愛しくてヒヤシンス
あなたが好きです。
大好きです。
この気持ちがあなたに伝わらなくても
それでいいのです。
私は、恋愛劇の主人公にはなれないから。
だから、ただただ心から言うのです。
あなたが好きです、と。
窓際席の列から三番目。
眼鏡をかけた君を見付けてから私は幸せです。
あなたの指が、声が、目が、髪が揺れて動いて笑うたび私はその余韻に浸るのです。
その声で目で、あなたが私を好きだと言ってくれることは無いけれどそれでいいのです。
窓際席の列から四番目のこの席で
私は、今日も余韻に浸るのです。
大好きで大好きなあなたへ私から送る一方通行な告白メール。
あなたのすべてが私を狂わせるのです。
あなたのすべてが私を幸福にするのです。
あなたのすべてで私を見てください。
あなたに例え好きな人がいても私はいいのです。
伝えられないヒヤシンス。
紫色をあなたへと渡しましょう。
綺麗で可愛い彼女は、あなたの想い人。
薄桃色の頬が本当に愛らしいです。
あなたのその溶けるような笑みも想いからくるのでしょう。
私は、窓際席の列から四番目から口を噛むような思いをひた隠して目を閉じるのです。
あなたの想いを否定などしません。
私を見てくださいなんて言えないのだから。
あぁ、この熱く苦い気持ちを消してしまえたらいいのに。
涙が零れるように空から小雨が降ります。
あなたのすべてが好きです。
あなたの想いが欲しいのです。
涙が零れるほどに愛しいのです。
熱く苦々しいヒヤシンス。
赤色を地面へと棄てられない。
誰も私に期待してない運動であなたは友人と駆け回る。
楽しそうにきれいに笑いながら彼女へと手を振るのです。
きらきら光るあなたの笑みが心に刺さって痛くてたまりません。
木の下の木陰からジャージを握りしめて応援するのです。
誰にも聞こえない小さな声で言うのです。
あなたが頑張るのは彼女の為だろうから。
その声で目で笑みで彼女を愛するのでしょう。
大好きなあなたへの想いは白いヒヤシンス。
桃色の似合う彼女と幸せになって下さい。
きっとあなたは、私を見てくれない。
私の目は、きっとあなたと合わない。
さよなら、さよならって消えていく雪みたいに
溶けて混ざってわからなくなるの。
私の想いは、酷い台風みたいに雨を降らして晴れていくのだろう。
きっとずるずると引きずりながら痛みに慣れてゆくの。
さよなら、ばいばい。
私のヒヤシンス。
枯れることのないドライフラワーのように
青いヒヤシンスを飾りましょう。
さらさらと砂へと還るのはヒヤシンス。
私は恋愛劇の主人公にはなれないから。
主人公と結ばれる相手に密かな恋を持って
知られないように死んでゆくのです。
黄色いヒヤシンスは、咲かずに消えたけれど
あなたの中に咲いたならそれは彼女へと渡してね。
愛しくてヒヤシンス。
恋愛なんて叶わない相手にするものじゃないわね。
ヒヤシンスの花言葉
紫色 初恋のひたむきさ 悲哀
赤色 嫉妬
白色 あなたの為に祈ります(白は、西洋版の花言葉です)
桃色 しとやかなかわいらしさ
青色 変わらぬ愛 誠実さ
初恋系の話は何度でも書きたいです。
この悲しみも初々しさも愛しさも嫉妬も
初恋だからこそ愛しくて堪らない狂うような気持ちも。
悲恋も初心な付き合いも書きたいです。
あぁ、止まらないわ...妄想が←
ここまで読んで下さりありがとうございました。
次回でも会えることを願っています。