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少女の憂鬱
しばらくぶりです。
黒竜と出会って一週間経った。
しかし、まだあの興奮を忘れたことはない。
「母さん! 本当なんだってば!
本当に見たんだよ!ドラゴン!こーんなに大きくてすごかったんだから!」
ルシュカはドラゴンがとても巨大なことを、体全体で表現している。
しかし、誰もルシュカのことを信じようとは思わなかった。
いや、信じることができなかったのだ。
ドラゴンに似ている火蜥蜴や飛龍などは日常に溶け込んでおり、ヒトとして生活しているが、ドラゴンは希少であり、どのような特徴か、それとも本当にいるのかわからない。
そのため皆ルシュカは夢を見ていた、または変異種がいたと思っているのだ。
「はいはい、 わかったから早く手伝っておくれよ。きっとお前が見たのは、飛龍だよ。あぁー、忙しい。この頃お客が増えたかぁ?昼前にかなりなくなるんだよ」
ルシュカの母は小麦粉を捏ね、パン生地を作っている。サンドイッチが人気のようだ。
「むう…ほんとだもん」
あの日見たのは本当だったと、今でも信じてる。
しかたなく、母の手伝いを始めたルシュカであった。




