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第29話:再度、王城へ

「ねえルティア、セバリ。今日の勝利と出会いの記念にどこかで遊んでいかない?」

模擬戦が終わり放課後となって帰る準備をしていると、ジュイが話しかけてきた。


「そうだね。僕、今日勝てたのが本当に嬉しいんだ。ジュイって怖そうなイメージがあったけど、すごく頼りになる人だって知れたし。後、ルティアが結構謎が多い部分があるから、そういうことについて話をできたらなと思うんだ」

 ああ、嬉しいな。セバリは昨日に比べてかなり俺に心を開いてくれたようだ。そして、放課後に友達と遊びに行くというイベントができるのも俺にとっては感動ものだ。是非ともその提案に乗りたかったのだが・・・


「あの、ごめんね。私、これから用事があるの」

なんて、まるで行きたくないような拒否の仕方をしてしまった。

俺はミサさんから今日の放課後に一緒に王城へ行くように言われている。何でも、早急に確認しなければいけないことがあるそうなのだ。


「あら、そうなの?連れないわね。私たちと過ごすより重要な用事なんて、一体何なのかしら」

そんな風にジュイにグチグチ言われながら校門までたどり着くと、


「あ、カイ・・・じゃなくてルティアちゃん、お疲れ様!」

ミサさんが待っていた。だから俺は、


「ミサさん、お待たせしました」

と、普通に会話をしていたのだが、


「ちょっと、ひょっとしてルティアって馬車で送り迎えしてもらってるの?この人はメイド?やっぱりルティアってとんでもないお嬢様なのね」

しまった、ジュイには勝手にお嬢様だって誤解されかけてるんだった。それでこんなの見たらもう確信レベルにまでなっちゃいそうだな。こうなったらもう、本当にお嬢様設定で行くか?でも、ミサさんがメイドだっていうのはやめといた方がいいな。だってこの人貴族のご令嬢だし、俺にとってはなんというか、優しい姉みたいな感じがするし。


「べ、別に今日がたまたま用事の都合で馬車を用意してもらっただけで、いつもこうなワケじゃないわ。ミサさんはメイドさんじゃなくてお姉ちゃんみたいな感じっていうか・・・」

とまあごまかしてみたのだが、


「ルティア、あんたまた曖昧な物言いしてるわね。まあいいわ、今は秘密多きお嬢様って考えとくから、また今度暇なときに話を聴かせてちょうだいね」

 ごまかしがバレバレだった。


「ルティアちゃんのお友達さんたちですね?ふふっ、ルティアちゃんはとっても良い子ですから、何も怪しむ必要なんかないんですよー」

ミサさんが余計に怪しまれそうなこと言っちゃってる。これはあまり長く話をさせてはいけなさそうだ。


「そ、そういうわけだから、今日は一緒に帰れなくてごめんね?その話はまた今度でお願い!」

俺はそう言って、ミサさんに早く馬車を出すように促してそそくさとその場を後にしたのだった。




馬車に乗ると、ミサさんが穏やかな表情で話しかけてきた。


「ちょうど二人きりで話ができる時間が欲しかったので、良かったです」

え、なんだその意味深な発言。二人きりで話がしたいとか言われると、何か甘い雰囲気を感じずにはいられない。


「え、と。私もミサさんと二人で話せるのが嬉しいですよ」

こういう時になんて返せばいいかなんてノウハウはない。何といっても俺は童貞なのだから。もっと気の利いた返しができたんじゃ、と後悔してしまう。

そんな俺を見てミサさんは微笑むと、


「私、お姉ちゃんのことでずっと悩み続けるんじゃないかと思ってました。でも昨日、カイリさんがお姉ちゃんにルティアちゃんの記憶のことを話してくれて、私も一歩踏み出す勇気が出たんです。お陰でお姉ちゃんとも分かり合えて。だから、そのお礼を言う機会がすぐに来て良かったです。カイリさん、ありがとうございました!」

そういって俺に軽く頭を下げた。

ああ、そのことだったか。そりゃ、まだ出会って数日の俺たちに良い雰囲気も何もあるわけないよな。期待するのも無謀な話だ。


「その話でしたか。確かに俺は話す切っ掛けは作りましたけど、コマリさんは信じようとしてくれませんでしたし、上手くいったのはその後のミサさんの力が大きかったと思いますよ。それに感謝したいのは私、元の世界では周りとの人間関係が全然上手くいってなくて、でも、この世界に来て何だか少しずつ変われてる気がして・・・。それは、ミサさんが優しく接してくれたからだと思うんです。私、この世界に来て初めて出会った人がミサさんで本当に良かったと思ってるんですよ」

何も期待することはないと気付いて逆に落ち着けた俺は、この世界に来てからのミサさんとのことを思い返しながらそう言った。


「ふふっ、カイリさんって、素敵な人ですね」

そんなことを言って俺のことを見つめるミサさん。やばい、ミサさんに恋愛的な意図はないと分かっていても、この二人きりの空間で見つめられると俺の心臓が持たない。

この話はもう十分だろうし、話題を変えよう。


「あ、あの、そういえばミサさん。今日は王城に行くって話ですけど、具体的な話は聞いていないですよね。一体、今日は何の用があって行くんですか?」

そう、今から俺は王城に行くんだから、間違ったことをしてしまわないように予定を知っておかなければならない。


「あ、そういえばまだ話していませんでしたね。今から、この国の未来に係わるかもしれない、重大な実験にカイリさんに協力してもらわなければいけないんです」

「え!?」

国の未来とかいうスケールの大きさに、俺はつい驚きを露にしてしまった。実験って一体何をするんだろう・・・?


読んで下さってありがとうございます。

他の時間帯での投稿をしてみたくなったので、明日から試しに投稿時間を17時台に変更します。

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