プラナ
初投稿です。
よろしくお願いします。
ここはどこだろうか…?
薄暗い空間から一つの命が芽生えた瞬間だった。
薄暗い、だが暖かく優しいぬくもりを感じる
微かに光を感じる、さらに微かに音のような心地良い振動が聞こえる。
自分は薄暗い中僅かに見える視界で周りを確かめた。
どうやら自分の周りには殻のようなもので覆われているようだ
だが少し力を入れたら割れてしまいそうなくらいの硬さでもあった。
本能とも言える物なのだろうか…自分は真っ先にここを出たいと思った
気づいた頃には今ある自分の力を目一杯つかって周りの殻を割っていた
「生まれた…私の坊や…」
殻を破った瞬間、生まれて間もないがこの世の物とは思えないほどの大きな山のような動物が目の前にいた。
大木のように大きく立派な角に鋭い牙に鋭い目、さらには体の周りには傷一つ付いていない白銀の鱗に覆われていた。
「龍」と言う生き物だ。
怖い…だがそれ以上に目の前の龍から神々しくも優しいオーラを感じ、恐怖心はすぐに消え去った。
そうか、この方が自分の母親なのか。
本能がそう悟った。
「よくぞ無事に生まれてくれました。
私の名はアテネ、あなたの母親です」
「ぐぁ?」
上手く話せない、生まれたばかりのせいか身体も上手く動かせない。
殻を破った時の力はどこに消えてしまったのだろうか、立ち上がろうといても直ぐに地面に身体が着いてしまう。
無理に動かそうとすると身体に痛みを感じる。
「生まれたばかりなのだから無理しなくても大丈夫よ、これから少しずつ学んでいきましょう…」
「ぐぁ!」
「しかし不思議な事もあるものですね、身体の右半分は私と同じ白銀色なのに左半分は父親と一緒の黒色の身体になるなんて」
えっ?どういう事?
恐る恐る動かせる範囲で自分の両腕の色を確認した。
確かに右腕が母親と同じ白金色、だが左腕は黒色だ。
一体これはどういう意味なのだろうか、もしかして自分は生まれてはいけない存在なのだろうか?
そんな事を考えて生まれたばかりの自分の頭が混乱している。
「でも細かい事は気にしても仕方ないわね、今はこの子が生まれた事を喜びましょう」
母親は意外と楽観的だった。
だがその何気ない一言が自分を安心させた。
ご閲覧いただきありがとうございます。
色々な異世界物の作品がある中でありきたりではありますが旅の話を書きたいと思い投稿させてもらいました。
主人公の龍人がこれから何を知っていくのかは私にもまだ分かりません。
それがどの種族の綺麗な部分なのか、醜い部分なのか。
はたまた同族の綺麗な部分、醜い部分なのか。
どこで旅を始めるのか、旅を終えるのか。
人生と同じでまだまだわからない事だらけですが主人公の旅の終わりまでお付き合い頂けたら幸いです。