおおおおおお!」


 どうにかしてヘルクスを止めようとしている俺たちの脇をすり抜けて、やけになった内山が拳を振りかざしてゴンさんに飛び掛かる。


「バカやめろ!」


 司が止めようと手を伸ばすが、あと少しの所で届かず、そのままゴ〇さんを殴る内山。しかし、攻撃はあっさりと避けられ、カウンターの蹴りがボという効果音と共に内山の腹にめり込み、はるか上空に蹴り飛ばされる。


「最初は……ROCK」


 足を広げて腰をおとし、そう呟く三人のゴ〇さん。彼らの右腕に強大な力が込めれれているのがはっきりとわかる。

 やべえ、このままじゃ内山が死ぬ。 


「ま、待ってくれ、俺たちは何も君たちと戦いに来たわけじゃない、この森に隠れている魔王軍幹部と戦いに来たんだ」


 司が慌ててそう説明すると、意外にもピタリと攻撃するのをやめる三人。流石に著作権的に危ないからだろうか。

 いや、あんたら出てきた時点でアウトだけどね?

 

「魔王軍幹部? こっちだ、ついてこい」 


 そして、意外にも幹部のところまで案内してくれると言う。



これで終わって(強制非公開)もいい。だから、ありったけ(の自由)をくれ。


もう真面目に書くのは無理だ! 自由に書くことにする。

まあ10過ぎた辺りから真面目に書いてないけど。

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