表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メイド喫茶で働いていたクラスの可愛い雪田さん  作者: 絶対人生負け組


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/40

37〜友達と彼氏〜

 ご飯を食べながらも根掘り葉掘り聞かれ、ハグしたことや足を怪我したので家までおんぶして送ってもらった事を言った時の二人ときたらもう他の人の迷惑になるくらいには興奮していた。


 私はそれも相まって余計に恥ずかしい気持ちでこの場から今すぐに逃げ出してしまいたいくらいだった。



「ほ、ほらもういいでしょ!デザート頼まない?」


「デザート!食べる!」


「しょうがないなぁ瑠奈ちは恥ずかしがり屋なんだから~」



 居ても立っても居られなくなって話題を逸らす為にデザートのメニューを紗季に渡すと目を輝かせながら食い入るように見始めた。



 さっきまでの話がなかったかのような切り替え具合に私と里英は苦笑しながら一緒にメニューを見る。



「わぁ、これも美味しそうだなぁ……これも食べたいし、これも食べたいけど……」



 チラッとこちらを伺う紗季。どっちも食べたいけどお腹の溜まり具合的に両方は食べきれないんだろう。


 それで子犬の様な目で訴えてくる紗季に私はしょうがないなと思い微笑みながら提案する。



「いいよ、両方頼んで半分こしよっか」


「ほんとか!?ありがとう!」


「私のは上げないからね~?」


「え~」



 見た目はかっこいいのにほんとこういう所で子供っぽくて可愛いし、こんなの男子が見ればイチコロでしょ……。いや女子でも惚れるレベルだと思う。けど本人曰く、今は恋愛には興味ないらしい。こんなビジュアル良くて性格も可愛いのに少し勿体ない気もする。けど恋愛はしようと思うほど中々上手くいかないものだしね。とチラッと里英の方をみて慰めの表情を向ける。


 里英は理想が高過ぎて中々彼氏ができない。出来たとしても合わなくて直ぐ振ってるらしい。


 もうちょっと理想の高さを下げればいいのにってアドバイスしようにも今の私が言ったらまた「うるさい彼氏持ち」って嫉まれるに決まってる。


 それに人の恋愛にとやかく言えるほど私も経験豊富じゃない。




 デザートを注文して待つ時間またしつこく里英がニヤニヤしながら質問してくる。



「中川くんの事好きなの?」


「す、好きだよ……何回同じ事言わせるの!?」


「いやぁ、何回聞いても照れて好きっていうのが可愛くて。ねぇさーちゃん?」


「あぁ確かに何回でも見れるな。ここにいない中川が可哀そうなくらいに」



「あ、じゃぁ来るか分かんないけど呼んじゃおっか!」


「お、いいな。面白そう」


「えっちょっ?!ダメだって!」


「え~なんで~?」


「いやだって……忙しいだろうし……?」



 それに恥ずかしいし?二人の前で中川くんとまともに話してる所を見られるのが気まずいし。二人きりならまだ話せるんだけど、恋する乙女みたいな私を二人に見られるのは恥ずかしいんだもん……。



 で、でも会えるのは少し嬉しいかもしれない?からかわれるのは恥ずかしいけど別にそんなに嫌じゃないかもだし……。



「あー、来てくれるって~!」


「お、よかったな瑠奈」


「え?!いつの間に連絡してんの!?」



 頭の中で色々と言い訳したり、中川くんがきて二人にからかわれるシーンを想像している間に来る事になっていた。



「『ちょうど外にいたから直ぐ行けると思う』だってさ~」



「な、なんで来てくれるってなったの?」


「そうだぞ、凄いな。乗り気だった私が言う事ではないと思うが、女子三人の所に来ようって普通思わなくないか?」


「それはまぁ私達三人共顔がいいから。美少女三人だぞ~?ま、っていうのは冗談で、リス顔の瑠奈ちの写真送ってその代わりに来てもらうことになった。最初はいやがってたけどね」



「ちょっと?!何勝手に送ってるの!?」


「えーいいでしょ別に~それに中川くんから『可愛すぎる』って来てるよ」



 証拠と言わんばかりにトーク履歴を見せてきた。そこには本当に私の写真が送られていた。そして可愛すぎるって中川くんが送ってきている事も事実だった。



 私はそれに嬉しくなりながらも恥ずかしさで少し複雑な気持ちになった。



「あは、照れてる照れてる」



 そして今ここに中川くんが向かっていることも里英の嘘ではなく、あと数分でつく旨が書かれていた。



「ねぇねぇ瑠奈ち、中川くんとしたい事とかないの?」



 里英は話を勢いよく逸らして、中川くんに写真を送った事は悪びれる様子もなく懲りずに質問してくる。



 色々したい事は沢山あるけど具体的に上げたらきりがない。それにキモいって思われそうで怖くて言えない。あんな事やそんな事もしたいけど、二人の前で言うのは少し憚られる。それに公共の場で言うような事じゃないものもあるし……。



「と、取り敢えず下の名前で呼び合いたいとか……?」



 ぱっと思いついた無難な答えがこれだった。何気にお互いずっと苗字呼びだから。



「そんなの簡単じゃないのか?」


「こらさーちゃん?みんながみんな当たり前に出来る事って思ったらだめだよ?得意な事とか出来る事とか苦手な事、出来ない事は人によって違うでしょ? さーちゃんだって甘いものは好きだけど辛い物は苦手でしょ?」


「あぁ……なるほどごめん瑠奈」


「い、いや大丈夫」




 最初から名前呼びだったらこんな事悩む必要はなかった。急に名前で呼び始めたらなんだこいつみたいに思われるのが怖い。まぁ付き合ってるからそんなこと思われないとはわかってるんだけど……それでもなんかむずがゆい。




「あ、中川くん来たよ」


「え、うそ早くない?!」


「あ、ほんとだ」



 里英の言葉を聞いて入口に目をやると辺りをキョロキョロして少し不安そうな表情をした中川くんがいた。



 ほ、ほんとに来ちゃった……。



 バチッと目が合って恥ずかしくて思わず目を背けてしまう。



「やほーこっちこっち」



 里英が立ち上がり手を振りながらこっちに招く。


 里英はさっきまでキャラがおかしくなっていた事が嘘の様にいつもの調子に戻っていた。


 紗季もいつものようにクールな雰囲気を醸しだしてるが少し頬を紅潮させているのは慣れない恋愛話を聞いたからだろう。




「あ、ど、ども……」


「や、やほ」



 挨拶しないのも変なので一瞬目を合わせて軽く手を上げる。笑顔を向けようとするが恥ずかしくてぎこちないものになっていると思う。



 心拍数がどんどん上がっているのが分かる。



「ほらほら~、彼女の隣に座りなよ~」



「あ、うん」



 中川くんも緊張しているのか少し声が上ずっていた。




 私の隣に座ってきた瞬間ふわっと優しい匂いが漂ってきて少しの安心感と共にもっと嗅ぎたい欲求にかられたが我慢する。



 ドクドクと今にでも口から飛び出そうな程に心臓がうるさい。



 ふ、二人の前だとまともに話せない。恥ずかしい。こんな姿見られるのもやっぱり恥ずかしい。


 今すぐ帰りたいけどまだデザートが残っているし、私の出口は既に中川くんが座って塞いでしまっている。



 これから色々里英と紗季がきっと変な事言ったり聞いたりしてからかってくるんだと思うと不安でしかない。



 私の心臓持つかな……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ