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路地裏の路地裏の中


私は困っていた

困っていた

今金を拾ったが

その場所が実に困った者なのだ

通称「あの世 通り」

そこは、いつも死体や薬が転がっていると有名で

いつ死んでもおかしくないと言われている

なぜ、私がこんなところにいるかと言えば

それはまさしく、あいつらのせいである

ここ、D343通り

通称が「あのよ通り」だが

ここに奴は、私の通帳を、隠したと言った

正直耳を疑った

これは、わなか

もし罠なら

行くのは中止しようか

しかし

そんなことができるわけもなかった

警察も言わず

友達もいない

親も家族

誰もいない

あるとすれば

今にもつぶれそうなアパートと

そこに詰まった

酒の空き瓶くらいだ

私は止めよう

そんなことを

その一本違う筋で思ったとき

何かにけつまずいた

私は何だろうと

下を見ると

そこには、茶色い皮のボストンバックのような物があって

わたしは、それを開けた

そして後悔したのだ

そこには、紙が入っていた

それもただのかみではない

札束というよりか

札が、一杯一杯に、その中に積められていた

百枚でも、ほんの数ミリも満たないと言うのに

そこには、福引きのクジのように

詰め込まれている

(どうするよ、ジョージ)

心の中でもう一人の私が言った

(持って帰れよ、そうすれば、もっと良いところにすめる、それに新しい商売だって始められるさ)

しかし、いくらもう一人が言っても

所詮それは妄想だ

私はその手提げ部分を

つかむことができない

そう、あいつの言葉は妄想なんだ

高いビルに上ると

落ちたらどうなるとか

そんなことを考えるのと同じ

もしやっちまったら

二度と上には戻ってこれない

いつも後悔にさいなまれるんだ

(おいおい、それじゃあ、俺が悪いみたいじゃねええか・・まっいいか

しかしだよ、このままでお前はなにになれる

どうせなににもなれないまま

自殺のような、死を選ぶくらいなら

それくらいの重みをせよって楽しいと思っているような生活に踏み出せよチキン)

「分かってるよ」

そんなことが、思わず口から出たときがついたときだった

「誰か居るのか」

誰かが言った

薄暗い路地の向こうで

何者かが

居た

僕はとっさにその鞄を持つと

かけだした

「おっおい」

後ろでそんな声とともに

誰かが走ってくる音がする

しかしすぐに

何かが壊れるようなおとがして

それが転んだのに気がついたが

そのときには僕は

人通りの多い

表通りにいた

もうここからはおさらばだ

そう思って

僕は、この町の中心部にあり

まるで蜘蛛の巣のように

張り巡らされている

駅に向かうのである


消えない汚れと金魚鉢


それで、今日という日を呪っているのかい

誰かが言った

それがドラマの声だときがついたとき

思わず笑みがあふれてきた

それは次第に声を発しだし

ボロボロと涙のような物を流しながら

思わず路地裏にしゃがみ込んでしまった

全く・・・全くだよ

私はまだ見ぬ、声の役者にそう路地裏から呟いた

全くなんて日なんだ

僕はそう言った

今朝から調子が良いと思っていたんだ

いつもは失敗する

スリが

今日はなぜか

立て続けに成功した

これならいけると

ふと、近道をしようと

あの世通りを、通ったのが運の尽きだ

あそこにすべて持って行かれた

もしくは

元々そう言う運命だったのか

僕はそこで、ある老人に出会った

いや、出会いなんて物じゃない

見た

通行人の一人

もしくは

無視すべき命と言うべきか

しかし

何の気まぐれか

その日僕は調子づいていた

そのまま奴に向かってしまった

それがうんの尽きだ

「まっまてーーぇ」

後ろでも悶え苦しむ男がそんなことを言っているが

僕は気にもとめることなく

老人をかっさらうように

担ぐと

そのままアジトに戻った

アジトと言っても

そこは、下水道に通る

温水管のちかくであり

冬はそこに寝床を移すが

暑い自分は

水道管の方へと移動をする

僕は今の住居である

温水管のちかくに移動した

「じいさん大丈夫か」

わずかにだが、心臓の音はしている

僕はそれを確かめると

ゆっくりと寝ている場所に下ろした

「あううあああ」

うわごとのように何か言っているが

言葉に最初からなっていないのか

聞き取れない

「何だじいさん」

「あああ・・あれはだめなんだ」

「駄目・・・何のことだ

「あああうああうああ」

いくらか聞いたが

また寝ぼけたような

うなされるような言葉になって

結局聞き取ることができなくなってしまう

僕はここにいてもいいが

時間がそろそろお昼だと思い

外に出ることにした

外にでると

仲間たちが皆集まっている

そこで食料を出して

分け与える

誰かが金を出せないとき

違う誰からその分を与えられるようになっている

その根底にあるのは

信用

もしその信用をきずつけるようなものがいれば

それはただではすまないだろう

すなわち

誰かがくれるからと

わざとさぼったり

金をためるために

出さなかったりする奴は

これに該当する

ここはそう言うルールだが

殆どは、奪ったものは好きに使う

ここが例外だと言っても良い

僕は今日持ってきた、金を出すと

「おおすげーな、スケット」と

リーダーのゴールドが、頭をグシャグシャとなでる

「ううう・・ちょ・・と」

「何々、もっとあるだと」

「いやそのなでるの」

「まあ良い、今日はなぜか普段とってこれない

スケットが持ってきたが

他は皆からっきし

それどころか

黒猫がポリに逮捕された」

「マジか」

黒猫とは

ここら辺でも名の通った

スリである

「ああ、でも妙なのは、奴はおとなしく捕まったと聞いている」

「・・・へぇえ」

ちなみに、いつもナイフを持ち歩き

ある時

捕まりそうになって

警官の腕に切りつけたという

伝説もあり

あまり奴に近づこうとするものはいない

「・・なんで、切りつけなかったんだろ」

「さあ名・・あいつも少しはおとなしくなったって事だろう」

そう言って、僕を何かの動物だと思っているのか

またあたまをもみくしゃにするゴールド

本名 グリーン ドットだそうだが

皆この金髪近眼のこいつを

ゴールドと呼ぶ

ちなみに、それは外見ではなく

そのスリの腕が

ゴールドな事からであるが

「・・・っで・・・お前が連れてきたのは何者だ」

「知って、たんだ」

「当たり前だ、この城に、はいるものは、ネズミ一匹知らなければいけない」

ここの自慢は、この下水道に、ネズミも、ゴキブリさえ居ないことである

週に一度、あぶり出しをやっているのが

効いているのかも知れない

「それで誰なんだ」

「いや・・その・・あの」

「はっきり言え」

ゴールドが真顔で凄む

ここの者は、だいたいが、15才以下だ

しかし

ゴールドは

22であるが

未だにこの城の中を拠点に

スリをしている

本来なら

ゴールドの腕なら

それだけで暮らしていける

それどころか

普通に仕事もできる年だ

しかし

それでもなぜか

ゴールドはここにいた

「おい、チケット」

怒るときいう名前が飛び出した

これはまずい

「ああ、あのよ通りなのんだけど」

「今なんて言った」

「あのよ」

「そこだ、どうしてここでそんな名前がでる」

「・・いや・・近道をしようと」

「お前・・・あそこに行ったのか」

「うん」

「・・・・そうか・・・ならそのことは、お前の自己責任だ」

「え・・でも」

「ルールだ、ここを脅かす場合

それはルール違反だ」

「でも・・殺されかけてたんだ」

「あそこでは、生きている方がおかしい

そして

生きている奴も

すぐに普通になる」

そう言ったゴールドの目は

酷く細く

光っていた

それはいつものまん丸で

透き通っている

あの目からは

想像がつかない

それほどの違いだった

「ああ、分かったよ」

僕はそう言って、アジトにはいる

「・・・じいさん」

僕はそれを横に揺らした

「・・・・あ・・ここは」

ようやく目を覚ました老人に

僕は

「悪いんだけど、出てってくれないか」

と、言うしかない

「ああ、坊やが助けてくれたのか・・礼を言う・・しかし・・助けてもらって何だが、鞄を見なかったか」

「鞄」

僕はどうにかして老人をここから出さなければと考えていたが

老人の言葉を反復するように言ってから

知らないと返した

「・・・・・坊主、あれを取り返してくれ、あれは命なんだ」

「命」

「ああ、命だ」

かくして、僕の無謀ともとれる午後が始まったのであった


デスコードを教えて


「それじゃあ、運だと」

先ほどから彼を言い合っているが

ちっととして、埒があかない

時間はお昼をわずかに過ぎた午後である

私は

そんな中、不毛ともいえる

駆け引きをしていた

「・・・・そう言われてもな、これは運だし」

「なに言ってるんですか

どこの世界に、名前だけある

超弩級スペクタクル級の技を、毎日、かならず、

決まってやる、ヒーローショーみたいに出すディーラーが居るんですか

もう認めたらどうなんですか」

幸いなのかどうなのか

そこまで大きな声を抑えているのでだしていないのと

このテーブルが少しおくばって居るため

周りに、人は少ない

「・・・・それで、飲み物でも頼みますか、客さん」

男が言う

「そう言えば、ネームプレート持ってないですね」

私は男に言った

あえて注文を無視してだ

「ああ、実は、落としてしまいましてね、今代わりのものを、お願いしているところです・・いやー細かいところに目がいきますね」

「・・・・・それで」

私が、あの仕掛けが、技なのか

トリックなのか

そうきこうとしたとき

「ダルさん、少し良いですか」

不意に誰かがしゃべった

振り向くと

身なりの良い

はくはつの老人が

こちらを見て言う

しかし

ダルと言うことから

このテーブルマスター

つまりは

あの男だろう

「ああ、オーナーですか」

私はその瞬間

耳を失った・・いや、疑った

なぜに、こんなところにオーナーなんかが

少なくとも、私が前に仕入れていた情報とは、違う

ここのオーナーは滅多に人目に出ないことで有名らしい

それが客の居るときに

「・・席を、外しましょうか」

私は言った

「ああ、すいません、そこまで手間はとらせません」

「そうですか・・・・でも、お邪魔じゃ」

「・・・では、」

オーナー「デガラシ・パュッフェル」は、そう言うと

ボーイを呼んで

好きなものを頼んでくださいと言った

私は軽く例をして

その場を離れたのである


「オーナー何でしょう」

「金が盗まれた」

「・・マジですか」

「ああ、そこで何だが、お前捜してくれるか」

「いや、私に言われても」

「・・・・あんたなら、ここら辺は詳しい・・だろ」

「・・・まあ、探せと言われれば、オーナーの頼みですし

探しますが・・・しかし」

「頼んだよ」

それっきり声は聞こえない

私は、トイレから出ると

またさっきの席に戻った

「盗聴は、上手くいきました」

男が言った

私の背中を

つめたいものがかすめる

「・・・なんの・・」

私の目の前の男が

ダイスではないものを握っていた

それはがむじょうの白いもので

男の手の中でこねられる度に

黒いものが、浮き出ている

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

私はそれを見ている

「・・・あれは運ですよね」

不意に、男が言った

「・・ええ」

私は顔をひきつらせながら言った

それが奴とあのカジノではなした最後の言葉に思う


御影石に投身自殺新聞記事より


「それでそれはどんな鞄なんだ」

おじいさんに、僕は今そのなくしたという、鞄の特徴を聞いていた

「・・・それでどこら辺にいるか、大体分かるのか」

「さあ、ただ、あの金だ、もしかすると、どこかへ高飛びするつもりかも知れん」

「・・金なのか」

「ああ、娘の手術代だ」

「・・・・・・・・それじゃあとりあえず、駅の方でも探してみるか」

もし言っていることがただしいのであれば

できるだけ急いだ方が良さそうだ

高飛びなんてされたら

それこそ探しようがない

大体

駅自体、そこはもう人でごった返している

果たしていたところで、見つけられるだろうか

僕は忙しく

走り出すと、

「まっ、待てくれ」

老人が後ろから、息を切らせながら

付いてくるのが聞こえる

「・・・・・急がねえと、いよいよ金がなくなるぞ」

「ああ・・わっわかっている」

「そうかい」

徐々にだが、老人のペースが上がっている

普段走り慣れていないのだろう

後で、体力の崩壊が見える

「・・・・・急げよじいさん」

僕は駅に着いてからの行動を

考えながら

駅へと、その足を進める


ルッセンベルクとサッセンベルクは何処ですか


それで、今日は何でそんなに機嫌がいいんだいJ

私はテレビから目線をそらし

トレーを持ってきた

ジャポンに聞いた

もちろんJは、ジャポンのJだ

「ははは・・そう見えるかい」

「・・・逆か」

「ああ・・・まあ、しばらくこれないだろうね」

「そうか・・・珍しい」

この男は、毎週欠かさず

同じ日にやってきていた

それも、二十年ほど

「・・・・じゃあ、失礼するよ」

「ああ・・っと、ちょっと待て」

私はそのとき、カウンターにたまたまおいてあった、二、三年前の

割引チケットを奴に投げた

「こんどきたら、それを出せ、割り引きしてやる、全額」

「ああ・・ははは・・ありがとうよ」

男はそう言うと

力なく笑って

外に出ていた

今までぐうたらした

クーラーの利いた店内だったが

男が居なくなると

徐々にわびしいものへと感じ始めた

外には陽気な、ビーチ

その横にはずらりとヤシが生え

オープンカーが

サーフィンを乗せて走り

犬を連れて走る中年の

おっさん

どこかで聞こえる

野球のアナウンス

全く持って

シビアになる雰囲気など皆目けんとうもない

しかし

やはり物事というものは

決まりから外れると

なにかしらの感情の変化が

あるのかも知れない

私はそんなことを思いながら奴の出ていった

ドアを見たのである


類人猿に、よろしく


私は今、路地裏から抜けて、一人明るい世界を走っていた

そのまま遠くへいこう

そう決心したのは

それからすぐである

「えーーいらっしゃい、開店オープンです」

僕がそれを見ると

それは新しく出来たパチンコらしく

なにやら忙しく制服を着た店員が、動き回っている

「えーーいらっっしゃい、本日より、開店でございまーす」

私はそれを聞いたとき

脳内で

少しくらいなら

そんな声がした

いやダメだろう

私はそう必死に思う

しかし

私の足は

賑やかな五月蠅い店内へと

吸い込まれるように向かっていた

中では、もう五割ほど席が埋まっており

僕はポケットに

手を突っ込むと

そこから小銭を数枚取り出すと

両替機に突っ込んだ

・・・・・

じゃらじゃらと音がして

数個の玉が出る

(少ないかな)

そこで鞄を開けようとしたとき

ふとしせんを感じ

店を見渡すと

がたいの良い

とても堅気には見えない種類の人間が

こちらを見ていた

まさか・・この鞄のことがばれたんじゃ

しかし

どうやらそれは当たっていなかったようで

僕の横に立っていた

男に声をかけたようだった

僕はと言うと

その数個の玉を

ここぞという台で使うも

すぐになくなり

僕は誰からも見えないように

鞄に手を突っ込み

一枚札を取り出すと

そのまま両替機に向かう

なにをやっているのだ

じゃらじゃらと音を聞きながらそう思った

このとき、人生最大級の当たりが来るのを

私はまだ知らない


鯖缶と猫缶


私は店を張っていた

この店のものが使う裏口の前に

「Mr.デイル」の店がある

この店は、仕事帰りに

使用する定員が、多いらしく

裏方の人間が、グループで座っているのを良く目にする

私はそこで、カフェラテ・キャラメルソースを、頼むと

あの扉がよく見える

窓側に座った

そんなとき

「おねえちゃん・・・一人」

そんな声がして振り返ると

柄の悪いチンピラ風の男が居た

その向こうには

席に座っているが

同類と思わしきものが

こちらを見て冷やかしたような眼差しを向ける

「暇ならこれからお茶しない」

「いえ結構です」

「なによ連れないな」

「待ち合わせがあるので」

「あっ・・デート」

「・・・・そう見えます」

思わず凄んでしまった

最近疲れがたまっているのだろうか

「・・・お姉さん、良くここら辺で見るけど・・もしかしてあれか」

チンピラは、まだ私と絡みたいようだ

・・しかし、あれとは何だろうもしかして

私の正体がばれているのか

よくよく見ると

まだ二十歳前だろう

その少年

何か知っていそうでもない

「ストーカーだ」

しかし

その口から出た言葉は

大いに、斜め上を突き抜けると

そのまま急降下して

また私の心臓を突き刺す

「・・・何でそう思うわけ」

「だって、いつも同じ奴を見ているだろ」

「あんたも私のストーカーってわけ」

「何で分かったの」

「マジ」

「・・・っえ」

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