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第9章:進入

 

 スウウウウ、ハアアアアア

 うん、空気がおいしいいいいい~~


【《自派武術》:4になりました】


 ハアアア、やっぱり外はいいな~~、

 『集中して練習しろ、元オレ』


俺は今、洞窟の外で翼剣(よっけん)を使って、剣術を練習している。

...少なくても最初はそういうつもりだった。


《剣術》のスキルを取得したら《爪術》と一緒に《自派武術》に複合された。


犯人は


 『いや、複合したって消えた訳じゃないし、そもそも、こういうスキルはお前が出来たからスキルになるってんだ。だからお前が使い方を覚える限り、無くなることはないさ。』


そう、コイツです。勝手に複合した。

まぁ、偽オレの言う通りだ、俺がやりたいなら爪術も使えるし、別にいいじゃ。


ヴウウウウ~~

サアアア~~


前生、“武術”も“舞”の一つと俺は聞いたことある。

中国の剣術、いや、剣法と言ったほうが正しいかな、は舞に見えるが、他にはあまり感じてなかったが、

今実際に自分の体を動かしてやると、あの発言は合ってるかもしれないと俺は思う。


音楽の種類のように、色々あるから、優しいもの、激しいもの、強いもの、早いもの、硬いもの、柔らかいもの、...

武術、剣術も同じ、日本の剣道、合気道、空手、柔術、中国の剣法と拳法、モエタイ、ロシアのサンボ、インディアンの武術、...さまざまな国の武術、


 『な~元オレ』

 ん?なんだい?

 『いい加減バカな事を考えないで、集中して練習しろ!』

 ...はい、

 『それと、手の動きもちゃんと注意しろ、力ももっと入れて振ってろ。ったく、基本的の殴り方も、逆手剣の振り方もきちんと出来ないとは、無能でもほどある!』

 .........

 ......はい、すみませんでした。


...俺、結構いい出来だと思ったが...


ーーーーーーーー

ーーーー


という訳で、俺は練習し続けている。

身体強化は使用禁止、

理由はとても簡単


 『《身体強化》を使ったら、体が成長しないから禁止!』


分析によると、

体を成長させるためには、体を一番早く成長させるには、体が耐えられる限界まで、あるいはそれを超えるほど激しく訓練しないとだめらしい。

だが《身体強化》を使うと、筋肉が丈夫に成るため、耐えられる限界も大きく上げるため、肉体訓練も難しくなる。


 『とはいえ、《身体強化》を使って訓練することもやらないといけないからな、

 でないと、実戦のとき、慣れたい戦い方をしたらやばいからな』

 

と、いうことです。

まぁ、今は武術を練習しながら、身体ではなく、五感を強化している。


 目を強化すると、物をはっきり見えたり、遠く見えるようになる。

 耳を強化すると、普通は聞こえないほど小さい音も聞こえるようになる。

 鼻を強化すると、空間に漂っている鼻の香り、木々の香り、土の香りも匂えるようになる。

 舌を強化すると、うん、ごめん、思い出したくないので聞かないでくれ!俺は食べ物にはそんなに厳しくないが、やっぱり虫の足はないわ!

 触覚を強化すると、物を触る感じがよりはっきりになる。つるつるか、ラフラフか、


面白いことに、五感を同時に強化すると、反射速度が上がる。直感のようなものらしい。

これもまた《身体強化》と違って《五感強化》というスキルとして取得した。


ただ、一緒に使うと体と精神に圧力が激しくて、長く使えない。


まぁ、そのため、今体をトレーニングしているけど。


俺は鼻を強化して、空気に漂っている草の花の匂いを感じながら、練習している。

だって、洞窟の中には土の臭いばかりだし、時々ワームの臭いも臭ったもん!

だからせっかく外に出る今は沢山このいい匂いを匂わないと勿体無いもん!


 『元オレ、その言い方、変態だと誤解されるよ』

 ...いやああ~空気が美味しいな~

 『ごまかした!』

 うん、なんかヘンな音が聞こえたような気がするが、無視ムシ!

 『無視された!』


俺は騒いでいる虫『虫じゃねぇ』をほっといて、周囲の匂いを楽しむ。

木々の匂い、草の匂い、

うん、いい感じ、


遠いところに、風に乗って漂ってきた森の花の匂い、甘い果物の匂い、そしてワームの血のような匂い。


 ......は?血の匂い?

 『あぁ、間違いない、これは血の匂いだ』

 どこから?

 『風の方向によると、森の方だな』

 モンスターの血か?だが戦いの音が聞こえないな。


俺はさらに魔力を入れて、耳を強化する。

目を閉じて、すべての感覚を耳に集中する。

 

 「ウワアア~~~」


 おい、偽オレ!

 『泣き声だな、それ。魔物の戦いではないようだな、戦闘の音が聞こえないから』

 見に行くか?

 『いいのか?これもまた【絶対の死への運命】と【魔運】のフラグだろう、死ぬかもしれないよ』

 うぐっ、やっぱ止めるか?

 『......』

 ...ちょっと見るだけなら大丈夫だな。

 『まぁ、いいっか、戦闘になるのもいい経験になるかもね』

 いや、お前が反対しないと、なんか怖い気持ちがする。

 『とはいえ、【永遠の牢獄】の周囲内でないと、何も出来ないからな』

 だよね~


それで、俺は森の方向に向けて、出来るかぎり静かに走る。


【《忍び足》:1を取得しました】


おぉ、助かった、ちょうどいいタイムだ。

俺は取得したばかり《忍び足》を使って、血の臭いがする方向へ進む。


そこで、発見したのは隠れ洞窟の入り口だった。

普通ざっと見たら発見出来ないでしょう、今度も鼻を強化しないと血の臭いも臭えなかったんだ。

めっちゃ怪しい!!


 どう?入るか?

 『迂闊すぎるよお前。周囲を確認してからだ。』

 了解、《空間感知》発動!


《空間感知》

   自分の一定の周囲内を認識出来る。


簡単な説明だけど、使うと、俺の周りをなんとなく分かるようになっている。

 

 『レベルを上げれば、もっとはっきり感知出来るさ。』


このスキルを取得したのは洞窟から出て、目を閉じて、周囲を楽しんだら突然取得出来た。

訳分かんねぇ


まぁいいっか、悪いことじゃないし。


洞窟の前と周囲は誰もいないが、洞窟の中は何人かいるらしい。 


 『なぁ、元オレ、お前って人を殺せるのか?』

 さぁな、ただ、一つだけは分かっている。


 この世界に来た今、ワイバーンになった今、いつか人と殺し合いになるのは分かっている。

 少なくても精神的の準備はまぁ、出来たと思う。

 

とは言え、転生してからまだ5日しかないさ。

 

 『準備出来たなら行こうか。いつかやらなきゃならないことだし、今回も練習としてもいいだろう』


いや、人殺しって練習と言わないでよ、怖いよ、


 『それと、人は魔物と違う、意識、知識があるから、油断出来ない。《空間食い》は緊急時以外で使わないようにして、他は自由に使っていいさ』

 了解。


《身体強化》、《思考加速》、《意識連結》

 

 ...今更なんだけど、スキル少なすぎない?

 『ほとんどはパッシブスキルだからな、』


まぁ、今はほっといて、

俺は《忍び足》で、洞窟の入り口に赴く。


 ん?あれは?

 『罠だな、』


【《罠感知》:1を取得しました】


遅い!もう発見しちゃったんじゃ!


 解除出来るか?

 『これは簡単な罠さ、攻撃する罠じゃなく、警告するための罠だな。踏まないなら問題ないさ。あっちに足を置いて...、そっちに...、後はあっち...』

 

俺は超天才(偽オレ)の指示で洞窟に辿り着いた。

《空間感知》で、入り口の近くに、二人がいる、一人は酒を飲んでいる、もう一人は寝ているみたい。

俺は静かに、ゆっくり入り口に、ばれない様に、...


【《気配遮断》:1を取得しました】


...いや、ちょうどいいタイムだな、今度は。

さっそく《気配遮断》を発動して、入り口のすぐ傍に隠れる。


 『準備オッケ?』

 オッケ!

 『練習の様にな、参...、弐...、壱...、ゴー!』


俺は《忍び足》と《気配遮断》を発動しながら、全速度で洞窟に入る。

酒を飲んでいるヤツの頭に向けて、《土魔法》の小さい《石弾》を打つ。

同時に、寝ているヤツに向けて《力走》を発動して、爪を強化して、ヤツの首に向けて、刺す。

空手の“貫き手”の技だ。


ブッ


酒を飲んでいるヤツの額に小さな穴が開いて、そこから血が流れ出した。

顔には驚いているか、怖がっているが、俺はよく分からないが、そのままで死んだ、

音一つなく倒れた。


グサッ


寝ているヤツが目をバッと開けて、口を開けて、何を言いたかったか、叫びたかったか、分からないが、声はもう発せられない、首が壊れたからだ。


【《狙撃》:1を取得しました】

【《力走》:7になりました】

【《自派武術》:5になりました】


 いや、狙撃じゃないし、

 『《空間感知》で狙ったからではないかな』

 それでもいいのかよ。


それにしても、何も感じてないな、いや、何もじゃなくて、ただそこまで気持ち悪いとか、恐怖とかは感じてないな、人殺しは。

 『そうか、今更なんだけど、やはりお前はもう人間じゃなくて、魔物になったんだな』

 

 転生して、魔物になったから、認識も魔物のものだからか、

 『あるいは裏切られ、もうすでに壊れたのかな』

 それとも俺は、元々そういう人格だったのか?人殺しても何も感じてない殺人狂の才能とかあったのかな、

 『そうかもしれないな、まぁ、どっちにせよ、途中で“いやぁ、人殺しなんて怖い”とか言って、逃げたりは心配しなくても済むだな』

 なんだよ、俺ってそんなに情けないのかよ。

 『いいえ、そんあにじゃないよ』

 当たり前だ

 『それ以上なんだけどね』

 ...喧嘩売ってんだなお前、喧嘩売ってんだなあ!

 『ちょっ、危ない!』


ガラン!


カンカンカンカンカン


は?

俺は今、死んださっきの二人の盗賊の死体の側に立っている。

そして、偽オレとのヤリトリで、うっかりその近くにある無害の様な岩に踏んだ。

そして今、洞窟内に鐘の音が響いている。

警告の鐘の音だ。

って事は...


【《罠感知》:2になりました】


遅いよお前!

くそが~!これもまた【魔運】と【絶対の死への運命】のおかげかああああ!!!!


 『たぶん、だから油断するなって言ったのに』

 俺のせいじゃないいいいいい!!呪のせいだああああ!!

 


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