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前世

2016年、春、日本全土を混乱に陥れた大量殺人鬼がいた。

たった一人、2ヶ月の期間で92人もの命を奪った未曾有の連続殺人事件。

この犯人を断罪しようと警察、一般市民までもが勢力を上げた。しかし、犯行現場であろう場所に残っているのは、いつも、死体に群がる虫のみであった





だが、

ある日

その殺人鬼が突然、


死んだ。












【2年前の殺人鬼について語るスレ】

1.名無し#

覚えとるか?

2.名無し#

スピってた日本史のセンコーが日本を滅ぼす計画ダーって騒いでたわ。

3.名無し#

>>2 濃いなセンコーww

ワイはヒキニートやから関係ないわー 

そもそもこいつ自殺?他殺?

4.名無し#

子供はダメだけど犯罪者殺しは有難くね?

どのみち52は流石に尊敬の域入ってるわ

5.名無し#

>>2ワイの同僚ニキは世界終わるって仕事辞めたわ

今何しよるんやろな

6.名無し#

>>2 100パー恨み買っとるだろうし他殺じゃね

しかしあの時の警察無能すぎたよな

7.名無し#

>>7警察無能がほぼ毎日トレンド入ってたよな 

8.名無し#

犯人死んでから素顔公開されてたけどクソイケメンだったよな

小中高通して少女漫画のヒーロー並みな完璧ボーイだったと

9.名無し#

>>8殺人犯ですらこうなのにおまえらときたら…

10.名無し#

>>9 人殺しよりマシやろがい

11.名無し#

7年前では政府の無能さ、この件では警察の無能さが浮き彫りになったよな

またなんかあったら今度こそ終わりだよこの国





都内マンションにて。


「警察は無能…か…」

僕、南野匡は就任して3年目になる警察官だ。

幼少期から多くの人を救う警察官を夢見て、青春の全てを捧げてきた。

だが、現実はそう上手くいかない。

警察学校はかろうじて卒業したが。実際に警察官になっても成績はパッとしない。めざましい仕事はない。

優秀な後輩がどんどん自分を追い抜く様に焦りを感じるのみだった


「しっかし、犯人が死んでから2年、全く何の手掛かりもない」

2016年に起きた未曾有の連続殺人。僕は非番の日や休憩時間に密かにその事件を追っていた。

今わかっているのは、犯人の名は北島公正、25歳。僕と同い年。学生時代は何もかもが完璧な人気者。しかし高校以来は失踪し、その間何をしていたかは不明。

起こした事件は大きく分けて9件。最大で15名を殺害している。撲殺から監禁して衰弱死、方法も様々だが被害者は順風満帆に生きてきた若者から軽犯罪を繰り返してきた中年男性、ごく平凡な小学生など… あまりに天才的な証拠隠滅やマインドコントロール。全く尻尾を見せなかった彼だからこそ僕らも最後まで逮捕することができなかった、




「どうであれ、こんなやつ死んで終わりにする訳にはいかない。」


メディアはこの話題に飽きたのか取り上げなくなり、上司も別の事件に取り掛かってる。

でも僕は多くの人を傷つけた犯人を許すことはできない。



そして、ほんの少しの好奇心が、僕に問う。

なんで北島公正はこんな事件を起こしたんだ? 

どうして死んだんだ?  



「…腹減ったな。コンビニ行くか」


辺りはもうすっかり暗くなっていて、明るいコンビニの店内がどこか浮いている

最近金欠だからパンだけでいいかな。

そう呑気に考えていたら突然のことだった。


「おい!早く金を出せ!!」


怒鳴り声に振り向くと、店員さんに刃物を向けた男がいた

ー!間違いなくコンビニ強盗だ!!

体は、考えるよりも先に動いた。僕は警察官だ!止めるに決まってる!


「やめろ!」

邪魔すんな!そう言いたそうだったが、力は平均的だったのですぐ取り押されられた。

「警察だ!大人しくしろ!」

強盗の顔が一瞬怯んだ。他のお客さんも少し安心したような顔だ。これで一件落着か。



「サツなんて…無能なくせにぃ…舐めやがってぇ…」


あぁ。世間では警察全体がそう思われてるんだな。

僕みたいなのは頼りないかもしれないけど、真面目に警察してる人が殆どなのに

呑気なことを考えてるうちにパトカーの音が聞こえる。誰かが呼んでくれたのだろう


店内に数人警官達が入ってきた、引き渡すために少し力を緩める。


だが、その一瞬の隙を強盗は見逃さなかった


どこかに隠し持ってたであろう拳銃を出し、



僕の方に向けてきた。


まずいと思ったがすぐに乾いた銃声が鳴って


次僕の視界に入ったのは、 


店の天井だった。



あぁ、撃たれたんだ、しかも痛みを感じない


僕は死ぬんだな。



死ぬ時も聴覚は残るって本当だったんだな。周りの悲鳴や強盗と揉み合う声が聞こえる。


こんなのも避けられないから僕はパッとしない警察だったんだなぁ

強盗もあんな一瞬の隙つけるなら他にできることあっただろうに


そんなどうでもいいことを考えていた。


まだあの事件の真相も突き止めてないのになぁ

ちょっと心残りだな


でも今になってみれば僕はその真実を暴くことに執着していた

思っていたようなカッコいい警察官になれないからってヤバい殺人鬼の謎を解いたヒーローになろうとしたんだ。

だからバチが当たったんだな


もし来世があるのなら、




もっと身近な人を救える


そ…んな……ヒー…ローに……















南野匡は、死んだ。


そのはずだった。









久しぶりに嗅ぐ、森の木々のような匂い。


初めて感じる草の冷たい感触。


あれ。僕は死んだんじゃなかったのか?




目を開くとそこは全く知らない世界だった。




 
















 































ちょっと主人公が偽善者じみてると思いますがずっとそんな感じではないです。ヤバい殺人鬼が強大な力を使いたい放題な世界に転生したらどうなるか気になっただけなので警察関連の知識はガバガバです。すいません。

あとタイトルはあとでちゃんと回収的なのはする予定です。

作中で色々なものを批判している描写がありますがあくまで作中の人物の考えであり私がそう思っているわけではないです

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