第30話:未知の魔法 前半
王城門前に到着した。ミサさんが先に降りて門兵に声をかけると、先触れを出してあったのかすぐにマーク宰相が姿を見せた。
「ミサ殿、今日はカイリについての重大な報告があると聞いているが、詳しく聞かせてもらえるかな?」
「はい、それでは話しますね。ご存じの通りカイリさんは転身者で、カイリさん自身の適性武器があります。その適性武器なんですが、それがなんと鎌だったのです。そして、カイリさんのレベルはルティアちゃんと同じ13です。鎌適性者の過去の最高レベルは6なので、レベル13の鎌適性者は、前代未聞ですよね。だから、カイリさんが未知の魔法を習得している可能性は極めて高いと思われます」
そう、これが今日ここに俺を連れてきた理由と関係があることらしい。
補助魔法はレベルに応じて使える魔法の種類が増えていく。鎌以外の補助魔法を使える武器はすでに高レベルの者が何人も存在するのでどんな魔法が使えるか判明しているのだが、鎌に関しては武器も魔法もあまりにも戦いに向かなさすぎて、誰も魔物にやられる危険を冒してまでレベルを上げようとするものがいなかったのだ。だから今までは日常生活で魔法を使うだけで到達するレベル6が鎌適性者の最大レベルだった。しかし、そこに鎌適性を持ちながらもレベルが13だというイレギュラーな俺が現れた。そんな俺は国の将来を変えかねないとんでもない魔法を習得しているかもしれないのだ。
しかし、俺は何か特別な魔法を習得した覚えはない。何でも、魔法は習得した時にだけその発動のために必要な呪文が心に浮かび、その後は自分が何の魔法を使えるかは覚えておくしかなくなるらしい。
もし未知の魔法を覚えていたとして発動のための呪文が分からないのではどうしようもないんじゃないかと俺は思ったが、ミサさんによると一度習得した魔法を再確認できる裏技があるらしい。それで王城まできたわけだが・・・。
「なるほど、未知の魔法か、実に興味深い話だな。だから今日はサンにその魔法の確認を頼もうとして訪ねてきたのか。すぐに呼んでくるから二人は中庭で待っていてくれ」
「はい、お願いします!」
何やら勝手に話が進んでいる。マーク宰相は王城の中へと消え、俺はミサさんにくっついて王城の中庭へと移動することになった。
「ミサさん、俺の魔法の確認って、そのサンって人がやってくれるんですか?一体どんな人なんです?」
俺は気になって聞いてみるとミサさんは答えた。
「そういうことですねー。どんな人かと言われれば、カイリさんも知っている人ですね」
俺が知っている人?この王城で俺が知っている人と言えば、マーク宰相と、アゲーラ国王と、後は一人・・・。
予定通りの17時投稿にしました。一週間くらいは17時投稿にしようと思います。
王城での話は何故か話の切りどころが悪くなる気が。
でも、1話が長すぎるよりは短すぎる方が読みやすいと思うので分けます。




