3-34 最後の四天王:決戦前夜の会議
夕暮れが夜へと移ろう頃、俺たちは焚き火の周りに集まっていた。
決戦は目前――最後の四天王、煉獄の魔女イルミナとの戦いが始まろうとしている。
焚き火の赤い光が揺らめき、長く伸びる影が地面を覆う。
誰もが口を閉ざし、胸の奥にそれぞれの覚悟を抱いていた。
「――皆、集まってくれ」
俺の声に、仲間たちは静かに歩み寄り、焚き火を囲んで円を作る。
「明日、イルミナとの戦いだ。無理は禁物だが、全力を尽くす必要がある」
俺の言葉に続き、レンカが口を開いた。
「私は中衛で援護と、魔女の魔法封じを担当します。皆との連携を最優先に」
ミリアは拳を握りしめ、力強く宣言する。
「私は風の勇者として、敵へ遊撃として突撃する。それで敵を混乱させる!」
ダリオは盾を叩き、無骨な笑みを浮かべた。
「俺は前衛で盾になる。機を見て突撃もする。抜かりはねぇ!」
カイルは影の中で静かに言う。
「俺は影として、敵の死角を突く。情報収集と奇襲は任せろ」
レオンハルトは双雷剣を肩に担ぎ、鋭く言い放った。
「正面突破は俺がやる。先陣は任せとけ」
エリシアは目を閉じ、静かに深呼吸をしてから言葉を紡いだ。
「私も力を尽くします。新しい弓技と精霊魔術で、皆を守り、魔女の力を打ち破ります」
焚き火の炎が揺れるたび、微かに光る精霊の気配が漂い、暖色の光と重なりながら仲間たちの士気を静かに支えていた。
川面に反射する月光が、揺れる影と溶け合い、夜の森全体が幻想的な静寂に包まれる。
俺は全員を見渡し、言葉を続ける。
「――分かった。明日の戦いは、互いの力と信頼がすべてだ。疑いも遠慮もいらない。全員で、勝つ」
仲間たちは頷き、拳を軽く合わせた。
「俺たちは仲間だ」
「「「「「「共に戦う!」」」」」」
焚き火の炎がはぜ、影が揺らめくたびに、決意と緊張が夜気の中で濃くなっていく。
冷たい風が頬を撫で、星々は静かに瞬き、まるで天の加護のように光を落としていた。
焦燥はあった。
だが、それ以上に――互いを信じる力が、確かにあった。
明日、すべてが試される戦いが始まる。
勇者一行は深く息を整え、夜の森に静かに佇みながら、その瞬間を迎えた。
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