拒否
僕がこの世界に生まれて2年程経ったが母親以外の龍とはあまり話した事がない。
いや、正確には避けられていると言った方がいいかも知れない。
僕の左右で色が分かれているこの身体は龍族からしたら気味が悪いらしく、じろじろ珍しい物を見る目で僕をみてくる龍にこちらから話しかけても無視されるし、話しかけられる事はまず絶対にない。
加護の知識によると龍族で闇属性の魔力を持った龍は歴史上僕の父親以外いないらしい。
だが人族の世界では闇属性の魔力持ちというだけで偏見や差別がある国があるみたいだ。
母さんは僕の身体が珍しいからみんな緊張しているだけとは言ってくれてはいるが、もしかしたら龍族も例外ではないのかも知れない。
だから僕は母親以外の龍族があまり好きではない。
だけど僕が突然話かけて驚きはしたみたいだけど『ゼロ』はちゃんと僕に返事を返してくれた、
それだけで僕は嬉しかった。
「ゼロって言うんだ、かっこいい名前だね」
「・・・かっこよくなんかない・・・私はその名前が嫌いなの・・・」
「どうして?かっこいいのに?」
僕がそう言うとゼロは「はぁ」とため息を吐き、
「あなたには関係ないでしょ・・・もう行くね」
「待って・・・えっと・・・気分を悪くしたのなら謝るよ、ごめんなさい」
「別に謝らなくてもいいわよ、それで何か私に様なの?無いんならもう行きたいんだけど」
今ここで何も言わなかったらこれから先ずっと後悔する事になる、そんな気がした。
僕は勇気を振り絞り、
「突然こんな事言って迷惑かも知れないけど、僕はゼロと友達になりたんだ!僕の初めての友達になってほしい!」
「無理、ごめんなさい」
僕の勇気をまさかの即答で、しかも拒否で返された。