変なおっさん。
「暗っ! 」
「まぁな。俺は人と会うのが苦手なんだ」
「…怪しいなぁ」
「まぁ、気にすんな」
「…そ」
私がなぜ、こんな薄暗い廃墟に一人で行き、この変なおっさんと話しているのか。
それは、昨日みんなにまぁ、いつでも行けるようにしといて、と言ったすぐ後のことだ。
「ミンさん。あの、返事来ました」
「あ、ほんと?なんて言ってた? 」
「それが…」
私がカミキ君から聞いた話はこうだ。
そのランカーはまぁ、重度の廃人で、引きこもり。
更には対人恐怖症だそうだ。
…のわりに、ゲーム内では意外とコミュ力があるらしいが。
「…意味わかんねー」
「…そうですね。まぁ、そんなこんなで、来るのは最大で一人までにしてくれ。だそうです」
「あれ?コミュ力はあるんじゃなかったの? 」
「えぇ、まぁ1対1なら、なんとかなる。そうですけど」
「ふーん」
「ま、そんなことらしいんで」
「えぇ、そうですか」
「うん。そうか」
「あぁ、そう」
「…こう、もっと反応は? 」
「「「別に」」」
「………えーと私が言いたいのは、アレだよ。アレ」
「何さ」
「…ボケたか? 」
「認知症には気をつけてくださいね。好き嫌いせず、きちんと魚を食べましょうね」
「人をボケ老人扱いしないで!…あと紅蓮はあとでちょっと裏来い」
「え、ちょ、待t「あぁ、アレだよ。誰が行くかってことね」
「あぁ、それなら」
とガイアさんが紙を取り出す。
「アミダくじかじゃんけんか。どっちがいいですか? 」
「…うーん。じゃんけんで決めるかどうかをアミダで決めません? 」
「なら、そのアミダで決めるかどうかをじゃんけんで…」
「終わりませんね」
「そうですね」
「じゃ、多数決で」
「右手がアミダ。左手がじゃんけん。一斉に手挙げてね」
いっせーのーせっ!
紅蓮ノ
美月乀
ガイア乀
風子乀
「…じゃあ、じゃんけんね」
「うん」
「ですね」
「……うん」
最初はぐー!
じゃんけんほい!
美月 チョキ
紅蓮 グー
ガイア グー
風子 グー
「…」
あれか、試合に勝って勝負に負ける。的な。
「じゃ、ミンね」
「お願いしますね」
「ふっはははは! 」
「紅蓮あとで裏な」
「えぇ!? 」
まぁ、こんなことがあったのである。
「で、オレになんか用か? 」
「あぁ、そうそう。実はね…」
魔王についてのことを話す。
「…そうか。またあんなクエストか」
「また…ねぇ。どんなに最初期から居るのさ…」
「まぁ、アレだな。β版からだ」
「…そう」
「あぁ、それで私が言いたいのはあんた…あぁ、ラr「まぁ待て」
「え? 」
急に話を遮られたので少し面食らう。
「すまん。俺のことをキャラネームで呼ぶのはやめてもらえるか? 」
「え、なんで? 」
「まぁ、色々あってな。…呼び方は謎のおっさん。でいいぞ」
「じゃあ、なっさんね」
「略すんだ…」
「まぁ、続けるよ? 」
「んむ」
「なっさんにね、魔王を倒してもらいたいんだ」
「ほう」
一瞬なっさんが考えるような顔つきになる。
まぁ、そりゃね。
「…俺がお前くらいの歳の時は、自分が英雄になるのを夢見てた」
「………」
「お前は、それでいいのか? 」
「魔王を倒すか。ってこと? 」
「あぁ」
「…興味がないわけじゃない。でも」
「でも、もし負けたら嫌じゃん」
私、負けるのは嫌いなんだよねーと軽く笑いながら言う。
「…そうか。まぁ、俺でいいなら、やるよ」
「ん、ありがとう。私達は湧く周りの雑魚退治でもするよ」
「わかった」
「じゃ、今日はありがとー」
「おぉ、じゃあまた今度な」
私が廃ビルから出るとき、なっさんはどこか寂しそうな顔をしていた。
ども。
作者のLIZAです。
今思ったんですけど、作者ってアレじゃないですか?
どっちかってっと、著者。な方ですよね、小説ですし。
そして、今は職業:狩人になってます。どうしましょう。
そのおかげで実は今回もちょこっと投稿が遅くなってたり。
ちなみに、ギギネブラは天敵でクルペッコはライバルです。どうも。
…とりあえず、ここから美月達が帰るまではメインストーリー(?)を書いていきたいと思います。
ストーリー終わったら、すこし、ネタ的なものでも書こうかと。
…それではここらへんで。
みなさまに良い休日がありますよう♪