朝ごはん。
「…ら…さい…」
「ん…?」
「ほら、おき…て」
「んー…あと二日…」
「二日って、どれだけ寝るつもりなのかな」
「さぁ、人間って水取らなかったら三日くらいで死ななかったっけ?」
「そうなの?」
「確か、な」
「ふぅん」
「ん、確か…4~5日で…」
「あ、起きた」
「4,5日かぁ」
「そこは気にしなくていいから」
「そか」
…ふぁぁ。
私は起き上がって、周りを見渡してみる。
…なんで紅蓮がいるのかなー?
「ねぇ‥風子?」
「うん。まだ寝てるよね」
「なんで紅蓮いんの‥?」
「それはだな」
紅蓮がタメを作る。
「暇だったからだ!」
…とりあえず、ヴァイス君のグリップの下の部分で殴っておいた。
【我は打撃武器ではないぞ?】
「でも殴りやすいよね」
【むぅ‥】
「いつみても奇妙ねぇ」
「んー?そう?」
「ま、いいや。とりあえず、着替えて。これは下に持って行くから」
これと、風子が指さしたものは紅蓮だ。
ちょっと強くやりすぎたかな。
「ん、じゃあお願いね」
「すぐ来てねー」
「ん。頑張る」
今日は狩りに行くから、きちんとした防具に着替える。
「よし」
着替え終わり、腰のホルダーにヴァイス君を差す。
「頼むよー?」
【うむ】
「おはよーございます」
「おはようございます。まぁ、そろそろおそよう。ですけどもね」
「はぁ、まぁ、ちょっと色々ありまして」
「なるほど。色々あったなら仕方ないですね」
「あ、聞かないんですか」
「それはご飯を食べながらにしませんか?」
「なるほど」
「あ、ミン。ホットケーキでよかった?」
「うん。ありがと」
「てめー、銃で殴ることはねーだろ!超痛かったんだからな!」
「ってか、なんであんぐらいで気絶してんのさ。前衛のくせに」
「くっ…」
「おまたせしましたー♪」
ちょうどいい?タイミングでご飯が来る。
紅蓮とガイアさんは和食、私と風子は一応洋食だ。
いや、洋食とかってわけじゃないんだけど。
せいぜいパンかご飯かってレベル。
食べつつ、ガイアさんに朝のことを言う。
「あ、そだ。ガイアさん」
「なんですか?」
「私の武器が新調されましたー!」
「おめでとうございます」
「いえいえ。どもども」
「で、本題はなんですか?」
「んーと、ですね」
私は次の言葉を考える。
「この銃は喋れるんです」
「…はぁ」
「まぁ、正確には話せる。ではなくて所有者と心を通わせられるってことですね」
「…」
「実例とかがないと分からないと思うんですけどもね」
「…大体わかったような気がします」
「まぁ言うことはこれくらいですけどね」
「ちなみに、その、所有者と心を通わせられる条件。とは?」
私は昨日の晩(今日の朝か)にヴァイス君に聞いたことを言った。
「ふむ…なるほど。わかりました」
「いえいえ」
「これは中々おもしろいですね…」
ガイアさんが何かを考えこみ、場が静かになる。
「そういや、今日はどこに行くんですか?」
「…あぁ、はい。今日はダンジョンに潜ってみようかと」
「どこの?」
「ウェスタル近くのあそこですよ」
「あぁ、なるほど」
ウェスタル近くのダンジョン。
まぁまぁ上級者向けのダンジョンだ。
レベル上げからお金稼ぎまで、数多くの人に知られている。
「それでは、用意があると思うので、1時間後にまたここへ」
「「「はいー」」」
【…初戦闘、か】
次回から、また少し潜ります。
ちなみに、私はパンのほうが好きです。
美味しいよね。パン。
あと、ヴァイス君のイメージは、「ナガンM1895]と「S&W M19」みたいな感じです。
ナガンが黒で、S&Wが白って感じで。
…私は銃オタとかでもないですよ?