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第20話:騒ぎの後

ここからまたしばらく海入視点です。

 翌朝、俺が制服に着替えるなどの準備をしていると、部屋のドアがノックされた。


「コマリだ。入ってもいいか?」

 おお、コマリさんが俺の部屋を訪ねてくれるなんて。昨日はあの後うまく話はついたのだろうか。大丈夫だとは思うけど初めに付いた苦手意識のせいでちょっと怖い。


「大丈夫です、どうぞ」

 俺は少し緊張しつつも、コマリさんを部屋に招き入れる。

 コマリさんは今までとは違う穏やかな表情で、とても落ち着いた様子だ。


「その、色々とすまなかったな。この世界に来たばかりのお前を邪険に扱って、ルティアのことでもミサのことでもお前には迷惑をかけた。全て私の不甲斐なさのせいだ。お前の人柄も分かったし、今日からはお前のことをきちんと護衛対象として見るとしよう。せめてもの詫びだが、助けが必要なら何でも言ってくれ」

 やっぱりうまくいったみたいだね。今のコマリさんはクールな女戦士という感じで、ルティアと初対面のコマリさんと同じ雰囲気を感じる。


「まあ決め手を打ったのはミサさんですし、私としてもコマリさんと仲良くできそうで嬉しいので、お互いあまり今までのことは気にせず行きましょう。それよりも護衛対象って、これからはコマリさんが俺に付きっきりになるんですか?」

 コマリさんの強者オーラは異常だ。こんな人がいつも俺の隣に居たら、不要な注目を浴びることになりかねないので、心配になった。


「ああ、別に私はお前に付き従うつもりはない。あまり窮屈な思いをさせるわけにはいかないからな。お前の護衛には、私のこの剣の武器魔法を使う。この剣の魔法は私が指定した範囲内の生物の体の中の流れのようなものを読み取るものでな、この家に居ながらでも王都内に居るお前の周囲の怪しい動きを感知できるんだ。お前に害をなす動きが見られる反応には、私が即座に雷撃を打ち込むこともできる。だから安心して暮らすがいい」

 何だそのチート魔法!?俺は戦闘機能付きドローンに常に護衛されている感じになるのか?コマリさんに出会ってからは一応これまでもこの魔法で護衛してくれていたらしいが、何も感じなかった。

 ちなみに武器魔法というのは、極まれに強力な武器に生まれる固有の魔法で、その武器を持っている時にだけ発動できる魔法のことだ。体の中の流れのようなものっていうのは、電気信号なのかな?雷属性である剣の武器魔法だから多分そういう感じだろう。それを読み取って動きが分かるって、剣の性能だけじゃなくてそれを扱うコマリさんの能力も半端じゃないな。


「そ、それはすごく心強いし配慮もありがたいです。でも、そんな魔法が使える武器って、かなり希少なんじゃないですか?そんな武器を持っているってすごいですねコマリさん」

「ああ、これは雷鳥の尖剣といって、私の家が代々受け継いでいる伝説の武器なんだ。

 何でもその昔、伝説の鍛冶師が取り分け時間と労力をかけて作った伝説の武器が各種武器ごとに一つずつあるらしいのだが、そのうちの剣がこれなんだ」


 うわ、来たな伝説の鍛冶師に伝説の武器。そういうロマンのある武器は嫌いじゃない。この国にはコマリさんのこの剣と、後は英雄ズークの棒の武器の存在だけが確認されていて、残りの伝説の武器のありかは分かっていないらしい。もしかしたら他国が持っているかもしれないし、どこかのダンジョンに眠っているのかもしれない。というか、そんなやばい武器を持ってるコマリさんって・・・。


「伝説っていうのにも興味がありますけど、それより・・・。もしかして、コマリさんってすごく身分が高い人なんですか?そんな武器を代々受け継ぐ家って絶対普通じゃないですよね」

 そう思わずにはいられない。でも、国の各地で戦ったり、孤児院で教師をやったりしてたんだし、俺の考えすぎかな?


「そうだな、公にはしたくないことだが、お前には話しておいてもいいだろう。私とミサはこの国の貴族、ダイハラ家の生まれだ。父はこの国随一の剣士として名を馳せ、戦争においてもこの国に多大な貢献をした。この国を守るために戦う父の姿は私の誇りで、その姿を追いかけて私も国民の安全を守ることに尽力しようと胸に近い今日まで生きてきたのだ。今では前線から退いた父からこの剣を受け継いで使っているというわけだ」

 誇らしげに語るコマリさん。ああやっぱり俺の予感当たってたのか。

 貴族なのに生きざまが自由すぎるだろうと突っ込みたいが、家が許しているのなら何も問題はないのか。

 しかし、ミサさんも貴族の令嬢ってことになるよな。俺、普通にミサさんに料理を作ってもらったり雑用を頼んだりしてたけど、もしこれが公にバレたりしたら問題になるかもしれない。これからはできるだけ自分で色々できるように、食材の入手方法とかを早いところ学んでおかなければいけないな。

 俺は朝からとんでもない情報をコマリさんから知らされ、これからの立ち回り方に頭を悩ませながら学校へと通うことになるのだった。


読んで下さってありがとうございます。

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