第3話:王城にて その1
王城に着いた。ミサさんとともに馬車を降りることとなり、外の景色を眺めることができた。
眼前には非常に頑丈そうな大門、そしてその奥にそびえる荘厳な白亜の城。東京ドームも真っ青な敷地面積に、高層ビルかと思えるような高さのある塔が4本。結界なのか、この敷地と高い塔すらもすっぽりと収まるように半透明の膜が覆っている。
異世界で初めて見る外の景色がこのファンタジー感溢れる巨大な城だったのは眼福、もはやお腹いっぱいと言えよう。
そんな風に俺が異世界感に浸っていると、門が開いて何やら偉そうな人物が姿を現し、ミサさんと話し始めた。
「ミサ殿、よくぞ参った。此度の転身の儀の行方を見守る役目、無事に果たしてくれたようだな。2度目の失敗があり転身の儀の是非が問われている中で上手くやったな。まだ安心は出来ぬがひとまずは成功と見て良いだろう」
そうか、まだ3回しか使われていない魔法で一度は成功、もう一度は失敗だから3回目がどうなるかはかなり怪しいところだったんだな。2度目はこっちに来た人が死んじゃったって話だったけど、一体何があったんだろう?王様の前で暴れて殺さざるを得なくなったとか?うん、そこは大丈夫。身分制度とかは詳しくないけどさすがに俺は王様相手に歯向かうような真似はしない。
「マーク宰相、今回こちらに来られたカイリさんは、すぐに会話ができるほど安定してますし、精神面でも問題はありませんでした。今のところは大成功と見ても良いですよ!」
そう話すミサさん。まあ俺は普段から異世界とかあったら行ってみたいなーとか思ってたクチだし、入れ替わりでルティアが元の世界の俺の体を使ってくれてるわけで行方不明による捜索が行われているということもないだろうから、すごく気楽なんだよね。
俺の体を女の子が使ってると考えると気恥ずかしい気はするけど。
「ほう、そなたが此度の儀で訪れた者だな。私はこの国の宰相を務めるマークだ。異世界の知識、私も大いに興味があるが今は王への謁見が優先だ。すぐに謁見式が始まるから私に着いてきなさい」
そう言うとマーク宰相は再び門を開き中へと入っていった。威厳たっぷりの城に入るのは足がすくむ思いだったが、続いて入っていったミサさんに「行きましょう?」と言われ、何とか続いて入るだけの勇気を得ることができたのだった。
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