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3-38 最後の四天王:煉獄の魔女イルミナとの遭遇

 神殿の入り口は、静寂に包まれていた。


 俺は胸の奥でざわめく緊張を押さえつつ、ミリアに中の偵察を任せる。


 光も影もない静けさの中、微かな魔力のざわめきだけが、何かが潜むことを告げていた。


 「……気をつけろ」


 低く呟く声は、俺自身への励ましでもあった。


 レンカとカイルは即座に構え、光と影を研ぎ澄ます。


 前衛のミリアとダリオも戦闘態勢を整え、背筋を伸ばす。


 石扉を押し開けると、薄暗い回廊が続き、冷たい空気が肺を刺す。


 中心の広間には、赤い光が揺らめいていた。


 その中心に立つのは、漆黒のマントを纏い、炎の精霊のような赤い瞳を光らせるイルミナ。


 「来たか……勇者ども。今こそ、私の煉獄を見せてやる」


 その声と同時に、広間全体を炎の結界が包み込む。


 熱気が肺を焦がし、足元の石畳は赤く光り、ゆっくりと割れ目が走る。


 俺は拳を握る。


 心臓の奥で、レンカのことがよぎる。


 ――絶対に守る。あいつの笑顔を、絶対に守るんだ。


 決意が、魔法よりも重く、体中を貫く。


 レオンハルトが双雷剣を振るい、雷撃が結界に突き刺さるが、炎の壁で半分は跳ね返される。


 「くっ……!」


 だがその姿に、俺は鼓舞される。


 剣士の覚悟が全身から迸る。


 ダリオは戦槌を肩に担ぎ、盾となり槌となって前線を支える。


 「俺たちが通す道は、俺が作る!」


 その重みある声が、仲間たちの士気を支える。


 ミリアは風を纏い、炎を乱しながら仲間に隙間を作る。


 「風は私が制す! 敵も味方も、私の流れに逆らえない!」


 跳躍と旋回で炎の鞭をかいくぐり、仲間の背を守る。


 カイルは影に身を潜め、イルミナの背後を狙う。


 「背後は俺に任せろ」


 だが魔女は予知の如き動きで攻撃をかわし、炎の鞭を叩きつける。


 「影だけでは届かぬ!」


 カイルは必死に間合いを制し、防御を行う。


 レンカは聖杖を掲げ、サイレントの魔法を発動させる。


 しかしイルミナはレジストに成功する。


 それを見たレンカは、光の柱を炎に突き刺す。


 「皆、集中して! 光を合わせるわ!」


 光は炎の結界に揺さぶりをかけ、微かな隙間を生む。


 その隙を逃さず、俺は魔導書アーク・コーデックスで魔法を増幅。


 「これで……最後だ!」


 アイスランスが炎の壁に突き刺さり、結界の一部を崩す。


 広間の奥から低い声が響く。


 「……ほう、覚醒……いや違うな」


 エリシアが静かに座し、光を纏い、精霊の気配を最大限に解放していた。


 その姿を目にして、俺の胸は昂ぶると同時に、深い安堵で満たされる。


 「私も……行く」


 光と影、炎と氷――七人の勇者が一つの流れとなり、戦場は元素の嵐と化す。


 俺の魔法が炎の結界を削り、

 レオンハルトの雷光が地面を裂き、

 ダリオの槌が前線を守る。

 ミリアの風が空間を乱し、

 カイルが影に潜みながら背後を警戒する。


 レンカの聖魔法が光を重ね、

 エリシアの精霊の矢が全てを貫く。


 イルミナは目を見開き、驚愕する。


 「こんな……私の煉獄と互角だと……!」


 だが彼女も反撃を緩めず、炎の鞭、火球、空間操作を駆使し、七人を翻弄する。


 俺は拳を握り、レンカを思う。


 ――あいつを、絶対に守る。


 この戦いの中で、俺が守るべきものはレンカだけじゃない、仲間もだ。


 力も命も、俺はあいつらのために使う。


 戦闘の第一波が過ぎ、互いの力量を探る睨み合いが広間を支配する。


 炎の熱気、雷の稲光、風のささやき、影の沈黙――


 全てが俺たちの心を試す。


 だが、後退はない。


 ここが、真の戦いの始まりだった。

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