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メイド喫茶で働いていたクラスの可愛い雪田さん  作者: 絶対人生負け組


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16/40

16〜ナンパと迷子とナンパ〜

 〇side雪田〇



 中川くんが他の女の子を見ていたので少しだけ、本当に少しだけムッとして足を蹴ってしまった。


 すると嫉妬とか言われて動揺した私は中川くんのうるさい口を塞ぐためにたこ焼きをぶち込んだ。


 少し驚いていたのが面白かったのだが、仕返しとばかりにカレーを差し出してきた。



 ま、まぁ?私もカレー食べたかったし。


「どう、美味しい?」


「うん、美味しい」



 やっぱりカレーも美味しかった。もうちょっと食べたい気持ちになりもう一口頂戴と言おうとしたタイミングで近くの学生らしきグループの話し声が聞こえてきた。


「うわ、いいなぁあーんし合ってるよ」


「めっちゃ間接キスやん!」


「あんな仲いいカップル憧れるねー」



「…………」



 誰の事を言っているのかと視線を向けると数人と目が合った事で、私達の事を言っているんだと気付き思い返すと恥ずかしくなってきた。



 わ、私間接キスしちゃったの……?! た、確かにスプーンで……そ、それに周りから見たら私達カップルって思われてるの……?



 なんであんなことしたんだろうと顔に熱を帯びるのが分かり、中川くんの顔が見れなくなった。



 声の大きさ的に中川くんも聞こえていたはずなので少し気まずい雰囲気になった。



「あ……ポテトカレーに付けて食べてもいい……?」


「ん、いいよ」



 話を逸らす為に必死に考え思いついたのがこれしかなかった。振り絞って聞いたのに中川くんはさっきの事など気にもしていないかのようにいつも通りだった。



 なんか私だけ恥ずかしがってるのが段々と悔しくなってきた。いつか絶対恥ずかしがってめっちゃ照れさせてやるんだから。



 〇side中川〇



 ご飯を食べ終わり雪田さんがお手洗いに向かったので俺は一人ポツンと待っていると肩をトントンと叩かれた。



「お兄さんお兄さん、今一人?」


「良かったら私達と遊ばない?」



 声を掛けられ振り向くと女性二人が前かがみになり膝に手をあて胸を強調して誘惑してきた。


「あはは、すみません人待ってるんで」



 まさかナンパされるとは思ってなかった。俺なんかがされるとか夢にも思わなかったので少し嬉しい気持ちもあるのだが、今日は雪田さんと一緒に来ているので断ることに。




「えーそうなのー?」


「お兄さんかっこいいからしょうがないか」



「いえいえ、お姉さん達も凄く綺麗で可愛いですよ」



「えーそうかな?」


「ありがとー」



 雪田さんがお手洗いから帰ってきている姿が遠目に見えたので俺はそろそろお暇することにしようとしたんだが、腕を掴まれてしまったので仕方なくキモいムーブをすることにした。



「ねぇダメ?」


「本当滅茶苦茶魅力的なお誘いですね。お姉さん達胸も凄く大きくてバランスもいいし今すぐにでも水着脱がせて揉みたいですし、くびれもあってお腹にすりすりしたいです。細くてスラっと伸びてる足もいいですし、健康的な太ももに挟まれたいです。こんなのでもいいんですか?」



 早口でキモい事を述べまくるとお姉さん達は驚き表情を引きずっていた。



「それじゃ失礼します」



 もう大丈夫だろうとこの場を離れて雪田さんと合流しようと背を向ける。


「わ、私はそれでもいいかも……」



 と小声で聞こえたのだが俺は聞こえないふりをした。



 ふわぁ?!今すぐ振り返ってお姉さん達と二つの意味で繋がりたい。でもなんか分からないけど、そうしたら失う物が大きい気がする。それに戻ってこれない気がする。



 俺は手を握りしめ掌に爪を突き立てて我慢する。



「戻ったぞ~、あの人達知り合い?」


「いや、ナンパされてた」


「なぬっ?!あんな美人な人達にだと……嘘じゃん」


「俺もびっくりした」


「ほぇ、世の中なにが起こるか分からないね。断ったの?」


「うん」


「それでよかったの?中川くん変態だからてっきりついて行くかと思ってた」


「俺には雪田さんがいるからね」


「そんな悔やしそうな顔して言われても信用0だしキモい」


「最後の一言は余計だろ?!」






 少し休憩した後にまた流れるプールでのんびり流されながら遊んでいると辺りをキョロキョロ見渡して涙目になって今にも泣きだしそうな女の子を見つけた。



「どうしたの?もしかして親とはぐれちゃった?」


「う、うん」



 あまり刺激しないように優しい声音で声を掛けると不安で満ちた表情で頷いた。



「中川くん、どうしたのその子迷子?」


「うん、そうみたい」


「そっか……一回プールから上がろっか」



 雪田さんはそう言うと率先して手を繋いでプールから上がる。



「迷子センター連れてく?」


「そうしよ」


「迷子センター行こっか」



 子供を怖がらせないようにしゃがみ視線を合わせて話しかけるともう大分落ち着いたのか「うん」と少し笑顔を見せてくれた。


「ねぇお姉ちゃん達って付き合ってるの?」


「え?」


「つ、付き合ってないよ?!」



 唐突に子供が質問してきた内容に雪田さんは驚きながら手を振って速攻否定する。



 そんなに全力で否定されたら流石の俺でも傷つく。まぁ事実だからそんなに傷つかないんだけど。



「そうなんだ。お似合いなのに」


「えっ?そ、そうかなぁ?」


「うん!」



 お似合いと言われ雪田さんは何かの間違いではともう一度聞き返すと屈託のない笑顔で頷かれ子供相手と言うこともあり、何も言い返せていなかった。



「わ、私やっぱり待っとくから中川くん行ってきてくれる?」


「え?わかった」



 子供相手でも恥ずかしくなったのか顔を背けながら待っておくことにしたらしい。それを察したのだが俺はからかうのは後回しにしてこの子を送り届ける事にした。



「お姉ちゃんはどうしたの?」


「んー?俺といるのが恥ずかしくなっちゃったみたい」


「やっぱりお似合いだね!」


「やっぱそうかぁ」


「うんうん!」



 この子とは気が合いそうだ。また会う事があったら語り合いたい。数年後なんてどんな性癖に目覚めているのかが楽しみだ。



 迷子センターに着きスタッフに預けて俺は雪田さんの元に帰る事に。



「お兄ちゃんありがと! お姉ちゃんの事大切にね!」


「おう!」



 子供にそんなことを言われるとは思っていなかったので少しびっくりしながら手を振り別れを告げる。



 他に友達もいるはずなのに、なんだかんだ俺と話してくれたり一緒に遊んでくれるなんて雪田さんは優しいよな。


 普段はからかったり言い合いばっかりしてるけど、たまには優しくしてみるか。



 最初はキモがられそうだなぁなんて雪田さんの表情を想像しながら戻っていると雪田さんの周りに男が数人いるのが見えた。



「ん?学校の友達……?」



 しかしよく見るとガタイが良い人や大分チャラい人なんかがいて絶対高校生じゃないのが分かった。




 雪田さんは困った表情をしていたので俺は急いで転ばないように小走りで向かう。



「ねぇいいじゃん一緒に遊ぼう?」


「いい事教えてあげるからさ」


「そうそう、楽しいよ?」



「だから嫌です」



 言葉では無理だと思った男達は雪田さんの手を掴み連れて行こうとする。



「や、やめてください!」



「――あの、俺のなんでそういうの止めてもらえます?」




 雪田さんに触れている男の手を掴み引き離す。



「な、中川くん……」


「行こ」



 そう言って俺は強引に雪田さんの手を引き逃げる。



「おい、待てよ!」


「なんだお前待てよ」


「チョマテヨ」




「ほら早く」


「う、うん」



 俺達は人混みの中に紛れながら逃げ、流れるプールに避難した。


 流れながらだったら場所が変わるから直ぐに見つかる事はないだろう。てかもう追ってこないとは思うけど。



「雪田さん大丈夫?どこか怪我とかしてない?」


「だ、大丈夫だからそんなに身体ベタベタ触らないで……」


「あ、ごめん」


「大丈夫、助けてくれてありがと」


「何もなくてよかった」



 こんな場面に遭遇するのは初めてで俺が取った行動は果たして正しかったのか分からなかったが、雪田さんが無事でよかった。



 雪田さんは怖かったのか顔を下に向け暫く言葉を発さなかった。



「ごめん、俺のせいで」


「え?中川くんは何も悪くないよ?!」


「いや、女の子を一人にするって普通に考えて馬鹿だから」


「中川くん……いつも以上にキモいからそういうのいいよ」


「えぇ?!」



 俺にしては珍しく真面目に反省して謝っていたのに一蹴されてキモいとまで言われてしまった。それもいつも以上。


 いつも変態なのにそれ以上にキモいってどういうこと?!



「いつもの中川くんでいてよ」


 俺のほっぺにツンツンとしてニコっと笑う雪田さんはさっきの事なんて気にしていない様な感じだった。寧ろ俺を励まそうとまでしてくれる。


 なにこの子……やっぱり天使なのでは?



「ハグしていい?」


「なんでだよ死ね」



 一瞬前までの笑顔はどこに行ったのか、冷たい視線と声が降り注いで身体がゾクゾクした。




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