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22th アイスクリーム

作者: 遍駆羽御

アイスクリーム


詩:遍駆羽御


自由を手に入れた民は自分の自由が他者と違うって喧嘩して

自由が手に入らない民は粗悪な自由でも良いから武力でぶんどる


汚いゴミの山で少女はそう遠くない場所にあるビルを見つめる

その瞳には憧れだけがあった

「ねぇ……あっちにはあいちゅくりーむってありゅ」


そして――――


血に染まる呪われた大地 誰だって望まない一ページ

核により溶けていく人の影 たった二十四時間という時間に人は狂う

飛び交う破滅の矢 夜を稲妻が走り 大いなる雲が死を包み込む


僕らは拳を持っていた だけど 掌も持っている

怒りに任せて殴るは停止 握手して和解は発展

天秤に測るまでもないだろうと神の視点は愚鈍な人間を見下した


「ああ、作るんじゃあ、なかった」


自由を手に入れた民は自分の自由が他者と違うって喧嘩して

自由が手に入らない民は粗悪な自由でも良いから武力でぶんどる


灰色の大地を歩く少女はかつて見たアイスクリームの看板を

その瞳で嬉しそうに眺めた

「うわぁ……あいちゅくりーむぅ。食べたいなぁ」


少女は知らない かつての文明は滅び アイスクリームも滅んだ

少女は知らない 自由の最下層にあったからこそ 新しい自由に居る

少女は知らない 自分が劣悪な環境にいたことを……


だって――――


「これがわたっちのふつうだもの」

神の使いの天使様に少女はそう応え 箱船を与えられる


血に染まる呪われた大地 誰だって望まない一ページ

核により溶けていく人の影 たった二十四時間という時間に人は狂う

飛び交う破滅の矢 夜を稲妻が走り 大いなる雲が死を包み込む


僕らは拳を持っていた だけど 掌も持っている

怒りに任せて殴るは停止 握手して和解は発展

天秤に測るまでもないだろうと神の視点は愚鈍な人間を見下した


「ああ、作るんじゃあ、なかった」

「え? これ、見たことある……私のいた世界に似ている」

アイスクリームを舐めてる少女

雲のふかふかソファに座って呟いた



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