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第36.5話:溝と湧き水

 さあ、今日も新しい一日の始まりです。最近は気持ちの良い朝が続いて、気分は一層晴れやかです。

 私は今から朝食の準備をします。作るものは、卵焼きです。卵をふんだんに使う贅沢な料理ですが、私にとっては特別な料理の一つなので贅沢だとかは気にしません。


「ふぁ~あ。ミサさん、おはようございます」

「あら、カイリさん。おはようございます!」


 料理の香りに釣られてきたのか、寝ぼけ眼で欠伸をしながら姿を見せたのはかわいらしい女の子。でも、実はその中身は空間魔法の奥義『異世界転身魔法』で地球という異世界からやってきたカイリさんという男の子です。

 魔物と周辺国に脅かされているこの国『ネストール』の国力増強のための一大事業として使われた異世界転身魔法には、まだ解明されていないことが多くかなりの危険が伴います。地球からこちらに来る方は突然地球での生活を奪われるわけですから、こちらの都合で勝手に意識を入れ替えられたと知ればすぐさま怒りで暴れだしても何ら不思議ではありません。目覚めた直後の転身者への状況説明を私がやることになったときは正直不安でいっぱいでした。

 でも、カイリさんは怒る様子もなく話を聞き入れてくれて、ルティアちゃんの体も大切に扱ってくれています。

 そして私が思わずコマリお姉ちゃんのことについて口から零してしまった時には、私たち姉妹とルティアちゃんのことを一生懸命に考えて行動してくれました。その姿から私は一歩踏み出しお姉ちゃんと向き合って話す勇気をもらい、問題を解決することができました。

 それにしても、料理でお姉ちゃんの心に入り込むための隙を作るなんて、カイリさんはすごいです。その時にカイリさんに教えてもらったこの卵焼きという料理、やっぱり特別です。


「あ、今日の朝ご飯は卵焼きなんですね。作り慣れていないはずなのに綺麗に作れていて、流石はミサさんって感じです」

「本当ですか?卵焼きは大好きなのでそう言ってもらえると嬉しいです!もうすぐに食べられるので、部屋で魔法を使って周囲の安全確認をしているお姉ちゃんを呼んできてもらえますか?」

「分かりました、行ってきますね!」


 そんなやり取りを経て、私とお姉ちゃんとカイリさんの3人での朝食が始まりました。

 パンと卵焼きと燻製肉と新鮮なトマト、これが今日のメニューです。


「ミサが用意した朝食はやはり今日もおいしいな!」

「そうですね。俺はこのトマトが特に好きです。ミサさんの水魔法で作った水で洗われているからか、鮮度が増して瑞々しくなっている気がします」


 二人は心からの笑顔で私のことを褒めてくれました。でも、おいしいのは私だけの力のお陰ではないんですよ。二人が私の世界に居て、私が動くための力を与えてくれるから私も頑張れるんです。

 行き場を無くして淀んでいた私の世界に流れを作った澄んだ水。それがこの世界の味わいを一番良くする特別な魔法だったんですよ、カイリさん♪。


読んで下さってありがとうございます。

活動報告で後書きしてます。


次回からルティアサイドになります。

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