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悪役令嬢は和食をご所望です  作者: 朝日奈 侑
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破滅回避について考えてみます

 まず和食・・・じゃなくて破滅回避について考えよう。


 『悪役令嬢に転生したけれど、わたしはげんきです』は十歳の誕生日に前世を思い出した公爵家令嬢クロエがその半年前に婚約したダイアモンド国第一王子エリク・ダイアモンドからの婚約破棄で破滅しないように『エリク殿下と婚約なんて恐れ多い・・・アミル様の方がお似合いですよー』スタンスで接し続けるも、前世由来の庶民的な性格で周囲を魅了し、結局エリクのことを好きになって両想いとなり破滅回避するという物語である。途中アミルを平民だといじめるところを止められたり、義兄リムを取られたくないあまりクロエを貶めようとして返り討ちに合ったりするのが私、シトラスだ。


 たしかに前世の記憶を思い出すまでの私は『ワガママ』『気分屋』『傲慢』がデフォルトなブラコン令嬢で、義兄であるリムのことを愛してやまず追いかけまわしていた。前世二十四年分の庶民的な記憶と感性がカスタマイズされるとそれまでの自分の愚行が恥ずかしいやら何やらで『穴があったら入るから埋めてほしい』状態だった。


 ちなみに前世を思い出したきっかけはお父様がお土産でもらってきた東方の国の御伽噺を読んで『おにぎり』という単語を見たことだった。『懐かしい!食べたい!』と思った瞬間脳内を様々な映像が駆け巡り、それが前世の記憶であると認識した。

 そして前世と現在とを比べたところ、ここが『悪役令嬢に転生したけれど、わたしはげんきです』の世界に酷似していることに気がついたのだ。

 きっかけが『おにぎり』なんて食い意地張りすぎって?そんなの今更です。


 さてさて、肝心の破滅回避方法ですが。

 とりあえず思い出せる範囲だと、悪役令嬢らしくワガママで傲慢な性格の私が平民のアミルをいじめて、好きで好きでたまらない義兄リムをクロエに渡したくないと躍起になるのが破滅の原因だ。


 ・・・それなら回避方法はいたってシンプルじゃない?


 アミルをいじめず、義兄リムのためにクロエと戦おうとしないこと。


 それだけじゃない?


 あまりにも簡単な結論に拍子抜けしたけれど、私は少しホッとした。

 ストーリー補正が働くかもしれないけど、基本的に『無害なモブに徹すること』で破滅は回避できそうだ。いつストーリー補正が働くかわからないから状況把握は都度都度しっかりしていくとして、精神年齢七歳プラス二十四歳の日本庶民な心の私はアミルをいじめるなんて気は微塵もおきないし、義兄リムに熱を上げることもないから問題ない。事実、リムに関しては前世を思い出してからというものなぜあんなにリムに夢中だったのかわからないほどだ。


 いや、リムは良い男だと思うよ?柔らかい栗色の髪に爽やかなライムグリーンの瞳が印象的な甘く整った顔立ちで、私と同じ歳とは思えないほど大人びた大らかさを持っている。あ、言い忘れていたけど、リムは誕生日が私より早いだけで歳は同じなんです。


 ちなみにゲームのリムルートでは学園でアミルがリムの大事にしている高価な懐中時計を壊してしまい、弁償を申し出るアミルに最初は遠慮するリムだが、あまりにも申し訳なさそうにしているアミルの気持ちを汲むためルベライト家でのお手伝いを提案。ルベライト家に通うようになったアミルとリムは次第に惹かれあい、それを各々邪魔するのがクロエとシトラスらしい。

 小説ではアミルと出会う前にリムはクロエと国立図書館で出会い、その飾らない人柄に魅了されるのだ。もちろんシトラスがお邪魔をさせていただくわけですけれども。


 少し話は逸れたけど、要するにリムは攻略対象らしいハイスペックイケメンの一人だということです。

 でも今の私にとってはただの可愛らしい少年であり、義兄でしかない。ルベライト家に養子にきたので血の繋がりはないから恋愛してもぎりぎり問題ないのかもしれないけど、アラサー女子が七歳少年に恋。うん、犯罪。


 そういえば攻略対象の話が出たのでついでに全員分思い出してみようかな。


 乙女ゲーム『ラブ・ジュエリー~この恋は永遠に輝く~』の攻略対象は全部で五人。

エリク・ダイアモンド。ダイアモンド国の第一王子。

リム・ルベライト。ルベライト公爵家長男でシトラスの義兄。

ステュアート・ベリル。ダイアモンド国騎士団所属でエリクの専属護衛。

ライセ・スピネル。ダイアモンド国宰相の息子。

ケント・エメラルド。隣国エメラルドの王子でダイアモンド国に留学。


 こんな感じ。

 せっかくだからもう少し詳しく書き起こしてみよう。

 何か破滅フラグ回避のヒントがあるかもしれない。

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