40〜メイド喫茶で働いていたクラスの可愛い雪田さんは俺の彼女〜
そこで俺はさっさと帰っていた二人の違和感に気付くと顔に手を当てため息を吐く。
「あ、あの二人金払わずに行ったぞ」
くっそ、奢りかよ。まぁ橋本さんには色々と瑠奈との仲を進展させようと助けてくれたしいいか。山川さんに関しては……普段見る事の出来ない可愛らしいレアな姿を見られたのでそのお礼だと思おう。
「美少女三人とご飯食べれたし、奢れるなんて最高かよ」
自分で自分を納得させるために声に出す。
まぁ俺はまだご飯食べてないんだけど。
「二人の時は他の人褒めないでよ……」
ボソッと隣で目を俯かせて呟いた声が聞こえてきて俺は急いで取り繕う。
「ごめんる、瑠奈。瑠奈が一番だよ」
そう言って優しく髪が崩れないように頭を撫でるとふにゃりと表情が緩んでいた。
「ありがと」
俺の方を向き屈託のない笑顔でそう告げられ一瞬息が止まる。
「あ、そうだ。お金私も払う。お金大切にして、私と一緒に出掛ける時のもとっといてよ……」
確かに、お金があればある分だけ雪田さんとデート出来る回数とかが増える。二人でいる時間が長くなる。
だから奢りじゃなくて割り勘がいいそうだ。最高の彼女ですわ。
「可愛すぎだろ……」
それから少しして注文していたパスタを食べて、デザートを雪田さんと半分こしてあーんして食べさせ合った。
他の人もいる中でこういうのをするのはやっぱり恥ずかしいし照れる。傍から見ればバカップル呼ばわりされてるかもしれない。
外でこういうのはこれきりにしよう。人がいない所でやろうと心に誓った。
「げ、結構高いな……」
「あ、あはは……」
意外とファミレスもデザートまで食べると高くつく事を学び、次は奢って貰おうと二人で笑い合った。
〇side雪田〇
「おはようございます美佳さん!」
「おはよー」
今日はバイトが入っていたので働いていると、昼から出勤の美佳さんがあくびをしながらけだるげそうに挨拶を返してきた。
「ん?」
そのまま更衣室に行くかと思うと、美佳さんは立ち止まり片方の口角を上げるとササッと近付いてきて私の顔を覗き込んでくる。
「んん~???」
「な、なんですか?」
「なんか嬉しい事あった?」
「なんでわかるんですか?」
「そりゃ顔に出てるから」
ビシッと顔を指差されて私は思わず手で顔を触れ、口角が上がっているか確かめる。
「あはは、顔には出てないけどなんかこう全体的に幸せオーラが出てるから」
「なんですかそれ」
「あ、もしかして例の中川くんと何かあった?」
一発で言い当てられて私は思わずたじろいで何も言えないでいると、それを見た美佳さんは確信したのかほっぺたをツンツンしながら「付き合った?付き合った?」と子供のような無邪気な笑顔で聞いてくる。
「そ、そうです。付き合いました」
美佳さんには色々アドバイスを貰ったから自分から報告しようと思っていたのに先に当てられてしまって少し複雑だった。
「おー!!おめでと!」
「ありがとうございます。美佳さんのアドバイスのお陰です!」
自分から報告できなかったけど、こう素直に喜んでくれるなんて嬉しい。
「どうやって付き合ったの~?」
ニヤニヤと興味津々な目を向けられ昨日の二人を思い出す。
やっぱり皆気になるんだ……。
自分で語るのは照れ臭く、苦笑交じりに簡潔に伝える
「夏祭りの時、私からしようとしたら遮られて春樹くんが告白してくれました」
「おぉぉぉぉ?!?!? なんてロマンチックで青春なんだ、羨ましい。しかもいつのまにか名前呼び。お姉ちゃん嬉しいよ」
「美佳さんの妹になった覚えはありません」
「冷たいなー!」
美佳さんがお姉ちゃんだった場合を想像したら家でも何かと突っかかってきてウザそうだなと少し思ってしまった。
それに私の彼氏を誘惑してからかう気がする。
バイトの先輩としては尊敬しているけど、やっぱり家族として暮らすのは失礼だけどごめんだ。
「あ、噂をすればなんとやら。彼氏くんが来たよ」
「えっ?」
「んじゃ着替えてきまーす」
美佳さんは手を振りながら更衣室に入っていった。そういえば、昨日来るって言ってた……。
〇side中川〇
今日もバイトが入ってると聞いたのでお店にやってきた。数人のメイドさんから「おかえりなさいませご主人様」と出迎えられる。
もうこれも何回目か数えていない。
席に座り辺りを見渡すが彼女の姿がなかったが、直ぐに裏から出てきて俺の方に近付いてくる。
歩いてくる彼女の可愛らしいメイド姿を目にしながら思い返すと、出会いは本当に偶然だった。
たまたま入ったメイド喫茶で働いていた、皆から可愛いと言われているクラスメイトの雪田瑠奈と付き合う事になるとは出会った頃は思いもしなかった。
だってそれまでは全く接点がなかったんだから。
あの日から色々あって仲良くなって、二人でプールに行ったり変な事言い合ったりする仲にまでなった。
好きと言う感情に振り回されてよくわかんなくなった時期もあった。俺は海での告白を聞かないように遮って逃げてしまった。瑠奈も色々悩んでいたのは同じだったはずなのに逃げた。その後泣いていたと聞いて激しく後悔した。
自分の気持ちに正直に、自分が傷つくのを恐れないで気持ちを受け入れるまでは少し時間がかかったし怖かった。けど、橋本さんの後押しのお陰で一歩踏み出す事が出来た。
これからも今まで通り言い合ったりして喧嘩するとはおもうけど、俺達なら上手くやっていけるような気がする。
まだまだこれから色々な事に直面してどうすればいいか分からなくなるかもしれない。けど、そういう時程自分の気持ちをしっかり相手に伝えて、相手の気持ちもしっかり受け止めて一緒に考えていきたい。
彼女の瑠奈が席近くまで来ていつもの挨拶に少しアレンジを加えて他の人に聞こえない様に耳元で囁いてくる。
「おかえりなさいませ、私だけのご主人様!」
「……それ言ってて恥ずかしくないの?」
「恥ずかしいに決まってるだろ!お前が言えって言ったんじゃん!」
「いやめちゃくちゃかわいい。まじで心臓張り裂けそうなくらい」
「うっさいばか」
~完~
最後まで読んで頂きありがとうございます。途中更新が途切れたり遅れてしまったりして申し訳ないです。
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