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第15話:ミサの胸中 その2

 今まで見たことがない辛そうな顔をするミサさんをみて、俺は驚いた。今の流れの中にミサさんがコマリさんに申し訳なく思う点などなかったはずだが、その様子はどうみてもいつものミサさんとは違うものだった。


「どうしたんです?ミサさん。最後コマリさんを怒らせたのは私ですし、別にミサさんがコマリさんに謝るようなことは何もなかったはずですが」

 俺は自分の疑問をそのままぶつけた。


「いえ、今のこととは関係がないことで、私はお姉ちゃんに酷いことを・・・。でも、このことは私自身の問題なので、気にしないでください」

 辛そうにしつつも、ミサさんはそう言って大したことじゃないと俺に伝えたいのか、最後に口元だけ笑みを浮かべた。

 一体二人の間に何があったのだろう?分からないけどこの感じ、ルティアのことが関わっている可能性が高い。もしそうなら俺も無関係な話ではないはずだ。力になれるかは分からないけど、ここまで辛そうにするミサさんを俺は見ていられない。


「あの、もし良ければ私に話を聞かせてくれませんか?対して力になれないかもしれませんけど、話すだけでもきっと楽になるはずです。それに、その問題ってルティアが関わってますよね?だったらきっと私にしか分からないことがあると思うんです」

「そうは言っても、これは私の責任・・・。ああでも、ルティアちゃんのことを一番よく知っているカイリさんには聞いておいてほしいことで、聞いてもらわなければいけないことなのかもしれません。少しだけ、今回の転身にまつわる私たち姉妹の話を聞いてもらえますか?」


 ミサさんは話す気になってくれたようだ。俺が聞くのは当然、首を振って頷くと、ミサさんは真剣な顔では話し始めた。


「それでは、私の姉、コマリお姉ちゃんについての話です。お姉ちゃんは、8年前に学園を卒業すると、すぐに国を守る戦士になりました。貧しくて子供が多いような地域に率先して赴き、魔物や盗賊を倒し、多くの見返りを求めない。まさしく子供たちの英雄といえる活躍ぶりでした。そして3年間この国の各地で活躍したお姉ちゃんは首都ネストへと帰ってきて、『孤児院で働きたい』と言い出したのです。その時に王立孤児院を紹介されたお姉ちゃんは、王立孤児院の優れた環境を見て、国中の孤児院にこの環境を用意できないかと考えました。それからお姉ちゃんは王立孤児院で教師をしながら、どうすれば国中でこの環境を用意することができるかを模索するようになりました」

 今のコマリさんの姿からは想像もできない、聖人のような活躍だな。


「そんなに立派な方なんですね、コマリさんって」

 話ながら昔を懐かしむような穏やかな表情になったミサさんを見て、俺はミサさんがコマリさんを本当によく慕ってるんだな、と感じた。


「はい、そうなんです。そんなお姉ちゃんだから私はいつも応援してて、助けになることは何でもしたいと思っているんです。でも、お姉ちゃんは3年前にルティアちゃんと出会ってから、少しずつ変わり始めたんです。いつも院の子供たちには皆平等に優しくして、平等に学べるように常に心を配っていました。それが、ルティアちゃんと接するようになってからは徐々にルティアちゃんだけを特別扱いするようになっていって・・・。そのことについては、ルティアちゃんの記憶があるカイリさんの方がよく分かると思います」

 あー、まだその辺の全部の記憶を細かく認識してるわけじゃないんだよね。人の12年間分の記憶と思考を追うのはかなり大変なことなのだ。これからはルティアとコマリさんの関りを思い出しながら話を聞いていこう。


読んで下さってありがとうございます。

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