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side.L 第11話:高校で授業を受けるわ

 地球に来て3日目になった。今日から高校での授業が始まるわ。海入は5歳も年上だけれど、この高校自体は日本の中ではそんなに高いレベルではないみたい。ネストールの王立孤児院での英才教育を受けてきた私なら何とかなるはず。そう思っていたのだけれど・・・。

 始まった授業。一限目の国語は文字さえ読めれば大丈夫で難なくこなせた。2限目の世界史の授業はこの世界のことを知れて面白かったわ。必要なのは内容を覚えることだけだから、海入の記憶と合わせれば何の問題もないわね。3限目は英語で、これはイクシム様が行った国の言葉で少しだけだけど予備知識があるし、これも海入の記憶を使えば何とかなりそうね。

 ここまでは順調だったのだけれど・・・。4限目に受けた数学、これが問題だわ。この教科は性質上、記憶力だけでは突破できない。それはまだいいとして、一番問題なのは実用性が皆無な内容が多いところよ。今習った三角関数なんて、何に使うのか全く分からないわ。それで気になって教科書の他のページも見てみたんだけれど、指数対数とか、微分積分とか、そんな計算をして一体何になるのか分からないものがたくさん載っていたわ。高校の勉強は文系と理系に分かれていて、海入は文系で数学の重要度はあまり高くないのにそれでもこんな内容を勉強しなくちゃいけないなんて・・・。

 リノスでは足し算、引き算、掛け算、割り算ができれば生活する上で困ることはないし、時間に余裕がない私には他にもっと学ぶべきことがあるはずだわ。そう思うと余計に苛立って、内容が頭に入ってこなかった。こんな教科でも勉強をしないと来年の受験っていう学業での戦争で生き残れないというのに・・・。


「どうしたの、海入君?何だか疲れたような顔してるけど、今の授業がそんなに難しかった?」

 授業が終わった後、私が思い悩んでいると後ろから姫子が話しかけてきた。姫子は私のことを気にかけてくれているけれど、姫子の方が暗い顔をしているような気がするわ。


「ちょっと数学に慣れることができる気がしなくて・・・。それよりも姫子、今日は朝から気分が悪そうに見えるけど、大丈夫?体調が良くないなら保健室に行った方がいいんじゃないか?」

「あ、えっと、体調は大丈夫なんだけど・・・。私、昨日海入君と別れた後、神楽と話したの。海入君が言った通り、神楽の方も私と話したがっていると願ってたんだけど、神楽はやっぱり様子が変で、私ともそんなに話したいようには思えなかったの。それでちょっと悲しい気持ちになってただけだから」


 もう話したなんて早いわね。でも駄目だったなんて、世の中上手くいかないものね。


「ああ、もう話したんだ。でも、上手くいかなかったんだな・・・。無責任なこと言って期待させてごめん」

「ううん、話をしたいと思っていたのは私だし、きっかけをくれた海入君には感謝してるの。それに、一つ気になることもできたし。何故かは分からないけど、神楽は海入君に興味が湧いたと言っていたの。だから、海入君が神楽と会ってくれたら何か変わるかもしれないと思って」


 え?一体どういうこと?彼女と海入には接点なんて何もなかったのに。


「宇水さんが俺に?俺、宇水さんとは話したこともないから何を思われてるのか見当もつかないんだけど」

「そうだよね。神楽が何を考えているかは私も分からなかった。だから、一度神楽に会ってくれないかな?一応勉強会って形にして。神楽は勉強もできるから、数学で分からないところとかを教えてもらえるかもしれないよ」


 なるほど、数学の考え方を教えてもらえるのは悪くない話ね。


「確かに教えてもらえるのはありがたいし、勉強会っていうのは良いと思う。それに、姫子の頼みなら受け入れるしかないな」

「う、うん、ありがとう。予定が大丈夫そうなら明日にでも集まるように神楽にも話を通しておくね」


 少し顔を赤らめて姫子はそう言った。良くなかった顔色が回復したみたいで安心だわ。

 私の数学を受け入れられない問題も解決するかもしれないし、良い感じに話が纏まったわね。


三角関数、使い道が謎で何でこんなの勉強しなくちゃいけないんだと思っていましたが、調べてみるとプログラミングで使うみたいですね。ちゃんと勉強しておけば将来の選択肢次第では少し楽ができると思うと学習意欲も増すと思うので、学校で用途を教えてもらえないのがもったいないなと感じました。


次回から海入視点です。

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