表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あめのちはれ。  作者: 小鹿野 三子
眼鏡と金髪?
11/23

親兄弟の話


ーーーーーーーーーーーーーー


 伊邪那(いざな)()伊邪那(いざな)()は最初の夫婦である。愛し合い、沢山の国や神を産んでいった。

ある時、火の神ヒノカグツチを産んだ時、彼の火によってイザナミは大火傷を負って亡くなってしまう。

悲しみに明け暮れた夫イザナギはヒノカグツチを斬り殺した後、イザナミのいる黄泉(よみ)の国へ向かった。


黄泉の国=死者の国。


そして黄泉の国のイザナミに、

「まだ私たちは国を作りきれてないから、もとの世界に帰ろう」

と言ったが、残念なことにイザナミはすでに黄泉の国の食べ物を食べてしまっていたのでこの国を出られないと言う。

「いちおう黄泉の国の神ヨモツカミに相談しに行ってみますから少し待っててください。その間は決して私の姿をみないでくださいね」とイザナミはイザナギに言いつけた。


しかし、イザナギは待ちきれず、イザナミのもとへ行って彼女の姿を見てしまった。そこにいたイザナミの姿のおぞましい事。肌はただれきって腐り、うじ虫が大量にわいて悪しき神がまとわりついていた。

イザナミは「よくも私に恥をかかせましたね」といって、怒り狂い逃げ出すイザナギを追い回した。

黄泉平坂(よもつひらさか)にさしかかったところで、イザナギはイザナミとの間に巨大な岩を落として道を塞いだ。

するとイザナミは「こうなったら貴方の国の人々を毎日千人ずつ殺す事に致しますわ」といい、イザナギは「ではわたしは、毎日千五百人ずつ人々に子を生ませることにしよう」と返した。

こうして二人は永遠の決別を果たした…。



ーーーーーーーーーーーーー



 愛する人を生き返らせようとするなんて神さまも人間くさい所があるのね、としみじみ思ったが、そういえばこの夫婦もこの世界に降臨しているかもしれないというではないか。

 天照は彼らを捜して、あわよくば全員を集めてパーティー的な事をしようとしている。つまり2人はこの世界で、高確率で再会するはめになる筈だ。

 よく考えてみて、それは大丈夫なのだろうか。イザナミの姿はどうなっているのだろう? 集まった途端、ギクシャクというか大変恐ろしい事になるのではないだろうか……?


「……いいや。私は関係ない、そうだ私は関係ない」


 考えた所で結局はどうにもならないので照子は想像するのを止め、物語の続きをメモし始めた。



ーーーーーーーーーーーーーー



 黄泉から帰ってきたイザナギは、黄泉の国の空気は穢れとし、川で(みそぎ)をした。

まず左目を洗うと、そこから(あま)(てらす)大御神(おおみかみ)が生まれた。

次に右目。そこからは月読命(つくよみのみこと)が。

そして鼻を洗ったら須佐之男(すさのおの)(みこと)が生まれた。

その三柱を三貴子(さんきし)と呼ぶ。



ーーーーーーーーーーーーーー



「なにそれすごい!」


 と感嘆し、うっかり叫んでしまい慌てて口を押さえた。かなり響いたが、幸いにも周りには少ししか客が居なく、大学生くらいの男性に微笑まれた/(苦笑いされた?)だけだったので「すみませーん…あはは」で済み、酷い羞恥プレイは免れた。


「なに騒いでるの?」


 本棚の陰からひょこっと顔を出して囁いた天照に照子は「天照大御神って凄いんだなぁって思って。それだけ」と返した。そんな叫ばれる程だったかなぁー? と首を傾げる本人。


 そして照子は時計を見て、そろそろ帰ろうか、と付け足す。夕方の時間も延びたが、腹が減っては戦も古事記の勉強も出来ない。

 この分かり易い本は借りていくことになった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ