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メイド喫茶で働いていたクラスの可愛い雪田さん  作者: 絶対人生負け組


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21/40

21〜変な感情〜

 〇side中川〇




 最近雪田さんのバイト先でお金を使い過ぎて貯金があまりなくなってしまった。まだあるにはあるが少し不安な金額。


「バイトしないとだな」



 秋は絶対ハロウィンでまた違う衣装とかイベントとかありそうだし、チェキ撮りたいしなぁ。



「よし」



 俺は夏休みに入ってから親の知り合いから海の家にバイトしに来ないか誘われていたのを思い出した。



 夏休みは忙しくなるから人手が欲しいらしい。毎年のように誘われていたが面倒くさくて断っていた。でもいい機会だ。いい経験にもなるだろうしお金も稼げて一石二鳥。それに可愛い女の子の水着姿も見れるとかまさに天国かもしれん。



 そう思っていた時期が俺にもありました。


 実際に働いていたらエアコンはついてるけどずっと動いてて熱いし、人も多いしで忙しいし本当に地獄だった。



 働くってマジで大変なんだなと思い知った。いつも働いてくれている人達に感謝しよう。





 バイト初日は接客の仕方や注文の取り方、メニューなどを覚えた。中々大変で何回もミスをしたが厳しく叱られることはなかった。



 しっかり反省して同じミスをしないように気を付けてさえいれば案外怒られないものだからな。



 二日目は慣れてきたからか初日よりは疲れなかった。可愛い女の子を見る余裕も出てきて眼福だった。



 えぇ勿論、ちゃんと仕事はしてますとも。





「すみませーん」


「はーい」



 お客さんから呼ばれて俺は急いでその声のする方に向かう。



「お待たせしました、ご注文は……」



「え……?中川くん?!」


 なんとそこには雪田さんの姿があった。


「え、ほんとだ中川何してんだお前」


「おぉ」



 え?!なんでここに雪田さんが?それにクラスの男子もいるしどういう関係だ? てかなんか名前ちゃんと知られてる事が少し嬉しい。



「あ、ど、どうも」



 俺は戸惑いつつも会釈する。


 クラスの男子と女子とはいえ、あまり関わったことがないので少し気まずい。



「え、ねぇねぇ瑠奈ち。これ運命じゃない?きゃぁ~!」


「ちょっとうるさい里英」


「でも凄い巡り合わせだよね」


「ちょっと紗季まで?!」



 いたずらっ子の様にニヤニヤしてはしゃいでいる小悪魔系の確か名前は橋本里英(はしもとりえ)。橋本さんの意見に賛同しているボーイッシュででも身体はしっかり女性でかっこいい頼れる王子様的な山川紗季(やまかわさき)



 店の喧騒で少し聞こえずらいがそれでも皆の会話は聞こえていて気まずい。俺達はそういう関係ではないのに。雪田さんに少し申し訳ない。



 男子三人は俺を睨みつけてきて怖いので目を逸らす。



 それにしてもなんで美人の周りには美人が集まるんだろう。この三人全員属性は違えどモテる人間だ。


 この三人と遊べてる男子三人はなんて幸運なんだ。ってかなんで遊べてんだよ、羨ましい。俺誘われてない。



 関りないから誘われないのも当たり前だが、雪田さんがいるなら俺も一緒に遊びたかった……。


 でもいいもん。この前二人きりでプール行ったし!



 それに雪田さんは俺の彼女でもなんでもない。どこで誰と遊んでいようが俺がどうこう言える筋合いはない。



「えっと……ご注文は……?」



 俺は早くこの気まずい空間から逃げ出したくて注文を急かす。丁度昼時で人も増えてきている。



「あーごめんねぇ中川くん!ご注文は……中川くんお持ち帰りで!」


「ちょっと里英?!」



 いきなり突拍子もないエロ漫画とかでありそうなセリフが出てきて思わずツッコミそうになったが先に雪田さんが声を上げた事により耐えれた。


 是非ともお持ち帰りされたいです。という思いを声に出さないように心の中に静かに仕舞う。



「カレーライス二個とたこ焼き三個、焼きそば一個。皆は?」


「ちょっと待って一人でその量食べるのか?!」



 すると突然山川さんが怒涛の注文をしてきたので俺は急いで注文を取っていく。


 男子のツッコミはそうだが運動してる子が食べる量としては普通だろという思考になったが、よくよく考えれば確かに多かった。それで痩せてるって普段運動しているからだろうか。栄養全部胸にいってんじゃねとか失礼だから言えない。



 雪田さんにだったら言えるんだけどな。



 その後皆もお店の事を考えてくれたのかちゃんと注文してくれた。注文の確認を取り俺は厨房に戻っていく。



 中々にカオスな空間だったし少し疲れた。働いてる所を見られるのってちょっと恥ずかしいな。雪田さんもこんな気持ちだったのか。



「中川くん」



 後ろから聞き覚えのある声を掛けられ振り返ると雪田さんがいた。



「ん?あぁ雪田さんどうしたの?」


「い、いやちょっと話したかったから……」


「そっか」



 雪田さんから話しかけてくるなんて珍しい。いつも俺の方からダル絡みしているのに。



 雪田さんは何故か上目遣いで目が忙しなく動いていて落ち着きがない。



「男子とも遊んでるの?」


「あぁそうそう私は女子だけだと思ってたんだけど、里英が嘘ついてたんだよねぇ」


「楽しい?」



「うん、楽しいよ」


「そっか」



 やっぱり俺なんかと遊ぶよりも大人数で仲いい人達と遊んだ方が楽しいに決まってるよな。俺に止める権利なんてないし、こんな感情を持っている自分に少し嫌気が差す。



「バイトしてるなんて珍しいね」


「まぁお金も結構無くなりつつあるし、短期ではあるけど」


「そっか、バイトしたことあるの?」


「これが初めてではあるよ」


「えぇ?!それにしては滅茶苦茶慣れてる感じするんだけど?!」



 今日の雪田さんはいつもより表情豊かなように見えるが、やっぱり楽しいからだろうか。



「たまたまだよ」




 会話が途切れたので俺は仕事に戻ろうとすると服の裾を掴まれた。



「ねぇなんでそんな不機嫌なの?」


「いや、そんなつもりじゃないけど……」



 慣れないバイトをして疲れているというのがあるのかもしれない。不機嫌に見えたのなら申し訳ない。



「もしかして……私が他の男子と遊んでるからとか?」


「ま、まぁ?」



 それもあるかもしれない。嫉妬の様な感情を抱いているのも事実。雪田さんの顔を見るのが恥ずかしくて俺は「仕事があるから」という理由でその場から立ち去る。



「うん、またねー」という言葉を後ろに受けながら足早に仕事に戻った。



 ……なんか俺今日変だな。





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