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☆最終章☆――十年後の僕たち――

 俺たちはいつの間にか気づけば大人になっていた。

 時が流れるのは非常に早く、それはお年寄りがよく口に言うように中学生時代が昨日のことのようだ。

 

 俺たちはいつも四人でいた。

 何をするのも一緒、どこにも行くのも一緒、それはよく言う親友というやつだ。

 俺はずっとこのまま四人でいると思っていた。

 だが、運命は残酷にも俺達を別々の高校に行かせた。


「うぉっ! 浅里っ! なぜここにっ!」


 十年後俺たちは母校の中学校で集合した。

 それは、打ち合わせや約束などしていなく、僕たちは黒い影に誘われてここまでやってきた。


 浅里とは八年ぶりくらいに顔を合わせたが、その顔は僕の知っている顔ではなくガリガリに痩せ細って青ざめた顔だった。


「……おう、白鳥。久しぶりだな」


 浅里は無理に笑顔を浮かべて言った。


「で、そっちにいるのは――石渡?」

「気づくの遅ぇーよ! だいぶ待っちゃったじゃねーか!」


 石渡は相変わらず、変わったところはなかった。

 だが、眼鏡をしていたので少し誰だかわからなかったのだ。


「おう、ちょっと高校で視力検査がな……」


 石渡はそこまで言うと言葉を濁らせた。たぶん、あの変な紙をもらって代わりに眼鏡が贈呈されたってところだろう。


「で、私の出番はまだかしら?」


 俺達が昔の思いで話をしていると、一人の金髪女性が声をかけてきた。


「あのぉ……どちら様でしょうか……」


 俺が代表して女性に質問をする。


「私よ! わ・た・しっ! 中村奈津美よっ!」


「えっ、ああ! 中村!? 中村なのか! 金髪になっていたから気づかなかったよぉ~」


 それは、同級生だった中村奈津美だった。

 俺が知っていた中村は黒髪だったので、まったく気付かなかった。


 それから僕たちは、場所を移動して、

 昔よく遊んだことや、これまでの経験、今何をやってどうなっているのか、歌い、騒ぎ、まるで外見は変わっても中はまるで中学生のままのような時間が流れた。


「で、中村結婚したの? 相手誰よ?」


「もちろん相手は長谷川くんよ。子供も二人いるの」


 長谷川くん……長谷川君……。


「もしかして、あの当時中村が付き合っていた長谷川か!?」


「うん♪ 白鳥が、がんばれよって言ってくれたからゴールインしちゃいましたぁ~」


 ま、まさか、本当にゴールするとは……。

 そんなこんなな話もしてそろそろお別れの時間がきた。それは中学生から大人に戻る一瞬の間――


「それじゃあ、今度いつ会おうっかぁ~」

 

 石渡がそんなことを酔っ払いながら言う。


「……ごめん、僕は明日妹がむかえにきて当分会えそうにない……」


「おいおい、なんだよぉ、そんな左下を見て、どんな時も右上を見ていこうぜぇ~」


「ごめん、私もういいや。いつまでも過去を引きずってちゃいけないからね。今日は本当に楽しかった! ありがとう!」


 中村は俺たちみんなに握手をしてお店を出ていく。店内が暗かったせいか、お店を出た中村はそれまで全然気にならなかった髪が妙に金髪に見えて、その姿は大人そのものだった。


「……それじゃあ、僕も……これで……」


 浅里もそれぞれに握手をしてお店から出ていく。

 それは中村が残していった金髪の力が発揮したのか、浅里の出てあとの店内は妙に明るかった。


「また、俺達残ったな……」


「だな……」


「でも、俺達もそろそろ前に進まなきゃ」


「……おう!」


 そう言った石渡の笑顔を昔から何も変わっていなかった。

 こうして僕たちは前に進んだ。


 何年経とうと、どこにいようと僕たち四人は変わらないと確信して――

 

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