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黒猫連れた運び屋さん  作者: 鳥ノ音
一章 魔剣配達
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三話:セーフエリアにて

魔物ひしめく未開拓エリアでは、気を抜いていられる時間はとても少ない。

だからこそ、休める時には全力で休まなくてはいけない。

そんな訳で現在はすっかり日が沈み夜、場所は林道の中で偶然見つける事が出来たセーフエリア内。

セーフエリアとは、未開拓エリア内に多数存在する魔物が寄り付かないエリアの事である。

寄り付かない理由はこれまた不明でダンジョン同様に様々な説があるのだが、まあ、無害なようだし、私達運び屋からしたらこんな都合の良い場所は無い!!

と言う事でこうして野営に使わせて貰っているのである。

目印は十字の形をした黄色い花弁を付けた花で、この花は何故かセーフエリア周辺にだけ咲くのだそうだ。

しかしだからと言って、花自体に魔物を退ける力は無いそうで、これまた謎の植物だったりする。

生息地以外に変わった所は無いものの、その見た目に何処か神聖さを感じる事から聖花(せいか)と呼ばれ、旅の安全のお守りにと押し花にして持ち歩いている者も少なくないとか。

ともかく、朝から今まで休まず走り続けた私達は、このセーフエリアで休憩を取るべく野営の準備をしていた。

ノワレの魔法の一つであるポケット空間から、テントやら寝袋やらの道具を取り出し組み立てたら、次は食事だ。

食事と言っても、私は固形の携帯食でノワレは市販の猫缶と言うなんとも手抜きな献立なのだけども


「またこの味気ない食事か......。」


ノワレは猫缶があまり好きじゃない。

だから私が猫缶を出す度に不満そうな顔をする。

そんなに美味しくないんだろうか?

それでも仕方のない事なのだ。

だって


「楽だから。」


「たまには料理でもしてはどうだ?」


「んー......そーだね。まあ、気が向いたらね。」


「ほう。気が向いたらか。」


気が向く事など無いだろう?とでも言いたげな目でこちら見てくるノワレ。

そんな目で見られてもどうにもならない。

だって料理ってめんどくさいんだもの。

作る物の選択、材料の選別、調達、調理、食べ終われば洗い物、考えただけで気が滅入る。

やっぱり食事は作って貰った物を食べるのが一番美味しくいただけると私は思うのだ。

そう言う訳で、ノワレの講義の視線を無視して、私はブロック状の携帯食を一口齧る。

可もなく不可もない味がする。

ご飯と言うよりは、甘くて中にドライフルーツが入っているからお菓子に近いような気もするけれど、実際に食べてみると意外とお腹に溜まるから不思議である。

一本目を早々に食べ終え二本目を手に取る私を見て、ノワレもようやく猫缶に口を付ける。

そうして食事を終えたのならば、後は寝るだけだ。

業務中の休息は無駄無く最小限に、それが運び屋という物である。

ゴミを纏めて片付け終えたらノワレと一緒に寝袋に入る。

それからは特に会話も無く私達は眠りに付いた。

夜の未開拓エリアはとても静かで、それ故に生き物の活動音がとても良く聞こえてくる。

何かの足音が聞こえてくる度に、耳をピク付かせるノワレの頭を優しく撫でてあげながら私は眠りについた。

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