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その日、仕事でクタクタになり、帰宅した僕は、そのまま自分の部屋に行き、ベッドに横たわると部屋の灯りを消した。
部屋は、真っ暗。耳から聞こえるのは、時おり聞こえる外からの車が走っている音だけ。
目を閉じていた僕は、兄との、いつぞやの会話を思い出していた。
「俺も、お前も『センター試験世代』だ。
父さん母さんの時は、『共通一次試験』というものだったらしいが、俺の認識では、センター試験と共通一次試験は意味合いが、ほぼ同じものだと思っている。
センター試験の解答方式は、マークシートで四択なんだ。
Aという人がいる。
Aは、国語、数学、理科、社会、英語を、学習するということを、ほぼ、したことがない人だ。
それでも、センター試験を受けた。
鉛筆を振って、マークシートを全て埋めたんだ。
結果、それなりにトータルして点数をとれた。
センター試験世代では、国公立受験においてセンター試験の点数がベースとして生かされ、さらに前期試験、後期試験というのがある。
仮に、ある大学の、ある学部が、前期、後期試験とも数学の試験だったとする。
Aは、そこを受けたが、解答用紙に何も書けなかった」
「マークシートではない、解答方式だったからでしょ?」
「その通りだ!
さすが、我が弟!!」
「……兄ちゃん、何が、いいたいの?」
「え?
いや、あの、あのだな……
つまるところ、その大学は、Aのような人を認めないってことさ。
Aのような人には、入学してもらいたくないのさ♪
…っていう話にしておいてくれ(^^;)」




