第7章
【《気絶耐性》:6になりました】
うっ、はぁ、はぁ、
俺、どのぐらい気絶した?
『3分ぐらいかな、死に掛けたんだよ、元オレよ!』
偽オレか、何があった?
『ワームとの戦いが終わるところ、お前が調子に乗って、油断したんだな。そこでワームが土魔法を使って、土の槍を作り出して、お前と一緒に死ぬつもりだったらしい』
魔物もそんな自爆のことをするのか?
俺、そんなに憎まれてたのか?
俺が何をした?
ちょっとだけ鬼ごっこしたり、殴ったりだけで...いや、最後に仕舞おうとしたんだけど...
『いや、そういうことじゃない。あれは多分、【魔物の敵】と【絶対の死への運命】のせいだろう、あとは【魔運】も、かな。まぁ、お前が油断したのは大きいだな』
...油断してすみませんでした。
『お前って本当にすごいだな』
すごいってなにが?
『生まれて、1時間内で2回も死に掛けた!』
...偽オレ、お願い、あの3つの呪だけは早く解いてくれ!!
『掛けられた時からやっているさ』
そうか、すまん、たのむ!
『あ、まずはステータス確認だな』
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名前:
性別:♂
種族:ベービーリトルワイバーン(0歳)
LVL: 1
状態: 呪〈絶大〉、 怪我〈中〉
HP:34%
MP:27%
腕力:35
体力:52
防護:23
魔力:32
知恵:36
速度:56
ユニークスキル:
《超天才》 ★★★★★★★
《限界無き》 ★★★★★★★★
《取得経験値万倍増加》 ★★★★★★★
ゴッドスキル
《神食い》
究極スキル
《空間食い》 《天罰食い》
レジェンドスキル:
《呪食い》
エクストラスキル
《魔力食い》:6 《異空間の胃》:8
スキル
アクティブスキル
《魔力操作》:8 《身体強化》:8 《土食い》:3 《力走》:6 《集中》:2↑
《見切り》:1↑
パッシブスキル
《HP自動回復》:8↑ 《胃強化》:9 《MP自動回復》:6↑ 《身体操縦》:6↑
《体力自動回復》:5↑ 《回避》:5↑ 《自派武術》:2↑ 《爪術》:3 《尽力》:5
耐性スキル
《呪耐性》:12/10 《痛耐性》:9 《気絶耐性》:6↑ 《病気耐性》:7
《雷耐性》:5
魔法
《土魔法》:1
【呪】
〈省略〉
【称号】
転生者 神々に呪われるもの 真理の束縛を砕いたもの 死と遊ぶ者
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遊んでねぇ、死と遊ぶなんてしてねぇ!!
ステータスは結構延びたんだが、なんか、全然延びてないような気がする
『いや、結構延びたよ。【弱者の体質】に掛けられた前のステータスを見たからそう感じただけさ。』
そうか?そうに見えないけど。
『どうやら限界まで訓練して、死闘して、死に掛けた状態から回復したらステータスが大幅上昇するんだな、うん、いい勉強になりました』
死んじゃったら元も子もないけどねぇ~
まじで死に掛けるだけは勘弁してほしい、怖いし、痛い。
今でも体がめっちゃ痛い。
刺されたところはもう血が流れなかったし痛みも感じてない
これは《HP自動回復》と《痛耐性》のおかげだな
だが、あの瞬間、土の槍に刺され、死への恐怖を感じたあの瞬間
たぶん忘れることは無いだろう。
今でも体が震えている。
【《恐怖耐性》:1を取得しました】
いや、それじゃないけど~
『これはあれだな、願ったり叶ったりってもんか』
冗談のかよ!
『しかしな、天罰の時は怖くなかったが、なんで今更?』
そう聞かれてもなぁ、多分天罰の時はあんまり死を感じなかったから、かな。
『ただお前も結構運がいいだな。心臓と脳、大切な内臓はもうちょっとで刺されたところで、《空間食い》が発動したからな、さもないと、今のお前はもう死体になったんだ』
あぁ、危ないところだった、助かったよ、偽オレ!
さて、
俺は起き上がって、周囲を見回る。今いる所は新しい小さいクレーターの中だ。天罰のクレーターはちょっと離れたところにある。
ワームとの戦い(遊び)も、天罰のクレーターの周囲でやったから。
別にすごい力を使ったりはないから、周囲の破壊もないし。
一番ボロボロのは俺なんだろうね。
自分の体を見る。
体中は傷だらけだった。血は流れないけど、痛みもあんまり感じてない。
ただ、酷いのは翼だった
翼の肌部分は完全に破られ、ニョロニョロとボロボロになっている。
こりゃあ、もう飛ぶことは出来ないんだな。
ワイバーンである俺は翼を無くしてしまった。
飛べない飛竜って
飛びたかったのに!
『今のお前は翼が要らないんだな、それより、洞窟を作り続こう』
お前って、酷えぇな。翼が要らないなんて!
俺は自分の翼を見る。
翼としてはもう無理だが、手として使うのは問題ない。
なぁ、偽オレ、後で翼を治せるのか?
『治せるさ、《再生》は分からないが、進化するとき、体が再創造するから』
もう一つ、翼を使わないで、飛ぶ方法があるのか?
『在ると思う、魔法が存在するからな。飛ぶ魔法がないはずがない』
そうか、よっし。
俺は決心した。
ワイバーンの翼、蝙蝠の様な翼。
肩から肘上、肘、肘下、手首
だが、手の甲はない。
手首のところから3つの指が生える。
そして、手首の幅にまた、3つの長い骨が生えている。
この部分は蝙蝠と違う。蝙蝠はこの部分、人間の指の様に二つの関節がある。
ワイバーンは一つの骨で出来ているため、関節はない。
うん、多分蝙蝠には“指”だったが、この世界のワイバーンは“翼の骨”ってことだろう。
見た目は同じだが実際は違うだろうかな!
まぁ、そんなことはどうでもいい、
《空間食い》
俺は《空間食い》を発動する。
破れた翼の肌と翼の骨の中の方を食う。
一番の外の翼の骨を残す。
この骨を残すのは理由がある。
翼の骨の中でこの骨が一番長いし、一番丈夫で、一番動き易い骨である。
これを強化して、逆手で持つ剣の様に使うことは一番いいと俺は思う。
なんせ、3つの爪は使い易いだが短すぎるから。
この骨、いや、これから“翼剣”と呼ぼう。
この翼剣を使えば爪の短いの問題が解決できる。
『お前って時々、冷酷に見えるんだな。要らないものは切り捨てる』
それはない、お前が治せるって言ったから安心してやっただけだ。
それに、やらないといけないからな。【魔運】と【絶対の死への運命】がある限り、楽に生きることはできない。
ワームは弱かっただけだ。
これから、神々が送ってくるやつ等はそんなに甘くない。
だから、今だけは冷酷でもいい、
生き残るためなら。
『全霊全力で支えるさ、我が主よ!』
何だよ急に!ってか全霊全力ってなんだよ、全身全霊でしょう。
『体なんてないもん、オレが持っているのは“自我”と“スキルの力”だけさ。だから全霊全力』
新しい言葉を作るな!ってか今まで支えてなかったのかよ!
『いいえ、支えていますよ、気まぐれ半分で』
気まぐれ半分でやったのかよおおおおお~~~~
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