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月光が導く英雄譚〜the rest of the story〜  作者: 高崎冬也
旅立ちのファンファーレ
3/12

騎士は走るよどこまでも

「はっ、ここは」


 目を覚ますと知らないベッドに眠っていた。よく辺りを見渡せばログハウスのような場所に移動していた。

 助かった?しかしあの場にはまだ魔物が多くいたはずだ、並大抵のものが勝てるような場面ではなかったように思うが・・・

 考える。しかしまさか老人が行ったこととは夢にも思っていたないのか、きっとどこかの国の騎士団にでも助けられてのだろうと思っていた。すると扉の向こう側から一人分の足音が聞こえてくる。

 足音から察するに恐らく青年から、壮年期の男性だと考えられる。


「入るよ、おや、目を覚ましたのかい?」


 しかし扉の向こう側から現れたのは、老人の男性だった。物腰が柔らかいがどこかうちに秘めた若さを持っているような印象を受けるその男性を見て、アリエスは自身の考えを疑った。

 ・・・老人?さっき私が感じた足音はもう少し若い足取りだったけど?


「あの、私はいったいどうやって助かったのでしょう?私は魔物に囲まれていたはずでは?」


「君は王国の騎士だろう?その胸に付けられているエンブレムを見ればすぐにわかったよ。私も少し前までは騎士団に入っていたんだ、君が数を減らしてくれたようだったからね、あの程度の魔物ならなんてことないよ」


 驚いた、この老人は私の先輩なのだという。この年齢から考えると前国王の次期の騎士団だと推測できる。元騎士団ならば先ほどの年齢に似合わない足音にも納得だ。


「そうだったのですか、まさかこんなところで前任の方にお会いするとは思いませんせした。助けていただいてありがとうございます。私の名前はアリエス・ブリトマート。現国王ブリトラ様にお使えする。騎士団イルミナの騎士団長を務めさせていただいています。」


「騎士団長だって?今王国は魔物の侵攻にあって戦争中じゃなかったかい?そんな大切な時期になぜ騎士団長がこんな場所まで?」


「はい、現在王国は魔物との戦争中です。私がここにいるのは国王様からのご命令に従いここにきました。・・・わたしがここにきた理由とある人を探しにきました。」


「ある人?それはどんな・・・っ」


 老人が言葉を話そうとしていた時地響きにもなるものがこの部屋を襲った、私と老人はすぐに体を低くして地響きが止むのを待った。1分ほどすれば地響きも止み、私たちは腰を上げる。


「いったいなんだったのでしょう?」


「さぁ、・・・あまりいいものの予感がしなかったけどね」


 私たちが今起こったことを考えていると、外がやけに騒がしい、先ほどまでは静かだった家の周辺から人の慌てるような声が聞こえてくる。するとドンドンと扉を強く叩く音が聞こえる奥から「入るぞ」と声が聞こえたかと思ったら


「おい、爺さんいるか!?」


 この部屋に真っ直ぐ入ってきて若者が声を荒げている。近隣の住人だろうかやけに慌てた様子だから、現在騒がしい外の様子と関係しているのかもしれない。


「おや、どうしたんだい。ヤン坊。人の部屋に入るときにはノックをしなさいと昔教えたことがあったろう」


「そんなこと言ってる場合じゃないんだよ!大変なんだ!突然大きい魔物が来たと思ったら村の人間を襲っている!」


 ・・・っもしかして!?

 その言葉を聞いた瞬間稲妻に打たれたかのような錯覚を覚えた、そうだあのとき一匹だけ逃した魔物がいた。すぐに気を失ったから忘れてしまっていた。この人に助けられたというのなら、あの戦った場所からここの村が近くても不思議じゃない。


「っもしかして、その魔物は蛇のような魔物ですか?」


「・・・あぁ、言われてみれば蛇のような姿をしていたなぁ」


 やっぱり!

 青年の言葉を聞きすぐに私は近くにあった私の剣を持ち家を飛び出る。こうなってしまったのは私の責任だ。あのとき私が討伐することができていたならばここは襲われなかった。奴はきっと自身の傷を癒しにきたのだ。自身の不甲斐なさに思わず自分を殴りつけたくなる。しかし今はそんなことをしている場合じゃない。無辜の人々を魔物の脅威から早く助け出さなければ!


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