* ここまでのモロモロ(あとがき座談会、その他)
(後書きに代えまして)
(読まずとも本編、番外編には関係ありません)
(広いお心でお読みいただければと……)
■番外座談会2「その頃のおまえら」
列席者…D:直義、S:正季、R:師直
D>またこの面子かよ。
S>情報偏らないからでしょ? アンタ関東、俺西日本、執事殿は京で。
R>京は、色々ありましたぞ……。
S>執事殿がやつれているのは、めずらしいな。
D>女だろ?
S>女か。
R>違いますっ!女性は私の活力!どれだけ苦労しても、私の愛の泉は涸れることはありません!
D>少し枯れた方がいいと思うがな。
S>ははは(二人の字の違いには気づいているがただ笑う)。
R>政ですよ! まつりごと! 帝は次々無茶苦茶言うし、諌める人は追ん出るか、追ん出されるか。もー帝と寵妃と側近でやりたい放題で、ツケは我らに回ってくるという残念設計。
S>あー忙しかったろうね。大内裏造営の増税で、関所新しく作ったり、紙幣発行したり。
R>関所作って徴収して恨まれるのは我らで、上がりは全ぇーん部側近方が持って行かれましたね。
D>貨幣も新しく鋳造するって言ってなかったか?
※この時代流通してたのは、明の銅銭。
S>『乾坤通宝』だな。これ詔書は残ってるけど現物ないから、結局出せなかったんじゃないかって。
R>鋳造する金どこから持ってくるんですか!って問題です。
S>そうだね。金がないから『徳政令』なんてぼったくり命令出すくらいだから。
D>鎌倉幕府もやってたが、これはその幕府のやったことを全部無効とする命令……って訳分からん。素直に、勝ったから全部寄越せって言えばいいのにな。
S>後醍醐帝が即位してからの、幕府がやったことは全部偽命令だから返せ……ってすごい力技。
R>色々細かい取り決めもあるんですが、要は『幕府の出した恩賞(金、土地)は全部俺の物』ですな。
S>これのおかげで各地の反乱増える増える。ちなみに九州近くまで行きました。
D>俺も、何度か死にそうな目にあってる。
R>足利の場合、戦は基本、尊氏様主力ですからなあ。(どちらかといえば)頭脳派のご舎弟は、京にいてくれれば良かったんですよ。そうすれば私がどれだけ助かったか……。
S>町人受けもいいしね。あぁ『二条河原落書』が出たのもこの頃だね。
R>二条河原に立ってた落書ですな。あれ良く出来てましたね。
D>「このごろ都にはやるもの……」か。出来すぎてるな。漢書の影響あるし、和歌や謡の素地もある。書いたのはそれ相応の教養持ちで、間違っても町人じゃないぞ。(ちらっとSを睨む)
S>そうだね。(涼しい顔)
R>それだけ多くの階層の人に、恨まれた改革だったんですよ~。
D>あれ読むと、そうきっぱりと言えないが、揶揄するのに『建武の新政』が格好の対象なのは認める。
S>突っ込みどころ満載だからね。
R>公家の西園寺卿の謀反未遂などもありましたぞ。
D>建武政権からはじかれた公家だよな。よりによって北条の残党と組んだって、どうせならウチに話持って来れば良かったのにな。
R>尊氏様は、帝に心酔しているように見えましたので……。
D>『見えた』んだよな? 実際は、どうだったんだ? どこで寵妃と結びついたんだ?え?
R>む、むむむ結びつくなんて直截な……!
D>うるせーよ。そのあげく護良親王、鎌倉に寄越しやがって。
S>まあまあ、殿下は嵌められたんだろうけど、あんたの兄上を心底呪ってたのも間違いないからさ。
D>……ったく視野の狭い(舌打ち)。おまけに後世は、嵌めたのほとんど俺になってるし。
S>役割分担じゃないか? あんたのとこ『武辺の兄と陰謀家の弟』って図式で広まったから。
D>俺が鎌倉行ったのが12月。親王が逮捕されたのが翌年10月。1年近く前から罠はれるか?
S>あんまりその辺は考えないんだよ。それだけ策略に優れてるってことにしてさ。
D>まあ、親王閉じ込めた岩牢は、現代じゃ鎌倉見学コースの一部だし、実際手を下したのは俺だしなあ。
R>……戦の最中とのことで、証拠いただいてませんがね(びくびく)。
D>うるせーよ。
S>過去は、周辺事情から(妄想で)構築するしかないんだね、今も昔も。
D>常に勝者が歴史を書いてきた。それを考えれば、残ってる資料が正しい保証もないからな。
S>文献や映像すらある現代史でさえ、国によって別物になるしね。
D>……で、まだ妄想の種が尽きてないので番外編か。
S>本編以上に趣味に走るとのことだねぇ。
R>で、では、とうとう私めが主役に!?
D+S>それはない。
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登子と廉子をF女子として、乱入させようとしましたが、
「これ以上進むとBLになってしまいますわ!」
「よいではありませんか。この時代では平常運転…ほーほっほっ」
……収拾付かなくなるので断念。
(この時代平常運転なのは本当)
……ご意見ご感想、お待ちしております。