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メイド喫茶で働いていたクラスの可愛い雪田さん  作者: 絶対人生負け組


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30/40

30〜二度目の間接キス〜

 夏祭り当日、慣れない浴衣を頑張って着て下駄を履いて中川くんとの待ち合わせ場所に向かって歩く。



 楽しみだけど緊張する。それに今日告白のリベンジもする。里英と紗季には今日中川くんと夏祭りに行くという事は言ってある。でも二人も行くらしいから、どこかで見守ってくれてるのかもしれない。



 そう思うと少し心強い。振られたらまた慰めてもらおう。



 いや待て待て私、なに振られる事前提な気持ちになってるんだ!弱気じゃダメ。少なくとも嫌われてはいないんだから、大丈夫。いける!



 待ち合わせ場所に既に人がいた、目を凝らしてみるとなんと中川くんがもう来ていた。



 私は待たせちゃ悪いと思って慣れない下駄で少し小走りして声を掛ける。



「お待たせ、待った?」


「ん、滅茶苦茶待った」


「おい、そこは全然俺も今来たとこって言うところでしょ」



 間髪入れず指を指しながらツッコむと中川くんは「うそうそ」とケラケラ笑う。それにつられて私も笑顔になった。少し緊張がほぐれた。



 それにしても……



「中川くんも浴衣できたんだ?」


「まぁ折角ならって事で」



 まさか中川くんも浴衣で来るとは思わず少しびっくりしている。紺色のシンプルな浴衣だけどいつもと雰囲気が違って大人な感じがしてかっこいい。



「雪田さんもその浴衣凄く似合ってるよ。可愛い」


「あ、ありがと」



 いつもふざけてるのに最近はやけに大人びた雰囲気を出してきて凄くドキッとする。ギャップが凄い……。


 ニコッと優しい表情で褒められて思わずたじろいでしまった。ここは勇気を出して私も褒めてドキッとさせてやる!



「中川くんも、いつもと雰囲気違ってかっこいいよ」


「ありがと」


「照れてる?」


「照れてないが?」


「そこは照れとけよ!!」



 余裕のある表情を見せてきて負けた感じがして悔しい。



 祭りの会場にゆっくりと歩いていると段々と人が多くなっていく。屋台もギッシリと立ち並び、ソースの匂いや甘い匂いが漂ってきてきた。



「今日は奢ってくれるんだよね、ご主人様?」


「ふっ、任せろ」


「えっ本当に奢ってくれるんだ、ありがと」




 冗談で言ったつもりなのに奢ってくれるらしい。ので早速目に入ったかき氷を奢って貰う事に。



「かき氷食べたい!」


「お、いいね。やっぱ夏といったらかき氷だよな」



 そう言って中川くんは屋台のおじちゃんに声を掛ける。



「かき氷二つください」


「あい、何味がいい?」


「あー、俺はブルーハワイで。雪田さんは何にする?」


「私いちごで!」


「あいよー!」



 おじちゃんは元気にかき氷を作り始めその間にお金を中川くんが払ってくれた。



「はい、お待ち。楽しんでなー!」



「「ありがとうございます」」



 優しくて陽気なおじちゃんからかき氷を受け取り二人してお礼を述べ歩を進める。



 たっぷりとかかったシロップの付いた氷を頬り込むとひんやりと口の中にイチゴの味が広がるのを感じる。



「んー!おいしぃ……ありがとね」


「どういたしまして」



 下から少し覗きながらお礼を言うとニコッと笑って氷を口に運ぶ中川くんを見ていい事を思いついた。



「ブルーハワイおいしい?」


「ん?おいしいよ」


「一口頂戴~!」



 あーんして貰おうと思い、目を閉じ口を開ける。



「はい」


「ぐぼぁっ」



 思ったよりも多い量を口にツッコまれ、思わずえずきそうになるが氷が直ぐに解けてなんとかなった。



「おい!何してくれとんじゃ!」


「おいしい?」


「分からんかったわ!」


「はいはい」



 中川くんはしょうがないなと言うような表情をして今度は丁度いい量を口に入れてくれた。



「ん、おいし」


「シロップって色だけ違うって話だけどどうなんだろうね」


「さぁ?」



 私もお返しに自分のいちごを中川くんの口元に持っていくとパクっと食べると「いちごもうまいな」と呟いていた。



 食べる瞬間がなんか動物にエサやりしてる感じと似てて面白かった。



 なんか凄い恋人っぽい事してて楽しい。ずっとこんな関係でいられたらどれだけ楽しいんだろう。


 え、待ってまた間接キスしちゃった……。


 今更その事実に気付いて凄く顔が熱くなり、その熱を抑える為にかき氷をかき込んだ。



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